4話
「一つ頼みたいことがあるんだが…」
「追加報酬次第だな」
「協会の人間を連れて行ってもらえないだろうか、数名でいい」
「死んでも知らぬ」
「構わない。私が付いていく」
「それであれば3倍で許そう」
「おまけしてくれたな」
「周りを気にせずに済むから」
「流石に本気は持たんぞ」
「本気で守れば三秒くらいは保つだろう」
「二秒だ」
「4倍にしてもらおうか」
「問題ない。安いものだ」
「それでは参ろうか」
―
「各員戦闘準備これより始まりの森制圧戦に入る」
「え?全員?」
トリル「サンダーさんのお供ができるんですね!」
「絶対に私より先に出るな。そして刮目せよ、冒険者最強とエンドフロアマスターを。見ることはもう無いだろう。目に焼き付けろ、恐怖を、そして英雄を」
『はっ』
「英雄とは随分と祭り上げられたものだ」
「それでは頼む」
―
「第一階層に入る。第一階層のフロアマスター“ワンズ”」
「スライム型のモンスター。一部物理攻撃無効」
トリル「A級冒険者でもなかなか難しく、魔法などが使えなければ…」
「でも…デコピン一発で弾けましたけど…」
「あれが最強だ」
「これは貰って行くぞ」
「ああ、もちろん」
「あれは…」
「フロアマスターのみが落とすと言われる…」
「次、行くぞ」
「あ、え、はい」
トリル「あれが英雄様…」