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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第四章 氷宝国編
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68 氷と想い

五十鈴達は急いで広場に向かった。その間、氷巨人は何故か動かない

広場に行くと街の人やダリウス達が集まっている


「ダリウスさん! あれは……」


「五十鈴か……俺にもわからない、氷巨人は砕け散ったはずだ。

それに、氷魔法が使えるなど」


眉を寄せ氷巨人を見上げるダリウス、そんな彼を面白がるように笑う声がした。


「不思議そうだね?」


そんな言葉と共に、タンッと五十鈴達の前に降り立つ仮面をつけた男。

その男を見てロロが殺気立つ


「魔神っ!」


ロロが飛び出るのを肩をつかんで止める。

銀月も唸っているが今はダメだ、あの氷巨人がなんなのか解っていない。

多分知っている、いや。むしろこの男が元凶かもしれない


「何故、氷巨人が復活しているっ!」


「ああ、君は氷宝国の主か。何故って、神殿に居たからだよ?」


「氷巨人は昔に砕け散った!」


ダリウスの言葉にクスクスと笑う男。楽しそうに面白いとでも言いたげに。

自然と眉に力が入る、魔神の遊びだとでも良いだけな雰囲気が五十鈴を苛立たせる。


「そうだね、砕けた。でも、その砕けた欠片がある」


「欠片があったからと言って氷巨人が動くわけがない、魔力のない氷の固まりだ。

なのに、あの氷巨人は動き。そして氷魔法を使った……」


「あるじゃないか、魔力の欠片が沢山」


魔力の欠片?

……まて、氷巨人と一緒に砕けた。それって


「……フローラさんの魔力ですか」


「当たりだよ桜国の主、さすがだ。氷巨人と封印した彼女の魔力、合わせたら面白いことになるだろうと思ってね。

くっつけて作ってみたらこの通りだよ。愉快だろう?


さて、私の願いは見れるかな?見れないかもしれないが、まぁいいだろう」


さぁ、楽しんで


そう言って魔神が手を叩くと氷巨人が動き出す。魔神は氷巨人の肩にいつの間にか移動している


ズドドドドドっと氷のつぶてが五十鈴達を襲うように降り注ぐ


「「「氷壁(ひょうへき)!!」」」


ダリウスさん達が氷魔法の壁を出して防いだ


「ダリウスさん、みんなと共に氷巨人の意識をそらしてください。その隙にやりますから」


「君の強さは噂で聞いている、任せてくれ」


「ありがとうございます。 銀月!」


「はい!」


銀月の背に飛び乗り氷巨人に向かい走り出す。

氷巨人の氷魔法が飛んでくるが銀月がうまく避けながら走っていく


「胸の位置を一発殴って砕けるか……」


五十鈴は銀月の背から飛び下り、まだ残っている国の壁を重力を逆らうように走り上っていく。

そのまま上まで行き壁を蹴る、目の前には氷巨人の胸。

ダリウスさん達に意識がいっている今がチャンスだ


「国の中から退場してもらいますよ!」


足に力をいれ蹴り飛ばす。砕け散ったが様子がおかしい


「そんなんじゃ壊れないよ」


宙に放り出された魔神の余裕な言葉と共に砕けた氷巨人の体が元に戻る、予想外の早さでの再生に反応が遅れ、氷巨人の大きな手が五十鈴を吹き飛ばした。


「氷魔法で自身を再生可能だ」


「うぐぅっ」



ドガァアアアアアン



「主様ぁああ!!」



氷の家に叩きつけられた五十鈴を見て、銀月の声がこだました



ーーーーーーーーーー


「五十鈴っ」


スノウは吹き飛ぶ五十鈴を見て青ざめた。姉が亡くなった日が頭をよぎる。

そして、あの氷魔法は姉の力だ。その力が皆を苦しめている


「スノウ! 僕らも、行こう!」


ロロが走り出そうとするが、スノウは立ち止まって動かない。


「スノウ!」


「あれは、姉ちゃんの魔力だ」


姉ちゃんの優しい魔力だったものだ。それが今、傷付けるために使われている


「……返せ」


「スノウ?」


返せよ、姉ちゃんの魔力を。お前が使って良いものじゃない、その魔力は傷付けるためのものじゃない



氷人形(アイスドール)!!!」



氷魔法は心の魔法。思いが強ければどんなことだって出きる!!


あらわれたのは氷の巨人、いや氷の騎士


「出来た!」


動く氷魔法は出来ない? 違う。

出来ないんじゃない、思いの強さが足りないだけだ。守る思い、愛する想い。想いは形になるんだ!


両親が氷巨人を操れなかったのは、ちゃんとした目的がなかったからだ。

ただ、発展を望み生み出しただけの氷巨人を操れるわけがない


「誰も、姉ちゃんみたいに居なくなってほしくないから。ロロ、 倒すぞ! 一緒に!」


「うん!」



姉ちゃんは一人で立ち向かった、俺は一人で立ち向かえるほど心が強い訳じゃない。

でも俺には友達がいる、ロロも五十鈴も。


だから絶対に負けない、両親から始まった血の罪は俺自身が絶ちきる!



ーーーー




「主様、大丈夫ですかっ」


「いたた、大丈夫ですよ銀月。殴られる前にその拳を蹴り飛ばしたので。

それにしても、再生が早すぎます。昔の氷巨人だったならば一発KOだったでしょうに、まったく。」


それに、魔神の目的は何なのだろうか?

人が苦しむのを楽しむ? それにしては違和感がある……それだけならば私たちの前に出なくても良いはずだ。

それに先程言っていた〝願い〟とは?


そう思い氷巨人をみると、突然スノウ達がいるであろう場所から爆発音がする


「氷の巨人?」


もう一体現れた氷巨人、鎧を着ていて。氷巨人と言うよりも氷の騎士のような姿


氷巨人に攻撃を仕掛けているから敵ではないみたいだ。


「スノウの魔力なんでしょうか? スノウの気配を感じます」


「はい、多分あの巨人を出したのはスノウ」


氷巨人と氷騎士が戦っている間に氷巨人を観察する。


「銀月、氷巨人の首の後ろに何かありませんか?」


「何かが光っているように見えますが、この距離だと何なのかは分かりませんね……」


何か光っているものが見える。小さいが何かが生えている


《五十鈴様、目だけに意識を向けてください。聴覚スキルと連動で、嗅覚強化スキル、遠眼スキルが使えるはずです》


連動とかってありなんですか? いや、ありがたいですけど。


ナビに言われた通りに眼に意識を向ける、スキルが発動したのかカメラのレンズのように氷巨人の背中がズームされて背中の突起物の全貌が見えた


「……あれは」


「主様、何が見えたのですか?」


「……まだ、フローラさんの意識が残っているのかもしれません。

氷魔法は心の魔法、ならあれは多分……」



氷巨人の首の後ろには、光るオレンジ色の花。

ノスウ花が咲いていた



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