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幻想アークライド  作者: アルク
第3章 魔術の気配
12/12

そしてこれから

そして翌日。


「いやー派手にやったねぇ。」


「俺がやったわけじゃねぇ。」


賢治(けんじ)のヤツが持ってるのは今朝の新聞だ。見出しは『XX大学の一角で謎の大爆発!!』である。


結局、地下はおろか地上の建物を丸ごと吹っ飛ばす大爆発によってすべては灰の中だ。俺?甲冑のおかけで焼けど一つありませんがなにか?


それはともかく、この大爆発のせいで大学は四方八方から攻められているらしい。幸い、『無人の建物』だったので死傷者は0だったとか。闇雲教授の名前は当然のごとく一切出てこない。それどころかそんな人物など最初からいなかったかのごとく、大学の記録からも、そして人々の記憶からも綺麗に消えてしまった。


「明らかな記憶改ざんだな。規模から察するに結構な実力者だったのかもな。」


「それは魔法使いのって意味?」


「魔法使いっていうより魔術師って感じだったかな。ヴァチカンの名前を出していたし、悪魔と契約した人間かもな。」


「悪魔・・・ですか。」


「そんなものがこの近くに潜んでいたなんて・・・。」


俺以外の三人が恐ろしい物を見るかのように新聞を見ている。


「それでこれからどうするんだい?その闇雲って人を探すのかい?」


「いや無理だろう。あの様子じゃもう日本にもいない可能性がある。一応ヴァチカン含め、複数の組織に闇雲のことは通報してある。匿名でな。あとは任せるしかない。お前らもこれ以上深入りはやめとけ。下手したら・・・な?」


おそらくとらわれた動物たちはあの巨大コウモリの餌食に・・・。そして悪魔が食らう物と言えば・・・グロイので考えたくない。三人もコクコクと頷いた。素直でよろしい。


「そういえばあのアルバイトの二人はどうなったの?」


「洗脳が解けて正気には戻ったんだがな。闇雲のことは忘れてるんだが自分達がやってきたことは覚えていて『動物達を攫って売り飛ばしてた』っていう変な風に解釈したみたいだ。なんでこんな事をって頭抱えてた。」


「それって大丈夫なの?ホントに警察に自首したりとか?」


「しようとしてたんだが、昨日も言った通り証拠も何も無い。本人達が騒いでるだけになってしまうし、下手したら精神病院送りだ。だから・・・。」


「だから?」


「記憶を消した。」


「・・・」「・・・」


「・・・アンタそんな事までできたの?」


「まあな。つっても試したのは初めてだが。都合よく記憶を消せるかどうかは99%自信があっても実際に試して見ない限り100%にはならないからな。二人には罰って名目で実験台になってもらった。」


「・・・アンタねぇ。」


「納得できないのはわかるが、今後のためってことで納得してくれ。それが出来ないって言うんなら、今後、USBメモリ型(アークライド)万能ツール(ガジェット)は二度と使わない。たとえ人助けでもな。」


「どうしてそう極端なのよ。」


「人助けのためならOKで、実験的に試すのはNGっていうのは個人的に納得できん。勿論、時と場合にもよるし、危険な人体実験を肯定する気もない。それこそ極端な話だからな。ただ、都合の良いときだけ都合よく使って、都合が悪くなるとそれは危険だって叫ぶのはどうよ。ってことだ。」


「・・・そういえば私の祖父が言っていました。『戦争で産まれた技術を現代では便利に使っているが、だからと言って戦争があった事を良い事だといってはならない。』って。」


「・・・判ったわよ。善事でも悪事でも最後まで責任持つってことね?」


「そゆこと。キレーに纏めたな。ま、あの闇雲とか言う奴が俺個人を狙ってくる可能性もあるからUSBメモリ型(アークライド)万能ツール(ガジェット)を手放すって選択肢は最初から無かったけどな。


むしろより強力なものを考えないと対抗できんかもしれん。と、言うわけで俺は帰って研究を続けるとしよう。」


席を立ち、部室を去ろうとする俺。


「・・・ねぇ、五条(ごじょう)?君はなんでそんなガジェットを作ろうなんて思ったんだい?」


唐突な質問だな。まあ、いつかは聞かれると思ってたけど。


「・・・天斗家は代々厄介ごとに巻き込まれる家柄だ。そしてすべては天命のままに、って言うのがうちの家訓だ。要するに力ないやつが力尽きるのは当然だってことだな。」





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