77 制服
ソラは透明から元に戻り腕の中に居る
お面で魔力は隠せたが、服装がまだ決まっていない
「白い羽織にセーラー服は目立ちますね、ユリの服もボロボロですし」
魔法国の服なんて持ってませんしね……
「それなら考えてあります。レオン!」
「はい!」
リーナの呼び声で前に出てきたのは、金髪に黒い制服? 騎士制服? っぽい服を着て、胸にバッジをつけた男の子だ
「彼は魔法学校の生徒で、僕らの仲間です」
魔法学校、胸が膨らむヤツがきた
「初めまして魔法学校第103期生レオンです。他国の主に会えて嬉しく思います」
めっちゃ礼儀正しい……頬を染めながらはにかむ彼はかっこかわいい
「頼んだものは持ってきてくれましたか?」
「こちらにあります」
差し出されたのは彼と同じデザインの黒い制服と白い制服。
「制服は用意できましたが、バッジは流石に……」
「やっぱり無理でしたか、魔法学校の学生だと思わせるには必要なのですが……」
「レオンさん、そのバッジをちょっとだけ貸していただけませんか」
「? いいですよ」
胸からバッジを外し渡される、魔法学校の校章のようなものが描かれていて少し重い
「ソラ、これと同じものが二つ欲しいんですが頼めますか?」
「○」
コピー能力の発動だ。ポンポンっと楽しげにバッジを出したソラ
とりあえず撫でておく
「リーナさん、これでどうですか?」
そう言ってリーナに渡そうとしたが、アリッサが素早くバッジを手に取った
「すごい! 全く同じにできてる、魔物にもこんな能力があったのね……
国の外に出られないことが悔やまれるわ!」
バッジをキラキラした瞳で見つめるアリッサは興奮しているのが頬がピンク色になっている
「アリッサ落ち着かぬか」
「あら、アンガスには言われたくないわ。あなただって昔から剣に盾に、新しい武器を見てはバタバタしてたじゃない、嬉しさのあまり肋骨が折れたのは伝説だわ」
「お前は落ち着きが無さすぎるんだ、お前だって新しい魔法材料を見つけた嬉しさで服を投げ捨てるじゃないか、そろそろ捕まると思うが?」
突然始まった言い合い、なんか異様に仲がいいと思いながら見てるとリーナがクスクス笑い出す
「あの二人は幼馴染みなんですよ、似た者同士なんです」
「え、あんなに年齢差がありそうなのにですか?」
「アンガスとアリッサは同い年ですよ。アリッサは見た目年齢だけは若いですからね」
リーナの言葉にアリッサの耳がピクリと反応した
「リーナったら、なにか言った?」
にっこり笑顔でこちらを振りかえるアリッサ、見た目だけとは言っちゃいけなかったようだ
「何を怒っとるんだ、若作りなのはほんグフォっ」
綺麗な膝蹴りがアンガスの腹に決まった。そのまま胸ぐらを捕まれて持ち上げられてるけど……そっとしておこう
片手で持ち上げているなんて気のせいだ、きっと
五十鈴は目をそらしてレオンの方に顔を向けた、後ろから聞こえる断末魔など耳には入りません
「レオンさん、貸してくれてありがとうございます」
「いえ!」
「二人はこの服に着替えてください。
言い忘れてましたけど、この部屋の中なら狐面も取って大丈夫ですからね」
久々にセーラー服以外を着れるらしい。寝巻きはノーカンだ
ーーーーーーー
女性用の制服は全体的に白色でスカートだ、フード付のポンチョもあるからソラも連れて歩ける。二次元の魔法学校の制服って感じがする。
隣に立っているユリも似合っているのだが
「私の心の中の聖騎士様感が凄いですね」
髪をポニテにしたのがいけなかったのかもしれない、格好いいけれど
「マスターはなに着ても似合うな、すっげー似合ってる。
素顔も綺麗だし、自慢のマスターだな」
「やだ、イケメン」
さらりと頭をポンポンされた、銀月や黒桜がやらないことだ。やってくれるのはコンぐらいだろうか……
リーナ達の元に戻ると、難しい顔をしてなにかを見ているようだ
「あ、五十鈴さん似合ってますね」
「ありがとうござグフゥ」
突然の衝撃が五十鈴を襲う
「こんなお顔をしてたのね、可愛らしい。ほんとに 綺麗な金の瞳をしてるのね!
レオンなんて真っ赤になっちゃって、似合ってるとかなんかないの? まったく」
抱き付かれすりすりとアリッサに頬擦りされる、ユリが引きはなそうとしてくれているが力が強い。
「と、とても似合ってます!」
手の甲で口を隠し、目をそらしながら真っ赤な顔で褒められた、出会ったことないレベルでピュアキャラだ
頭を撫でると湯気が出た、銀月達とは違った感じで可愛い……
ユリが悪の化身みたいな顔でレオンを睨んでるので、二人同時に撫でとく
「で、リーナさん達は何を見てたんですか?」
「ああ、これだよ」
バサリと紙が揺れる音と共に差し出された一枚の紙
「……楽譜ですか?」
リーナが見せたのは五線譜の楽譜、音符もついた普通の楽譜だ。
難しい顔をして見るようなものには見えない
「これは僕の母が書いたものなんです。母も魔法が得意でルイスを止めようと魔法について研究していました」
「リーナのお母さん?」
「名前はクレア、孤児だった僕を育ててくれた優しくて暖かな人でしたよ」
人でしたって事は……
「母さんとルイスは幼馴染みなんだ。母さんはルイスを止めるために黒き賢者の書について調べてたはずなのに、その資料が見つからなくて困ってるんですよ……」
「唯一見つかったのがこの楽譜、とか?」
「……正解」
クイズ番組じゃないんですから、そんな風に溜めてから言わなくても
「まだ時間も日にちもありますから、一緒に探しますよ。国の外から来た者の方が何かに気付けるかもしれませんし」
「お願いします、母が研究していた場所は魔法学校。
母は魔法学校の講師でしたから、行くなら魔法学校に行くのがいいかと
母についてはシルッドじい様に聞いてください、母のお祖父様ですからなにか知ってるかもしれません。
この楽譜も、じい様が見つけてくれたので。じい様にも既に事情は話してあります」
にこりと言い笑顔で楽譜を差し出してくる
……元々探させる気だったな、これ。
「じい様も魔法学校で講師をしてますからね、案内はレオンに任せてありますし」
「学校の制服を渡したのはそれが理由ですね、まったく」
「僕は一緒に行くと目立ちますから、ルイスの幼馴染だった母の子供だったことも理由ですが、この見た目で男の子たちに囲まれますし……どこに言っても声がかけられますから、一緒に行動は出来ません」
遠い目だ、母に会いに行くたびに囲まれてたやつだな、これ。
リーナと行ったら私の正体がバレる可能性しかない
魔法国ではレオンとユリ、ソラの四人で過ごすことになりそうだ




