プロローグ
不定期に、のんびりと更新していく予定なので、続きが早く見たいという人にはあまりお勧めできないかもしれない作品です。それでも良ければ少し覗いて行ってください。
「んー。どこしまったかなー」
私は古びた書庫の中から様々な本を抜き出しては戻していく。探しているジャンルは植物。
「だれか捨てちゃったりしたのかなー」
弱り顔で私の気が緩んだとき、空から分厚い本が降ってきた。どれだけの高さから落ちてきたのか、その本の衝撃で脚立から落ちてしまった。
「いててて......」
盛大に脚立を倒し、腰を打ちながらも私は落ちてきた黒い装丁の本を手に取った。背表紙に書かれているはずのタイトルはすでに消えかかっていた。
私はすぐにこの本を膝に抱えて表表紙を見る。やはりここにもかすれて読めないタイトル。
けれど私には、何らかの確信があった。
「見つけた」
ページをめくる。そこには表紙一面すべてを使うほど大きな文字で、こう書かれていた。
『クルトの植物探検記』
初めまして。僕はクルトといいます。おそらくご存知の方も多いのではないのでしょうか。そう、お察しの通り、弱虫クルトです。なんでこんなものを書いているのか?それは、後程お話させていただきます。
それでは早速、本書の簡単な内容説明に入ります。本書は主に植物に関する事柄を記しています。僕の命が続く限り、世界中のありとあらゆる植物に関しての説明を本書にてしていこうかと思います。
近場でとれる薬草や、薬の素材となる薬草。果ては、遭遇したら即座ににげることを推奨する毒花など、植物に関する情報をできる限り簡潔に僕の考察も交えながら発信していこうかと思います。
それでは、僕が見てきた植物の世界へ、どうぞ
その瞬間、私の脳裏に強烈な光がフラシュバックした――