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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第五章 魔法国編
75/114

75 人形

「三種族ですか……」


銀月と黒桜が言いたがらなかった何か、それの答えが見えてきた気がした。


「どんな一族だったか知ってますか? 見た目とかだけでも」


「いえ、私達が結界を張るときはこの魔法国からでしたので、どんな一族だったのかは知らないのです」


これまで会った種族達からその種族の話が出てこないってことは、表になかなか出なかったと言うことでしょうか?


気になりますけど、とりあえず今は脱出が先ですね。


ぐるりと部屋を見渡す。

全面壁、壁、壁……特に特徴もない壁が広がっている


そう思っていると、ピコンっと文字が現れる


《五十鈴様、あそこの壁が一番薄くできています》


その文字と共に壁に矢印が出現


「トラップ発動の条件は一定の距離まで壁に近付くからですよね」


「そうです、近付けないし魔力を吸収するから壊せない。五十鈴様をお呼びしたけれど、トラップの事をすっかり忘れていました。

解除したくても解除できるほど魔力も残ってないですし。

壁を壊せる力があっても近付けなかったら意味がなかった……」


やってしまったと、ため息をはくリーナ

でも、近付かなければ壊せると言うことだ


「壁に直接触れないで壊せばいいわけですね。皆さん、そこの壁から少し離れててください」


「あ、待ってください、魔力を隠さないと」


慌ててリーナに止められる、するとナビの文字が出てきた。


《狐のお面には魔力を遮断する力が搭載されているようです。

それと、この国の中ではドライアド様とは会話できないようになっているようです》


心配してるだろう皆にドライアドさんから連絡してもらおうと考えていた心を読まれていたようだ


五十鈴は、自身が消える寸前の皆の顔を思い出して眉を寄せる、連絡できれば皆も安心できる思ったが無理なら仕方ない……

眉を寄せたその顔を隠すように狐の面をつけて、皆を壁から離れさせた


拳に力を入れ、壁に向かって素早く前に突き出す

リーナ達は一瞬体が引っ張られる感覚になった次の瞬間、爆発音のような音と共に空気が一気に入り込み、皆の前髪が舞い上がった


「……ちょっと強すぎましたか」


大きく穴の空いた壁、それを見てリーナ達は目を見開く。

何が起きたのかわからなかったからだ


「五十鈴殿、なにをしたのですか……」


「近付けないし魔法じゃ無理だったので、衝撃波を叩き付けたんです」


「結界を壊したとは聞きましたが、魔法も使わずにこんなこと……」


あり得ないと言いたげだ。ゴリラパワーは伊達じゃない


「ゴリラパワーのゴリ押しですけどね……気にせず外に出ましょう」


五十鈴はそう言って自身で開けた穴に向かって歩き出す


そんな五十鈴を見て、リーナは凄いと純粋に思った。

突然知らない場所に連れてこられたのに、助けてなんて知らない者達に言われたのに。


「怒らなかった……」


一度も僕達を責めなかった、食べ物をくれた。

そして今、僕達を、この国を助けようとしてくれている


「僕には何が出来るだろう」


出来たことは彼女をここにつれてくることだけ、ルイスがしようとしてることを止めることも民を助けることも出来なかった……


「リーナ、これからのことはまだ考えなくてよい。今は主を止めることだけを考えるんだ」


「……はい」


五十鈴さんと一緒にいれば何かわかるかもしれない……




ーーーーーーー




穴を開けたその先は階段があった、ここから上に上がり外に出られるようだ


「すぐに外に出れるんじゃないんですね」


「ルイスにばれないような場所であの部屋を作りましたから」


薄暗い階段を登っていると開けた場所に出た、すこし不気味な部屋だ


「……人形?」


大量にある人型(ひとがた)の人形、全部壊れているのか腕や脚などのパーツが散らばっている。


「ここは魔法人形(マジックドール)の廃棄場です」


「魔法人形?」


「かつて人を作ろうとした結果の一つですね。

魔法で作った魔法人形、人形の胸部分にコアがあってそれが人形の心臓です。

