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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第四章 氷宝国編
62/114

62 チリーズミー

氷宝国二日目。

街中に漂う甘い香り、駆り出される街の人達


「チリーズミーが足りねぇーぞ!」


そう声をあげるのは氷宝国の主、ダリウス。

彼が言ったチリーズミーとはクリームチーズの事。


「集まりましたね」


「そうですね、試食品を配ったのが良かったようですよ」


今作ってるのは固めて作れるレアチリーズケーキだ。

作ったものを一口ずつに切り分け街の人達に配ってみたら、ダリウスが現れ今の状況になった。


そして今作ろうとしているのは直径約2メートルのレアチリーズケーキだ。

型もボウルも全て氷魔法で作り出された。材料もボックスに大量にあるので作れるは作れるが


「どれだけ気に入ったんですか」


街の人達のやる気が怖いんですけど。みんなして甘いものに感動してて怖い。

氷砂糖にさよならを告げ始めてて重症ですよ。墓を作るな墓を


「ゴリラパワーがなかったら混ぜられませんでしたよ、これ」


直径約2メートルのレアチリーズケーキの材料が入った巨大ボウル、氷で出来たヘラでぐるぐると銀月と混ぜる。

魔女が大鍋をかき混ぜるシーンにしか見えない気がするんですけど……


「主様、もう型に流しても大丈夫そうですね」


「しっかりビスケットの土台も作りましたしね」


作ったビスケットを砕く悲しさはあったけれど、力が強いメンバーばかりだから砕けるのは早かった。


「よいしょ」


ひょいっと大きなボウルを持ち上げケーキ型に流し込む。


「それじゃあスノウ、よろしくお願いします」


「まかせろ!」


型に入ったケーキに氷魔法を使う、一気に冷えてすぐに完成だ


冷蔵庫とかで作ってたのがなつかしい、固まるのを待っていたかつての自分がなつかしい……。


「みんなよく食べますね」


街のみんなは出来上がったレアチーズケーキを手に持っている


「こんなに美味しいお菓子は初めてだからな、あのチリーズミーがこんな風になるとは思わなかった」


ダリウスはケーキを食べながら五十鈴に声をかけてきた。


「そういえば、なんでチリーズを特産物に出さないんですか?」


こんなに美味しいのに売らないなんてもったいない。


「売り出していたんだが、イメージと違って気持ち悪いと返品されてな。売るのをやめた」


ダリウスの言葉に浮かぶのは叫びながら動くチリーズ達。

脳内では3時のおやつはチ~リ~ズ~♪ なんて歌いながらぬるぬると動いている。


確かに気持ち悪いが、あの顔さえなければ大丈夫な気がする。


「顔の部分だけとって売ればいいのでは?」


五十鈴の言葉にハッとするダリウス。考えてもみなかった事だったらしい


「その手があったか……今度配達係りが来たら売りだそう」


「そうしてください」


桜国が山のように買います。大量に食べる者達が多いので……

大食いばかりで食材の消費がものすごい、太らないのが不思議だ


「この後は氷宝国を見て周るとスノウから聞いた。

雪ばかりで見るものがほぼないが、特産物の宝石や他にもあるから見てきてくれ」



ーーーー



皆がレアチリーズケーキを食べ終わり、スノウに案内されながら国を見ていく


「この国で一番と言えば宝石だな、あの洞窟の中にあるんだ」


スノウが指差すのは国の中にあるかまくらみたいな雪山。

入り口がしっかりある


中にはいってみると様々な色がキラキラと光輝いている


「宝石の木ですか?」


「すごい、光ってる、ね」


氷で出来た木が数百本は確実に生えている、その木に宝石が沢山実っているようだ。


「そうだよ、この洞窟の中だけに育つ。どういう原理で育ってるのかは謎だけどな」


主の本質で(うま)れた植物? 氷? なんじゃないだろうか……

輝きから逃れられないからダリウスさんの毛根は死んだのかもしれない。


「武器とかの飾りに使ったり、アクセサリーにしてみたり。

あと、塗料になる」


「塗料?」


「砕いて溶かすとできるんだよ、壁とかに塗ると色がつくんだ。

鮮やかできれいな色だし強度も上がるんだけど、この国は氷の家だからな、使わないんだよ。

前に家の壁に宝石を埋め込んで作ってみたり、塗料を混ぜて家をたててみたけど、氷との相性は良くなくてすぐに砕けたから駄目なんだ」


ガッツが喜びそうだ。

一般的に塗料は色石(いろいし)っていう石を使うのが普通だ。

あまり発色がいいわけではないので、桜国では殆ど使わない。

ガッツ達は木目を生かしたものを作ってくれている


買って帰りますか……


「スノウ、この宝石をアクセサリーに加工するのも氷宝国でやってるんですか?」


「うん、そうだよ。簡単な感じの作りだけどな」


「指輪とかあります?」


「あるけど、もしかして五十鈴欲しいのか?」


私は欲しくないが必要になる日が来るかもしれない

ゴリマッチョに夢中な彼女と、彼女に孟アタックされているゴリマッチョな彼に。


後々商品を見ながら買っていこうっと思いながら移動する



「明日の雪像祭りの会場はここ、明後日のチリーズ祭りは国の外なんだ」


連れてこられたのは広場、雪の山が大量に用意されている。


「氷魔法は禁止なんだ。形とか大きさは気にせずに好きに作っていいからな。

優勝すると商品が出る、今回は各チリーズを50個ずつ貰える」


「銀月、明日は本気で優勝しましょう」


「はい、主様!」


大量のチリーズ、魅力的な商品だ。国に帰ったらチリーズフォンデュをすると決めた。


そう考えながら移動する



「サトゥーラは見た目が綺麗だから売れるんだ」


昨日見た掌サイズの雪の結晶に見える氷砂糖が氷柱に大量にくっついてる。


「この氷柱は地中深くから伸びてる、地中深くに甘い成分があるんだと思う。

それが固まってここから出てるんだ、このサトゥーラは手で簡単に取れる」


ペリッと氷柱から結晶になっているサトゥーラを剥がすスノウ。


「剥がしてもすぐに結晶が出来上がるんだ」


スノウが剥がしたサトゥーラのところに、また美しい結晶のサトゥーラが出来る。


「食べるだけじゃあれですし、何かに使えないかと考えてたんですけど

お酒が飲めないので味とか難しいですけど、梅酒に使えますね。

あと、レモンのサトゥーラ漬けとか」


意外と使えそうなものがある。


「へぇ、そのまま食べる以外にも使えるんだな。使い道がないって主が嘆いてたから喜ぶよ。

あ、あと。行っちゃいけない場所があるんだ」


「行っちゃいけない場所?」


なんかフラグな気がするんですけど……いやまさかね


「国の外にある神殿。ここからちょっと離れてるけど」


「神殿ですか」


「うん、昔から行っちゃダメだって言われてたから何があるか知らないんだけどさ。

とりあえずその場所には行っちゃダメだからな」


念を押すようにそう言うスノウに、三人で頷いた。



スノウとの氷宝国案内が終わったが、気になるのは神殿だ。


何もおきないことを祈っておこう……

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