52 カカオ狩り
「「「カカオ狩りじゃぁああああ」」」
美味しいものは神である。
今回一緒に行くのは、大剣を使うリーダーのジュザント、弓が得意のサフラーに女性の槍使いナナットだ。
「このメンバーでゴブリン退治を行う。」
「私、ロロとソラで全員合わせて6人ですね」
「これから行くのは、人間国の外にある洞窟だ。森の中にある」
とりあえず外に出て洞窟を目指す。冒険者になった気分でちょっと楽しい
「何匹ぐらい居るんですか?」
「数百匹はいるだろうな。でも、この頃の報告だと草ゴブリンしかいない」
「草ゴブリン?」
「強さの階級で、草ゴブリンが一番弱い。その上が兵ゴブリンにゴブリンキングの三階級だ。
草と兵は似てるが、頭に生えてる花の色で判断できる。
草が黄色で兵は赤だ」
一番弱い草ゴブリンなら楽そうだ、そんな風に考えているといつの間にか洞窟までたどり着いていた。
ドワーフ国の鉱山みたいに綺麗ではない、いかにもモンスターがいますって感じだ
歩いて最初に出会ったのは、とてつもなく大きな蛇。
人とか余裕で丸呑みできる大きさだ。
「バジリスクだ、猛毒を持ってるぞ!」
毒ならセーフだ、石にされるとかだったら危なかった。
「下ろしましょう」
五十鈴は刀片手に地を蹴り、バジリスクの口に刀をさし込みそのまま尻尾までスライドさせていく。
「よし」
「よしっじゃねーよ! あぶねぇだろーが!」
ジュザントがツッコンで来るが気にしません。私の国だったら皆あっさり倒してると言ってやりたい
「それにしても綺麗な身ですね。毒があるのは顔部分だけみたいですし」
鑑定スキルで見てみる
『名称:バジリスク
説明:高タンパク、鉄、亜鉛、カルシウム、銅等が豊富で消化にも良い。夏バテ防止にもなる』
五十鈴は頭を残して体全てをボックスにしまった
いきなり消えたバジリスクの死体にジュザント達がざわつく
「気にしないでください、気にしなければ美味しいものが食べられますよ」
すぐ黙る彼等は食に餓えている。
それにしてもバジリスク、まさかのうなぎだよ。人間国はもったいない事をしている。
そのあともバジリスクが何度かあらわれたけれど、ロロと一緒に下ろしまくりました。
二人でやれば三枚にも下ろせるので、料理に使うときに楽である。
次に出会ったモンスターには、はっきり言って近付きたくない。
「ジュザントさん頑張ってください!」
「ジュザント張り切りな!」
「がん、ばれ」
「まったくお前らはっ」
五十鈴とロロ、ナナットは応援だけで距離をとる。目の前に居るモンスターはアンデット。
臭さがすごい、生ゴミの臭いがする。
「さすがに臭いな……。サフラー、弓で倒してくれ!」
「仕方がないなー」
そう言って弓を放つサフラー、数十体いたアンデットを無事に倒し終えた
「さすがにアンデットからとれる食材は無さそうですけど、攻撃アイテムにはなりそうですよね。臭い系の」
「でも、採取、難しい」
「そうなんですよね、近寄りたくないっと言うか近寄れない」
諦めましょう、この臭いは無理がある。
それなりに進んだけれど……。カカオ豆が見つからないしゴブリンも居ない。
そんなことを考えながら歩いていると、頭に黄色い花を咲かせ服を着たゴブリンを発見
もう一人のゴブリンに花を差し出している。
あれって
「エキセントリックなゴブリンじゃないですかっ!」
蹴りを入れたのは仕方ないことだ。
何を照れたように花を差し出してるんだ、お前ら同じ顔だよ、子供が生まれても同じ顔だよ確実に!
ぶっ飛ぶゴブリンに唖然とするジュザント達。
よく見るとゴブリンの持ってる槍の先端についてるのはカカオ豆である。
そしてゾロゾロとゴブリン達が現れるが、五十鈴の目に写るのはただ一つ
「……カカオ狩りじゃぁああああ!」
「カカオ!」
五十鈴の無双に続くようにロロも参戦。
ソラも五十鈴のフードから鋭いパンチをゴブリンに食らわせている
ジュザント達もカカオと聞いて、無双モードに切り替わったのかゴブリンに対する慈悲はない。
出来上がったのはカカオの山とゴブリンの山、ゴブリンがカカオ豆を武器として使っているとは思わなかった……
「大量にゲットしました」
ダンジョンから手に入ったカカオは栽培できるのだろうか?
さて帰るかっとジュザントが言い歩き始めると、五十鈴の耳に小さい音だったが何かの足音が聞こえた。
「今なんか、ガサッて音がしませんでしたか?」
「したか?」
ジュザントの言葉に全員首をかしげたが、次の瞬間
ガザカガザガサガサ
不吉な音だ、台所でよく聞く魔の音が聞こえる……
振り返ると居るのは、長さ160㎝はあるだろうGである。
五十鈴は声なき声で叫びをあげジュザントと共に走り出す。
「あれは無理です! 触るのも無理、砕くのも無理、潰すの無理っ!」
「魔神、手下?」
「あれはヤバイぞ! ゾワッて、ゾワって肌が反応しやがった!」
「皆がゴブリン退治を嫌がったのあれのせいですよね!?」
「行ったやつらが黒い悪魔が来るっとはうわ言で言ってたな、そーいや!!」
「その情報を先に言っといてくださいよ!!」
でかいよ! 黒いよ! 身体能力ゴリラでもあれは無理ゲーですよ!
素手で殴ったら精神的に死にますっ
「そっちの穴から出ますよ!」
このままじゃ追い付かれる
「おい、そっちは道がないぞ!」
「下に湖があるんでしょ! ナナットさんに聞きましたからね!」
そう言って走っていく、そのまま全員でジャンプ。
ドォッボォオオオオオオン
とても大きな水飛沫が上がった。
五十鈴は湖の中で目を開く、広くて綺麗な湖だ。そんなことを思いながら湖の中を見ていると一ヵ所不自然に穴が開いてる場所がある。
気になったがそのまま上に上がった。
「ぷはぁ。ロロ、ソラ生きてますか」
「うん、大丈夫」
「○」
「皆いきてるかー」
ジュザントの言葉に手をあげる仲間たち。五十鈴は先程の穴について聞いてみる
「ジュザントさん、湖の底に穴があったんですけど」
「穴?」
「はい、掘り返したみたいな感じの」
五十鈴の言葉に考え込むジュザント
「……地下水路」
「ジュザントさん?」
「魔物が街の地下水路に道を作ってやがったのか」
「もしかして、リンクさんが言ってた街に出てくるゴブリンの事ですか」
「ああ、何処にも入るとこはねぇと思ってたが」
ない道を作ってやがった




