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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第六章 桜国編
89/114

89 緑の瞳

鳥居89


世界樹の前、ドライアドは目の前に居る魔神を睨み付けていた


「そんなに睨まないでちょうだい」


ふふっと笑う魔神は仮面をずらし口元だけ出している。


二人の間には透明な壁

五十鈴が張っておいた結界だ、世界樹を中心に円形の結界が張ってある。

中にはドライアドの他にも、エルフ達やロロにスノウ、ユリもいる

全員が魔神を監視するように目をそらさずに見詰める


「魔神っ」


「落ち着けってロロ、五十鈴にも言われただろ」


「むやみに飛び付いたらマスターがおやつ無しって言ってたぜ」


怒りに任せて飛び出そうとしたロロは、スノウとユリに肩を捕まれ心を落ち着かせた、それでも魔神から目を離さない


「ふふ、ダークエルフちゃんも主ちゃんに助けられちゃって、つまんないわぁ」


言葉とは裏腹に楽しそうに笑みを浮かべた魔神


「貴女の……いいえ、魔神の目的は何なのですか」


「目的、ねぇ……」


何かを思い出すように魔神は仮面の下で目を伏せ、ふっと笑みを浮かべた。

魔神の出すような笑みではなく、どこか優しげな笑み。


「願いを見るためよ」


「願い?」


「そう、願い。私の大事な大事な願い


…これ以上は教えてあげないわ、これは私だけが知ってればいい記憶であり願いだもの、他人になんて教えたくないの」


まるで大切なものを必死に隠そうとする幼子のようになにも教えようとはしない


「まったくっ五十鈴ちゃんったら、こんな結界まで張れるのね


でも、この結界がもつのは30分ぐらいかしら」


ペタリと結界を触る魔神、触ることが出来ても壊すことは出来ないようだ


「ええ、そうです」


「簡単に教えるのね、五十鈴ちゃんが来るって信じてるってことかしら」


ふふっと楽しげに笑う魔神


「信じてます、五十鈴様は約束してくださいました」


「ドライアドが信じる、ね……そうねぇ、この結界がなくなるまで何もしないで待ってあげる

五十鈴ちゃんが私の願いを叶え、そしてドライアドを守れるか」


楽しみねっと、言いながらドライアドに笑いかけた




ーーーーーーー




様々な場所で爆発音やら叫び声が聞こえる、この森は危険です


「叫び声が切ない」


(うち)の子の声じゃないことは確かだ……ゴリラ警備員の強さは無限大だな

そんなことを考えながら森の奥を見つめる


「さてと、そろそろここに来ますかね?」


「来ると思います、むしろ来なかったら此方から行くだけのこと」


(かしら)以外は俺達がやりますので、(ぬし)様は存分に黒頭とお遊びください」


黒翼達が俺達に勝てるわけがないのですから


その言葉と共に周りの木々から鬼神族、狼族が現れる。五十鈴を守るかのように背を向け立つ姿は日々鍛練を積んできたのが伺えるほどだ


「あの結界も30分しかもちませんし、私達も早くドライアドさんの元に行かないとですね……」


そんなことを話していると、五十鈴の顔面スレスレに槍が飛んできた



パシリッ



「女性の顔に刃物を投げつけるなんて、どんな教育を受けたんだか……」


「ほんとですね」


「姿を表せ、鬱陶しい」


そう言う二人も飛んできた槍を片手で掴んでいる、この場に居る全員が気配には気付いていた。

掴んだ槍をそのまま飛んで来た森の中に投げ返し表れたのは黒翼の者達。

頭はやはり、鳥の仮面をつけている


「この森の中に居る者達は桜国の者だな……」


「そうですよ、貴方がわざわざ来る日を教えてくれたので」


助かりましたっと言う五十鈴をただ見つめるだけの黒頭


「……」


(だんま)りですか?」


教えたことについては何も喋りたくないらしい。

はぁっとため息を吐き出す。


「ドライアドさんの元にも魔神の元にも黒翼の者は行かせませんよ」


「なら、こうするしかないなっ!」


「ま、そうなりますよね」


黒翼、鬼神、狼族、三種族がぶつかり合う。

五十鈴は黒翼の(かしら)から繰り出される槍をひょいひょい避ける


