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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第五章 魔法国編
76/114

76 お面

恐怖のキノコを駆逐した五十鈴達


魔力が少なくても、服を出せる分は残っていて良かった……おかげでモザイクも消え去る事に成功


「なんか、一気に疲れたんですけど……」


「思い出しても目が腐るぜ、おぇ」


「 × 」


三人は青ざめている、最初に服が弾けとんだシーンを見てから具合が悪い。

いきなりのバァーンだ、目の毒である。


モザイクって大事だなと思いました。


そんなことを考えながら上がっていくと、賑わう声が聞こえだしてきた。多分外に出れたのだろう


けれど違和感がひとつ、太陽の光がない。それどころか空が見えない

見上げた空は黒い膜のようなもので覆われている


「空が、ない?」


「国を隠す膜の結界に覆われていてこの国では空が見えません。

僕達は空など見たことがないんです。

あの結界から外に出れないようになってますし……この国はずっと暗闇に包まれています」


太陽の光がないだけで、なんだか寂しい


「外に出れたのは良いですけど、これからどうするんですか? 主殿に乗り込むわけにもいかないですし」


「それについても色々話さないといけませんし、とりあえず皆を休ませないと。

僕達は魔力を使いすぎてますし、五十鈴さんの服は目立ちますから」



ーーー




連れてこられたのは一つのお店、魔法アイテムの売っている店のようだ


カランと音をならしながら扉を開くと三角帽子が似合う魔女がカウンターに居た


「あら、リーナ。もしかしてその子が?」


「桜国の主さんですよ」


その言葉に魔女の瞳が輝く


「他国の主をこんな間近で見れるなんて!」


五十鈴の周りをぐるぐる周り出す女性、口元の黒子がよく似合う女性だ。

彼女は次にユリを見て驚いた顔をする


「あなた、もしかして魔法人形(マジックドール)?」


「なんだ?」


「こんな風に意思をもった瞳の魔法人形なんて初めて見たわ……」


リーナが高速で頷いている、そんなに珍しいものなのだろうか……


「アリッサ、部屋に行きたいのだか……」


アンガスの言葉に魔女、アリッサが少し不満そうに顔を歪めた


「アンガスったら、せっかちね。こっちよ」


店の奥に歩き出したアリッサについていくと、狭い部屋に案内される

アリッサが壁に向かって呪文を唱えると、ひとつの扉が出現した。


「皆、五十鈴さんを待ってたんです」


リーナがそう行って扉を開くと、沢山の人達がこちらを見た。




ーーーーーーーーー




キッチン、トイレ、お風呂。全てが完備されている大きな部屋だ、外から見たお店のサイズとあからさまに違う。

あと、ペガサス(がた)の人形が並んでる……


「アリッサの魔法でこの部屋は出来てて、中に入ると広いんです。

この部屋に居る皆は主のしようとしてる事を止めるために集まった仲間ですよ」


「この人達全て、ですか?」


けっこうな人数だ、戦争でもする気なんだろうか……


「五十鈴さんには説明しなくてはいけないことが多くあります」


「私を呼んだ理由ですかね……これだけの方達が居るのにわざわざ私を呼ぶなんておかしいですし」


これだけの人数が居るのなら私を呼ばなくても主を止めることは出来るはずだ。

わざわざ他国の者に助けを求めるなんて……


「ルイスは研究を主殿でしています。あの主殿に乗り込まなければ止められない、けれと主殿には結界が張っていて僕達は入れない……

主殿の結界はあの森と同じもの……いえ、さすがにあの森の結界よりも脆いでしょうが、この国で壊せるものは居ないんです」


桜国の者なら多分壊せるレベルって事かな……みんな日々鍛えられてて物理攻撃強くなってきてるし……


「だから私を?」


「はい、あの結界が壊せるのなら、主殿の結界も壊せる。あの森の結界を壊せる者なら誰でも良かったんです」


「その結界を壊して主殿に攻め込む気ですか?」


この人数で? 流石に多すぎる


「ここに居るのは(もと)魔法騎士(マジックナイト)です。私が指揮官をしておりました。