そのコアに魔力を注ぐと動き出しますが、心を持たない意思のない人形で命令されたことをこなすだけ。

この国の警備として使ってるんです」


見渡す限り全部壊れてる、見渡すと気になる人形を一体発見


「綺麗な人形ですね……」


紫にも見える黒髪長髪、美人な男性人形だ。どっかのゲームに出てくるダークヒーローに似てる

よく見ると胸の部分が壊れている、人形に必要な心臓がないようだ


「こんなに良くできているのに、廃棄なんて……この国の主は命をなんだと思ってるんですかね。

物にも命や思いはあるでしょうに……今にも動き出しそうなのに、動かないんですね」


フィギュア会社が泣きますよ、これ

そう言いながら人形のコア部分に触れると、何処からかナイフが飛んできたので二本の指で受け止める


「何事ですか……」


ナイフが飛んできた方を見ると、壊れていながらも動く人形たちで……こわ!



「「「排除します」」」



「壊れたコアが私達の魔力に反応して暴走してます!」


リーナの声と共に人形達が一斉に五十鈴達に向かってくる


「しかたありませんね……」


仕方ないと五十鈴が戦闘体制に入ろうとしたときだった。

視界に黒いものが入り込む


「マスターに何してんだ!」


その声と共に弾け飛ぶ人形、バラバラと欠片になって床に落ちていく


五十鈴の目の前には黒髪を靡かせる人形が一体立っていた。


「さっきの、人形?」


「マスター! 怪我ねぇか!」


ガシリと肩を捕まれる、マスターってなんだマスターって……私は英霊を呼んだ記憶はないのだけれど


《人形のコアに五十鈴様の魔力を感じます。吸収し動き出したようです》


でも、意思とかしっかり持ってそうなんですけど……どう言うことですか、そう思っているとリーナがポツリと囁いた。


「……魔法は心?」


それは氷宝国で聞いたことのある言葉


「リーナ?」


「昔、母が言ってたんです。魔法と心は一緒だって、その人の心を写す鏡だって。

魔法はその人の思いに答えるものだって言ってました。


五十鈴さんの心に、人形に対する愛を感じたのかもしれません。

その心に人形が、魔法が答えた……」




ーーーーーー




新たな仲間に人形が加わった、名前が無かったのでユリと名付けた。


彼の胸には金色のクリスタルのようなコアがある。五十鈴の魔力が吸われたコアだ。

胸の部分が壊れてコアが剥き出しだったので、リーナが魔力を隠すためのローブを被せた。とりあえずは大丈夫だ


ユリを仲間に外に出るため階段を上がっていく



「魔法が自ら動き、意思を持った。凄いことです……」


キラキラとした瞳でユリを見るリーナ、だがそんな風に観察している場合じゃない。

穏やかそうに喋っているが、そんな穏やかな状況じゃない!


階段を登り広い部屋にたどり着いたが、その部屋で動き回る赤いきのこ達


「これヤバイです、なんですかこれ!どういう状況ですか!!」


「ははは! 不審者用トラップの発動ですな!」


「笑い事じゃないですから! なに涙目になってるんですか! 私が涙目ですよ!」


涙目の彼、アンガスはトランクス一枚の姿だ


「どんなトラップですかっ」


服が弾け飛ぶトラップってなんだ!!

危うく私の服が弾け飛ぶところでしたよっ、女子に何をするんですか!


どうするんですか、私達以外に見せられる絵面がないですよ、涙目にもなるわ!

男が皆して胸を隠すのをやめろ、ちゃんと下を隠しなさい、そして頬を染めるな!


「このキノコトラップなんなんですかっ」


「ここはいらなくなったアイテムのゴミ場です! たまに漁られる事があるのでトラップがあったみたいで……

このキノコトラップはキノコに触れると服が弾け飛ぶキノコなんです!」


「なんでそんなバカみたいなアイテム作ってるんですかっ」


魔法国バカなんじゃないですか!!

しかもこのキノコめっちゃ動き回る、すばしっこいっ


「触ったらアウト!」


「よっと」


「 × 」


五十鈴とソラ、ユリが切り伏せていく。

触れたら服が弾け飛ぶとかギャグ漫画だけでいい



早く外に出たい……



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