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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第五章 魔法国編
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81 音楽とパンケーキ


人が人から魔力を吸い出すことは普通できない事だったらしく、めちゃくちゃ驚かれた。


ルイスは魔力を集める何かを持っているのかなんなのか、それで魔力を集めてるらしい。

でも国にこれだけの魔力があるのに何故、国から集めないのだろうか?


わからないことが多い、国の結界の消し方も黒き賢者についてもまだ解決していないし…


「「お姉ちゃん」」


考え込む五十鈴のスカートを左右から握り見上げる子供が二人。

女の子がステラと男の子がアミル、魔力中毒になっていた子達だ。

ちなみに魔力の玉はナビがボックスに無理矢理しまった。何でも入るとは思ってたけど、魔力の塊もしまえるらしい


「病気が治ったとなれば噂になります、魔力吸収の道具の作り方はルイスしか知りませんから、この子達の事は秘密にした方がいいかもしれません」


「アリッサさんの部屋で匿うしかないですね……二人は大丈夫?」


「大丈夫、主さんは僕達を助けてくれないけどお姉ちゃんは助けてくれたもん」


「悪い人には見えないから……」


二人はローブで顔を見えなくして連れていくことに


「三日ぐらいなら隠し通せるはずじゃ」


ルイスを止めるまでは大丈夫そうだ、他国の主が国にいるなんて知られたら大騒ぎになる


「もう外も暗くなってきた、そろそろ子供達も戻ってくるはずじゃから帰ったほうがよいじゃろう」




ーーーーーーーーー




「病気の原因がまさか、魔力だったなんて……」


アリッサの部屋に帰り、事情を説明する


「解決方法が解ったわけじゃないんですけどね」


手元にあるのは楽譜と絵本。明日はお祭りで明後日がルイスを止める日


「明日はルイスの作った魔法人形騎士が徘徊するので、僕達は警備に行きます。

明日は国中の皆が広場に集まりますからね、色んな音楽に合わせて魔法が出たり、様々なイベントがあるので五十鈴さんも楽しめると思いますよ」


「音楽に合わせて魔法がでる……」


ふと楽譜と絵本のことを思い出した。

シルッドさんは音楽を奏でても何もおきなかったと言っていた……なにも起きなかったんじゃなくて、起きたけど気付かなかった?


「リーナ、この楽譜の音楽を弾けませんか」


「出来ますよ、バイオリンでよければですけど」


「大丈夫です、弾いてください」


なんだなんだと皆が集り、リーナが恥ずかしそうにしてるが気になるのは絵本だ


「じゃあ」


リーナのバイオリンの音が鳴る、五十鈴は絵本を開く。ユリが横から覗いてくる気配がした


「これは……」


「魔法、か?」


絵本の文字が変わっていく、絵が男の子だけになった。


『最愛の彼女は国の外に出て事故にあい亡くなった、私は愛するものを奪った外を視界に入れたくなくて魔法国を遮断することにした。

私の太陽はもういない、暗闇に染まった国が私の心だ。

アイリス、私はこの国に呪いをかけよう。

君がくれるはずだった愛の魔法だ、この絵本のように私にくれるはずだった。

だから呪いをかけることにしたんだ、この国の主だけが解ける呪いだ。

魔法国の主が愛した者と愛が通じ合い、共に愛の魔法を発動すれば解けるように』



この絵本はアイリスさんが書き、そして初代主が細工をした絵本

クレアさんはたまたまこの曲が流れているときに絵本を開いて気づいたのかも知れませんね


「主が愛した者と愛が通じ合う、ですか」


曲が終わると絵本は元通りになった。

皆リーナの演奏に聞き入っていたため、拍手が鳴り響いている


「五十鈴さんどうでしたか」


「ありがとうございます、素敵な演奏でしたよ。絵本の秘密も解りましたし」


「え、ほんとですか!」


「はい、少し分かってきたかもしれません、肝心の黒き賢者については謎ですけどね」



ーーーーーーーー




次の日の朝、もうすでに外が騒がしい。

朝御飯はカボーラホットケーキだ、ステラとアミルが瞳を輝かせていている


「魔法祭って朝からこんなに華やかなんですか?」


「年に一度のお祭りだからね、そしてそんな日に食べる朝御飯が美味しい……」


噛み締めるように皆食べている。

嫌がらせのようにホットケーキを可愛らしい動物の形にしたのだが気にしてないようだ

パステルピンク色をしたウサギのホットケーキを食べるアンガスを爆笑しながらアリッサが見ている、酸欠で死にそうだ


このカボーラホットケーキはカボーラを練り込んである。青いホットケーキは青カボホットケーキ、分かりやすく言うとカボチャ味のホットケーキだ


「ユリにレオン、ホットケーキ食べないんですか?」


二人は全くホットケーキに手をつけていない、というかホットケーキを見詰めている


「「可愛くてたべれねー/ない」」


だんっと拳をテーブルに叩きつける二人、


「つぶらな瞳!」


「可愛らしい口!」


「「食べれるわけがないっ」」


「いや、食べてくださいよ」


子供二人は容赦なくフォークを刺してましたよ、くまさんの顔面に


「マスター酷いぜ、こんな可愛い形に作るなんて」


「ユリの言う通りです。何でこんな可愛らしい顔にしたのですか! 私達も五十鈴様と同じにしてくださればっ」


レオンの言葉に五十鈴がフォークをレオンの顔すれすれに投げ付ける


ビィンっと音をならしながらテーブルに突き刺さるフォークを見て、レオンとユリは冷や汗を垂らした


「私のスナさんホットケーキが可愛くないとでも言いたいんですか? 私の家族でこんなに(あい)らしい顔のスナさんが可愛くないと言いたいんですか?」


にっこり笑顔で問いただす、五十鈴の持っていたフォークが鉄の砂になったのを見てレオンはその場に土下座した。


無惨に砕かれ砂になったフォークを見て、その場に居たものは即座に目をそらし可愛らしいホットケーキを見詰めて見なかったことにした



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