国や主を守る部隊、主殿に住んでいた者達。

今主殿には誰もいません、(みな)追い出されたのです」


アンガスとその場に居るもの達は、確かに体格がいい。日々鍛えていたことがわかる


「今あの主殿にはルイスが作り出した魔法人形騎士(マジックドールナイト)が居ます。

結界を壊せばルイスは気付く、人形騎士(ドールナイト)を動かすはずです」


「彼等にはその人形騎士と戦って貰うってことですか」


「はい、魔法人形騎士(マジックドールナイト)は戦闘用にルイスが作り出した物ですから強いんです……

この場にあるペガサスの人形は空中戦用に作ったもの、あちらにはペガサス騎士(ナイト)も居ますからね……

戦っている時間が勿体ない、皆が戦っている間に僕達は主殿に乗り込みます」


「なにも知らない民達はどうするんですか、巻き込まれると思うんですけど」


「それなら考えてあります。

明後日に魔法祭(まほうさい)があります。その次の日は国の皆が魔法を休ませる日となっていて、魔聖堂(ませいどう)に集まるんです。

魔聖堂は主殿から一番離れた場所にありますから、守るにも最適です。」


「私達はその間に乗り込むって事ですか」


「はい、ルイスの魔法は強いですから、必ず戦闘になります……勝てるかどうか」


「でも、勝たないと最悪なことになるんでしょう? なら、やるしかないじゃないですか」


それに、黒桜や銀月のためにも殴り飛ばさないと。

まだ乗り込むまで時間はある。


「結界の発動元ってどこなんですか?」


「広場にある銅像です。主殿から離れた場所にありますが、それが発動元になってます」


側になくても結界の発動元に出来るんですね……電波みたいなものって考えたら分かりやすいかも


「ところで魔法際ってなんなんですか?」


「魔法国が生まれた日をお祝いする日ですよ」


「街中に狐面が一人居たら目立ちません? あとこの服も」


セーラー服に白い羽織、しかも狐面。ものすごく目立つ気がする


「大丈夫ですよ、こんな感じに魔法国で作ってるものに似たようなものがありますし、着けてる人も多いので」


リーナが出したのは様々なお面。物凄く見たことあるようなお面があるが、気にしないでおこう。たとえ、仮面のライダーとかウルのトラマンとかがあったとしても……


「ユリさんもつけた方がいいかもしれません、服で肌は隠せますが顔は隠せない。

あと、ソラさんも隠さないといけませんね」


そう言いながら大量の仮面を差し出すリーナ。選べと言うことらしい


「種類が多いな……マスター選んでくれねーか?」


ユリに頼まれ大量の仮面を見詰める。

仮面のライダーさんっぽいのとか、ホラーマスク的なのが何故かあるが


「これですね」


手に取ったのは黒猫のマスク、私自身が狐だからペアっぽい気がしなくもない


「アリッサ、あのペンダントありますか?」


「あるわよ、はい」


アリッサが取り出したのは星の輝きを詰め込んだような綺麗なペンダントだ


「これでユリさんの魔力を隠します、貴方は五十鈴さんの魔力で動いてますから隠さないと困るんです。

五十鈴さんはそのお面で完全に隠せてますよ、そのお面凄いですね」


まぁ、ドライアドがくれたものですしね……言いたいけれど魔法国の者にドライアドの名前を聞かれると面倒なことになりそうだから言わないほうが賢明だろう


「ソラさんも隠さないとですけど……どうしたものか」


五十鈴の背でフードに隠れるように入っていたソラがぷるんっと姿をあらわす

周りの皆は突然の魔物登場に驚いているようだ


「ソラさんは魔物の気配が薄いですからここまで来るのにはばれませんでしたけど、街中を歩き周ると流石に……」


困ったようにリーナがそう言うと、ソラが五十鈴の腕に降りる。

慌てて抱えると、ソラがすうっと姿を消した。けれど腕にはプニプニした感触も重みもあるため、正確には消えたわけではない


「透明化まで出来るようになってたんですか、気配までないですし」


確かにショックて色が薄くなったりしてましたもんね……さらりと隠密ソラさんの誕生だ


「これならバレませんね」


とりあえず、身を隠すことはできそうだ。




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