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プロローグ
初めて投稿します。
ゆっくりになると思いますが、頑張って完成させたいです。
「夏樹、お願い。」
由紀が切なげな表情で必死に頼むから、杉下夏樹は「嫌」とは言えなかった。親友の由紀だからこそ助けてあげたいって気持ちも夏樹にはあった。
昼休み終了直前の昇降口はすごく静か、遠くの方で生徒の笑い声とか内容がはっきり聞き取れない話し声が響いているだけ。
目的の下駄箱の前に着くと夏樹はスカートのポケットに入っていた封筒と取り出した。そして誰にも見つからないように手早く投函した。それでも確実に相手の手に渡るようにと祈る気持ちを込めて、靴の上から動かないようにしっかりとひっかかりをつけて置いた。
もうすぐ予鈴が鳴る。夏樹の教室は2階にある。だが昇降口前の階段には上がらず、そのまま廊下をまっすぐに進んだ。もう一方の階段ならば2階に上がるとすぐ夏樹の教室2年1組だからだ。
夏樹を見送るかのように長い影が伸びていた。