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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第三章 人間国編
50/114

50 パーティ

弟子が出来た次の日


今日は婚約パーティであるが、この国には貴族とか王族などはいないから気持ち的には楽である

昨日は亭主に美味しいパンの作り方を教え、夕食に出したら食べに来ていた人たちが号泣していた。


やはりゴムパンは辛いものがある、しっかり食べて帰りなさい


「え、パーティって朝からなんですか?」


「はい、だからこれからパーティ会場に向かっていただくことになります」


パーティとかって、夜のイメージがあったから裏切られた気分だ


「ドレスとかないですけど」


「それなら主様が用意してるみたいですから大丈夫ですよ」


「アリスも出席するんですか?」


「……はい」


少し元気がない返事だ。


「アリス?」


「私はこんな見た目ですから」


その言葉に、ペチリとアリスの額を叩く五十鈴


「周りの目を気にするぐらいなら、自分に自信を持って前を向いた方が楽しいですよ?

今日は私もいますし、食事も悲惨でしょうから。

最後までいなくても良いらしいですから直ぐにでも帰りましょう

ロロとソラはどうしますか?」


「宿で、待ってる」


ロロの言葉と共にソラがロロの膝上に乗る


「そうですか。まぁすぐ帰ってくる予定ですけど」


そう言って会場に向けて歩き出した五十鈴とアリス



ーーーーーーーー



婚約パーティ、ウィルは騎士団の服を着て壁を背に周りを見ていた

様々な御令嬢が声をかけてくるが笑顔でかわす


婚約パーティなど興味はないが、桜国の主には興味がある。

女性でありながら、強く真っ直ぐな瞳を持った少女だ

裸の私にも動じずに服を渡してくれた、冷静なのは良いことだ

どんな主なのか気になる


そう思いながらウィルが会場を見ながら目についたのは、五十鈴の案内役等を任されているアリスだ


彼女は毎回パーティに出されては影口を言われ(うつむ)いていたが、今日は違う。

顔を上げ、前を向き立っている。どこか自信に溢れているような雰囲気があった……。



一方アリスは五十鈴の言葉を聞き、下を向くのをやめた。

五十鈴は女性でありながら強く気高い、まだ一日しか一緒にいないけれど、そんなのは関係ないぐらいには五十鈴を尊敬している


「あら、アリスさん。また来てらしたの?」


「……リリスさん」


彼女はリリス・ハーウェル、父親に毎回連れられパーティ等に出てきてアリスに嫌味を言いに来る

アリスは俯きそうになる顔を上げ、しっかりとリリスを見つめ返した


「今日は俯いてないんですわね、小汚ない顔が丸見えで嫌ですわ。皆さんもそう思いません?」


「ほんとに」


「リリスさん、汚いものは洗わないと」


「あら、そうですわね?」


取り巻きと共にそんな話をするリリス、周りは助けてはくれない。

顔に火傷をおった女になど興味がないのだろう。

そう思っているアリスの顔に持っていた飲み物をバシャリとかけたリリス


「あら、少しは綺麗になったんじゃなくて?」


そう言って取り巻きとクスクス笑い出す、それと同時にダンス用の音楽が流れ出した。

アリスはゆっくりと下を向こうとしたが、扉が開く音に邪魔をされ下を向けなかった。

でもそれで良かったのかもしれない、扉を開いて現れた彼女を目に写せたのだから



ーーーーーーー



ゆっくりと会場の扉を開き入っていく

カツコツなる靴、さらりと艶のある黒髪は一つに纏められ。

金の瞳は真っ直ぐとアリスを写している


「素敵なお嬢さん、顔が濡れてますよ?」


そう言って五十鈴はアリスの濡れた顔を丁寧に拭いていく


「五十鈴様、その格好は」


「ヒラヒラしてるよりも楽だったので」


五十鈴が着てるのはドレスじゃない、男性用のタキシードだ。

胸があるし、女性だが似合っている。

周りの令嬢も五十鈴を見詰めて頬を染めているのだから合格だろう。

五十鈴はアリスの前に膝を着き手を差し出した


「お手をどうぞお嬢さん?」


劇をやるように言う五十鈴、アリスはクスクス笑いながらその手に自分の手を添えた。


「五十鈴様、なんで男性パートのダンスが踊れるんですか?」


「気合いで頑張りました」


ナビに調べてもらって叩き込んできた。だから会場入りが遅かったのである


「ダンスが終わって、婚約発表を聞いたら帰りましょうか」


「はい」


毎回パーティの時は下を向き端によっていたアリスは、笑顔で五十鈴と踊っている。


離れたところから見ていたウィルとリンクが笑みを浮かべてそんな二人を見ていた

周りの令嬢達は悔しそうにアリスを見ているが踊っている二人は全く気にしない


曲が終わり食事が出され初めてから二人の顔は真顔である。


「アリス、またゴムパンが大量にありますね」


「はい、ゴムがゴムしてゴムになったパンばかりが大量に積まれてます」


ゴムパン以外もあるが、他も大差ない。薄味のゴムか、感触薄めのゴムかの違いである。

何をしたってゴムになるのだから人間国の食べ物は恐ろしい

もさもさ食べているリンクの舌は死んでるんじゃないだろうか


「早く帰ってご飯を作りたいです」


「私も早く帰って五十鈴様のご飯を食べたいです」


五十鈴の料理を知ってから、あの食事処は人が来る。

昨日の角煮やパンに胃袋を鷲掴みにされたらしく、朝から人が沢山やってきた。

今日は朝からパーティだから作れないと言ったら絶望で瞬時に骨のようにやつれた人が現れ始めたが、私だって忙しいのだ。


そんなことを考えながら二人でゴムパンを真顔で見詰めること数十分


リンクが口にパンのカスを付けながら立ち上がった。


「では、第二騎士団長マリクとアイリーンさんの婚約発表に」


「ちょっと待ってくれ主よ」


リンクの言葉を遮るように前に出たマリク、彼は一人の女性の肩を掴み立っている。

そんなマイクの前にはドリル髪の少女がそんな二人を呆然と見ていた


「どうしたマリク? 婚約発表の日に浮気は駄目だぞ?」


リンクよ、冗談を言ってる場合じゃない


「俺はこのリリアンヌと婚約する!」


なに言ってんだっと五十鈴はマリクを見つめた

リンクは白目を剥きそうな顔だ


「マ、マリク? アイリーンさんとの婚約の筈だが」


「お断りします。誰がこんなゴリラ女と婚約などしますか」



おい、ちょっと待て。聞き捨てならないんだが、ゴリラを馬鹿にしてるのか



それと、何処の悪役令嬢物のシーンだよ











主人公の男装を書きたかっただけです、悔いはありません

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