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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第五章 魔法国編
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82 ルイスの目的


桃色の瞳からポタリと一粒の雫が落ちた


「なぁ、クレア。僕は君が涙を流さない国にすれば僕のこの変な感じも治るのかな? 」


誰もいない場所に声をかける、彼は胸を押さえ目を閉じた


「皆こんな気持ちだったんだね、僕はそれを止めるためにやるんだ、クレアは最後まで止めてたけど。

僕はやるよ、国の誰にもこんな気持ち味わってほしくないからね


今日が終わりで始まりの日だよ、魔法国は生まれ変わる」




ーーーーーーーー




五十鈴とソラ、ユリはクレアの部屋にいた。祭りも気になるがそんな暇はない

三人は本棚をくまなく見て回り、撃沈中


「まだ何かあると思うんですよね、楽譜に全てあるって言ってましたし」


「 × 」


どこを見ても本だけ、特に気になるものはない


「ユリは何してるんですか」


「ん、こうやったらなんか見えねぇなかってさ」


楽譜を筒みたいにして覗いて見ている


「そんなんで何か見えたら苦労しま……いや、それが答えですよユリ!」


五十鈴はその場でゆっくりと回る。円形の本棚、30段あって10段ずつで区切られた色


「この本棚自体が楽譜なんですよ!」


10段が一枚の楽譜で、多分音符が本。


「10段は三ヶ所、上、中、下。どれか一つの10段が答えですね……多分真ん中じゃないでしょうか、枠の色がリーナの髪色ですし」


「音符は?」


「多分ドレミファソラシド順ですよ、五線譜を縦にして見れば分かりやすいです。

楽譜の一番上の列が10段の一番上の列の本で、五線譜を縦にしたときに左から数えた音符の位置が本の位置です。


ドは1冊目の本で、レが2冊目の本。ドの次にファだったら、そのドの本から四冊目の本がファの本です。

だんだん本棚の右に進んでいくってことですよ」


ユリとソラ、三人で本を抜いていく。

全ての本を抜き終わった、相当な量がある。5冊だけ魔力の本、その他は全部絵本のようだ


「見た感じ普通の本……?」


本のカバーの裏側に何かある


「千切って外した紙?」


ノートから切り離したようにされた紙、中身は日記だ


「何が書いてあるんだマスター」


「……クレアさんの日記ですね


命を終わらせ再構築した人体は永遠の命を手に入れるが心を無くす、黒き賢者は(あるじ)自身」


主自身ってことは……


「マスター、他の本にも挟まってるぞ」


ユリが他の本からも紙を取り出す。それを見て全部の本から日記のページが出てきた

全部が日記のページになっている、そして絵本の方に挟まってるのは手紙だ



「これは……」


「……マスター」


ルイスが何故、民を殺してまで永遠の命を持った人に再構築したいのか解った気がした……



「魔法は心、魔法は愛。愛の魔法はもうすでに出来てたんですね……」





ーーーーーーーーー




魔法祭、リーナ達は国の警備をしていた。


「誰も気付かないんですね、主がおかしいと。空が見えないことにも疑問を持ってないみたいですし」


私共(わたしども)は空を本でしか見たことがありませんからな」


「とうとう明日ですね、母さんの幼馴染みは僕が止めて見せます。

母さんはいつもルイスの事で悲しげな顔をしていました」


いつもルイスの事で悲しげだった、いつも優しい笑顔の母さんが諦めたように悲しく笑うのが嫌だった。


「そういえば、ルイスは母さんが亡くなったあの日に来てましたね」


「その時すでに黒き賢者についての研究をしてましたが、結界から出て来てクレア様に会いに来ましたな」


「母さんが病気の時も来なかったのに、あの日だけ来たんだ」


あの日、母さんが亡くなった日にルイスはやって来て、母さんの冷たくなった手を一回だけ握ってすぐに主殿に帰っていった。

母さんを最後まで悲しませていた男


「でも、嫌いになれないのは何でなんでしょうか……」


リーナが宙に浮かぶ魔法の光達を見ながら呟くと、広場が突然騒がしくなる


「何事ですか?」


「リーナ! あれを」


アンガスが指差したその先に居たのは、魔法国の主


「ルイス? 何で広場に……」


ざわつく広場の人達がルイスに道を開けるように端による、ルイスはその道を堂々歩き、中心にある銅像の前に立った


「クレア、君の泣かない国をやっと作れるよ」


銅像を見上げながらそう言うと、黒い石を取り出す


「魔法国の民よ、今日この時をもって魔法国は生まれ変わる。

誰も死なない誰も泣かない、そんな国に!」


ルイスは黒い石を飲み込んだ。


ルイスの体から黒い触手のようなものが生え始める、民は距離をとるが触手に囚われ、ルイスの中に飲み込まれた


リーナ達が突然の出来事に頭がついていかず、目の前の光景を見つめていた

次々に飲み込まれる人達、リーナの側にいた人が触手に囚われそうになったそのとき


「タタリ神じゃないですか!!!」


触手を吹き飛ばす少女が現れた、黒い髪を靡かせて、金の瞳を輝かせた


「五十鈴さん!」


「遅かったみたいですね! アンガスさん、早く民を守ってください!」


触手を潰しながらそう叫ぶ


「黒い石は魔力形成、しかも死んだ者の魔力で出来たもの!鬼神と狼族があの結界の中で死に、その魔力で作り上げたものです

それを自身に結合することで黒き賢者になる!!

特殊な魔力との混合でできるもので、国の主じゃないと出来ないっ」


五十鈴に向かってきた触手をユリが素早く切り伏せる


「ルイスは民を殺して自身の身体の中で再構築する気です! 」


その言葉を聞いてアンガスが動き出す


「魔法騎士よ剣を取れ!! 」


アンガスの声が魔法国に響くと同時に、ルイスが動いた


「他国の者が何故ここに……まぁ、いい。魔法人形騎士(マジックドールナイト)よ、全てを切り伏せろ」


ブゥンっと、何もないところから魔法人形騎士が現れる


「何もないところから、何故?」


リーナがあり得ないとでも言いたげだ


「主殿の中に大量に魔法人形騎士が居るんです、ルイスが主殿を隠していたのはそのため。

国の中の魔力を使わなかったのは国の中の充満した魔力を利用して魔法人形騎士を転送するためです」


「マスター、早く止めねぇと!」


「わかってます!」


まだルイスまで距離がある、魔法人形騎士に触手。なかなか近寄れない


「僕も行きます!」


「元々そのつもりですよ! 貴方はクレアさんの愛の証なのだから」


「え?」


「話はルイスに会ってからです、行きますよ!」



魔法が飛び交う中、五十鈴達は走り出した




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