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第1話

昔、ちょびっと投稿していたことがあるのですが

初心者と言っても過言ではありません!


暖かい目で見守ってくださいm(_ _)m




私にはこの世界に生まれる以前――前世の記憶がある。


前世の私はそこそこ有名で転生したいまではその当時の記憶を活かして充実した日々を送っていた。


のに…


「お前が本当に()()噂の騎士なのか?…期待はずれだな。」



そう言って私を見た目の前の男は鼻で嘲笑う。



神様、この失礼な男どうにかなりませんか―?



全ては二週間前、ある手紙が届いたことで始まった。


――――――――――――――――



リートラフ王国。


前世での中世ヨーロッパの様な雰囲気の国で建国して以来、大陸でも一、二を争うほどの広大な自然と豊かな資源を有する大国。


そんな国境に領地を持ち、幾度とない他国からの侵攻を防いできたのは国内外を問わず最強と評される私兵団を統括するのがヴァレンタ辺境伯爵家。


武に秀で建国当初から国王率騎士団の要として活躍し数多くの騎士団長を輩出してきた名家でもある。


そんな家の娘にして私兵団の部隊長を務めているのが私、レオリクエス・アリア・ヴァレンタ 15歳。


騎士という職業柄、普段から男のような格好をし仲間と共に武器を振り回してはいるが元王女の祖母を持つ由緒正しき令嬢である。


この日も私はいつもの様に騎士服に身を包み私兵団の仲間と共に訓練をしていた。


「レオリクエス様ー!! エリシエラ様がすぐに屋敷に戻るようにとの事です!!」


そこへ突然慌てた様子で屋敷の小間使いが伝言を伝えに来た。すぐに戻ると答え見送ってから呼ぼうと口を開いた時にはすでに副隊長のマックが私の元へやって来えいた。


短く刈り込まれた茶髪に騎士らしい精悍な顔と体。茶色の目が愛嬌があって可愛いとお姉さま方に人気で私より二つ歳上。私兵団の元隊長の息子で物心ついた頃から一緒に過ごしていたためこうして私の意思を汲み取って先に行動してくれる。


「珍しいな…エリシエラ様が居ながらこの時間に来るってことはよっぽどの事態って事だよな?」


「そのはずだけど…マックは心当たりある?」


「ないからお前に言いてるんだろ。」


そうだよねと言いながらマックと私は顔を見合わせた。いつも領地内で何かあった時は王都にいる長男に代わって屋敷に滞在している双子の兄のエリシエラが対処している。彼はヴァレンタ家にしては珍しい文官志望ではあるが非常に優秀で私に話す時には大抵解決したあとだ。


私がどれだけこの仕事を大切にしているかを知っている彼が訓練中のこの時間帯に呼び戻すということは余程のことがない限りありえない。


今までに呼ばれたのは間者を捕え翌日には領地手前まで進軍している情報をつかんだ時や隣の領地で魔物が大量発生し街が半壊した時など、いずれにしても後に国が混乱に陥る様な事案が大半だった。


隣国も王が代替わりしたことで平和条約を結び戦争を仕掛けてくることは当分ないし、魔物が大量発生する前兆もなかったように思う。


だからこそマックも私も首を捻っているのだ。エリシエラを知るほかの仲間もただ事ではないと感じたようでチラチラと私とマックに視線をよこしてくる。


この様子だとこのまま訓練を続けることは出来ないだろう。


「それじゃ、私は屋敷に戻る。私兵団が関わるならすぐにでも伝えるから。」


部下が連れて来た愛馬にひらりと跨りながら言えばマックはヒラヒラと手を振ってきた。私兵団は任せろということらしい。


馬を走らせ始めると背後からマックの「こんな事で集中切らしてんじゃねぇ!!!素振り5000追加!!!」と言う声と他の団員の猛抗議する声が聞こえてきた。


相変わらず仲のいいやり取りに微笑ましい気持ちになりながらも何とも言えない不安が胸を支配していた。



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