「筋はいいですけど、何か迷いがあるみたいですねっと」


振りかぶられた槍をつかみ黒頭ごと軽く投げ飛ばす


「くっ」


なんとか着地した黒頭は素早く五十鈴に近付き槍を振るう



ガキンッ



「やっぱり、同じ森で暮らしていただけあって似てますね」


槍を刀で受け止めた五十鈴は軽く槍を押し返す


「足元がお留守ですよ?」


素早くしゃがみこみ足払いをした五十鈴、ここまでの流れを見ていたであろう離れた場所で戦闘してる頭二人と頭の副官二人がどこか恥ずかしそうな気配を出している


「ふふっ、ほんとそっくり」


「本気で戦えっ!」


五十鈴の軽やかな動きに、そう怒鳴る黒頭。


「落ち着いてください」


そう言いながら、迫ってきた(やり)(やいば)を避けながら素手で弾き返し、黒頭の顔面すれすれで拳を()め、そのまま仮面についているクチバシを軽くデコピンする



パァンッ



そんな音と共に仮面が砕け散った

表れた素顔…


やはり右目は反転した緑の瞳。


「迷いが攻撃に現れていますよ?」


「迷いなどないッ」


「おっと」


「くそっ、何故本気でかかってこないっ」


ブンッと、槍で五十鈴を()ぎ払うかのように動かしたが五十鈴はまたしても軽く避けると、足に影が絡み付く。


五十鈴は目を細め黒頭を見てから、影に向かって口を開いた



「離しなさい」




五十鈴のその一言にシュルリと影が離れる、五十鈴の言葉に従うかのように


「なん、で……」


なぜ影が離れたのか理解できずに驚く黒頭を見てから周りを見ると

周りのお仕置きも落ち着いたようだ、屍の山ができている



「皆していい笑顔ですね……」


「「お仕置きですからね」」


スッキリですっと、顔に書いてある


「どういうつもりですか、先程から。

まるで遊ぶかのように俺の攻撃を避け、先程も俺の顔スレスレで止めましたよね。

仮面を砕くだけで、俺の顔にはまったく衝撃が来なかった…なぜですか」


「何故って」


五十鈴がそこまで言って続きの言葉を(つむ)ごうとすると、森の奥から何かを引きずる音が響きだす


「五十鈴はーん!」


「嬢ちゃん!」


「「連れてきたぜ/で!」」


ペイっと投げたのは水色の糸で縛られた黒翼の者達、投げられた黒翼の者達はゴロゴロと転がる。


軽く焦げくさい、翼がチリチリだ…コン達ですね


此方(こちら)もです!」


「主様の教えてくださった決め台詞も言いましたよ!」


火花と雪音率いる女性陣も黒翼の者達をぽーいっと転がす


「何故でしょうか、女性陣の縛りかたがえげつない……」


女性は柔軟性があるとはいえ…逆エビの刑

逆エビにした縛りかたをされている、足首と手首と一つに結ばれて翼もあるからギチギチだ


森で聞こえた女性の叫び声って…やめよう、考えるのやめようゴリラ警備員に捕まったのが悪い


そう思いながら五十鈴は黒翼の(かしら)に顔を向ける


「これが答えですよ」


「全員を拘束することがですか……」


「いいえ、私達はあなた達にお仕置きをしただけです」


「……お仕置き?」


聞き返す黒翼の者に笑顔を向ける


「ええ、家出していた家族に」


五十鈴のその一言に、縛られている黒翼の者達が目を見開く



「なに……を……」



「黒翼の者、いいえ。烏天狗一族、私達がここに居るのは私達の家族を返してもらうため」


「家族だって?

俺達とあなた達が家族だなんて馬鹿なことあるわけがないだろう、何をいっているんだ」


吐き捨てるようにそう言った彼を真っ直ぐに見詰める、


「……それが何よりの証拠なんじゃないですか?」



ポタリ────



「……え」


左目からだけ流れ落ちた一粒の涙


「私達は貴方の涙を、家族の涙を止めに来たんです。

貴方は私のことを〝主〟と呼んだ、そして手を伸ばした。


あの時は掴めなかったその手を、私は、私達は掴みに来たんです」



烏天狗一族はあの森の、桜国の家族でしょう?






















バレンタインのチョコ、ゴリラチョコが売っていて買うか迷う……食べにくそうなんですよね

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