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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第六章 桜国編
88/114

88 ゴリラ警備員


満月が光輝く夜


エルフ国は大森林になっていた。


「ドライアドさんの力はすごいですね……エルフ国が森になりましたよ」


ドライアドの力で、エルフ国に大量の木々を生やした。

もののけの姫が住んでいそうな森って感じだ。まぁ、今この国にいるのは木霊じゃなくて


「ゴリラ警備員だらけですけどねぇ」


夢も希望もない。あのゴリラ達は野生のゴリラよりもたちが悪い


「皆張りきってましたから」


「日々鍛練は怠っていませんので、(みな)も共にと」


この三日間、朝、昼、晩、大根潰しで気合いをいれてましたもんね……


「皆にお願いしたら喜んで引き受けてくれましたし……」


「主様からのお願いですからね、喜んで引き受けますよ」


「それに今回のお願いは私達にも関係があることですから」


そうな風に会話をしながら木々を見ていると、エルフ国全体がざわめき始めたのを感じ取る


「「! 主/様」」


「来たみたいですね……」


ドライアドさんの結界が壊されましたか、でもまぁ。


(うち)の子達は負けませんよ」





ーーーーーーーーーーーー




エルフ国入り口には沢山の黒翼の者達が集まっている


「ふーん、主ちゃんったら。ドライアドの結界を壊した内側にも結界を作ったのね、ドライアドの血液まで使って」


どこか感心したような魔神


「どうなさるんですか?」


「入り口にはなにもないし、誘われてるわね。

いいわ、乗ってあげる! 楽しそうだもの」


とても楽しげに、ふふふっと笑いながらエルフ国の入口に足を踏み入れた。




「森ばっかりね、私は先にドライアドのところまで行くわ」


そう言って魔神はその場から姿を消した。


(かしら)、私達も行きましょう」


「手分けしてユグドラシルまで向かう……」


バサリと翼を広げて飛ぼうとしたが、なにかに阻まれ木々よりも上に行けない。


「透明な、糸か?」


槍の刃で切ろうとしたが、全く切れない


「飛んでは行かせないと言うわけか……この木々の密集の中を飛ぶのは無理そうだな……

森の中を散り散りで進め!」


「「「は!」」」


シュバっと、黒翼の者達が森の中にバラけた。




バラバラに進みだした黒翼の者達。森の中、月の光だけが視界を明るめている


「こっちの道であってんのか?」


「さぁな、森ばかりで嫌になる……!」


ドォン!


突然飛んできた何かを即座に避ける


「なんだ……火の粉?」


黒翼の者が飛んできたものを確認すると、何処からともなく声が聞こえる


「いややわぁ、避けられてしもーた」


「まぁ、しかたねーだろ」


森の中から現れたのはコンやガッツ達


「獣人……、私達とやりあう気か?」


バサリと黒い翼を動かしながら、挑発するように問いかける黒翼の者


「わいらも毎日遊んでるわけやないんや、わいらを守ってくれる五十鈴はんを守れるぐらいになりたいんやから」


「そうだな、嬢ちゃんのために頑張ろーぜ」


そういうと二人の様子が瞬時に変わる、もちろん他の獣人達も。

毛が逆立ち姿が変わり始めた


「五十鈴はんがキュウビみたいでかっこええ言って喜んでた姿や、負けられへんな」


「アイリーンがめちゃくちゃ喜んだんだよな、この姿……」


「あの時のアイリーンはん、「ガチガチムッチだなんて、ありがとうございます!」って、お礼言ってはったもんな。鼻から赤いもん流しながら」


狐一家は尻尾が増え、目尻に赤い筋のついたキュウビのような姿に。

ガッツ達は筋肉量が増え迫力がある、アイリーンにとっては悩殺ボディらしい


その姿を見て、黒翼の者達も警戒し始めたのか槍を構えるが、コン達は余裕そうに相手を見る


「負ける気あらへんよ」


「負けねーだろ、俺たちならな!」


獣人達が戦闘体勢に入るのを見て、黒翼達も構える


「ちっ、厄介だな! 頭と俺達の邪魔をするな!」


「数分で終わるだろ、影掴み!」


シュルシュルと獣人達に絡み付く影


「これで動きを封じこ……!?」


ふんぬ!!


獣人全員が力業で影を吹き飛ばす、黒翼の者が驚き固まるのを見てニヤリと笑いかけた


「わいらを捕まえたいんやったら」


「片手で大根を握り潰せるようになってからにしな」


それを見て黒翼の者達が冷や汗を垂らす


「は、マジかよ」


「俺達の影縛りを剥がしやがった……」


「呆然としてはるとこ悪いんやけど、今度はわいらの番やね……狐火(きつねび)!!」


「地割れ!!」


ドゴォ!


赤い炎を飛ばすコンと地面を叩き割るガッツ


「「お仕置きの時間だ/や」」




ーーーーーー




火花と雪音は女性の黒翼の者と睨みあっていた


「「あんた達まだ生きてたのね」」


「こちらの台詞です、昔と変わらず同じ顔が二つも」


「女性の黒翼達は全てここに来たみたいですね、でも好都合です。


こちらも同じですから」


雪音の言葉と共に現れるのはアイリーン隊やアリス、鬼神族、狼族の女性陣達だ


「「あなた達二人が仲良くなってるなんてって思ってたけど、他にも沢山いるみたいね。誰から片付けようかしら」」


「彼女達を甘く見ない方がいいですよ?」


そう雪音が言うが、数人の黒翼の者がアイリーン達に襲いかかる


メリッ!


「いやですわ、はしたない! 」


「そうですよ! アイリーンさんの言う通りです!」


全員が黒翼の者の頭を掴み地面に叩きつけている。地面にめり込む顔

ここに五十鈴が居たのなら、ゴリラパーク辛いと言ったであろう光景だ


「早く終わらせて主様の元に行きたいのに、まったく」


「兄上ばかりずるいです、早く片付けましょう火花さん」


二人の言葉に怒りで震える黒翼の女性陣達は、槍を構える


「「叩き潰してあげるわ!」」


黒翼の者達にぐるりと取り囲まれたが、火花達は気にしていない


「主様からのお願いなんです」


「お仕置きしてきてくださいって」


「「主様に教えてもらった決め台詞は確か……」」


そこまで言って女性陣が綺麗に円になり並ぶ、そしてニッコリと笑顔を浮かべて口を開いた



「「「「主様や月に代わってお仕置きです!」」」」



そう言って武器を構えた





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