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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第三章 人間国編
49/114

49 筋肉

人間国の食事が悲惨だと知り、とりあえずブータリコの角煮を食べさせたら亭主に頭を下げられました。


「食の神よ、私に力をお与えください」


どこの宗教だ


「亭主、滞在中は一緒に作りますから頭を上げてください。」


「ほんとですか!」


「ほんとです、私もゴムパンなんて食べたくありません」


さらっとゴムパン呼び。

まるで下着の名証みたいに呼んでいるが、この場に居るものは皆あのパンをゴムパンと呼び出している


とりあえず人間国でやることの一つに食事の改善が加わりました。



次に行くのは魔退治部隊の溜り場、宿からはそんなに離れていない。



「酒場って感じですね」


そう言いながら足を踏み入れてみると、ガヤガヤしていた室内が静まり返る


「桜国から来ました、桜木五十鈴です。リンクさんが行けと言うので来たのですが」


っと五十鈴が言うと、静まり返ったのが嘘のような笑いの渦が巻き起こった


「嬢ちゃんがゴーレム数千体を薙ぎ倒してたって言うのかよ?

冗談きついぜ!」


目の前まで来た男はそう言って五十鈴の頭を撫で始めた。

ロロはじっと五十鈴を見て、アリスはおろおろしている


「なんか腹が立つので失礼します」


すぅっと目の前にいる男の額に指を向け


バチィ!


デコピンを一発

ただそれだけで吹き飛ぶ男、またもや静まり返ったが五十鈴は先程と違い笑顔を向ける


「ゴリラをなめると痛い目にあいます。で、誰と話せばいいですか?」


この嬢ちゃんヤベェっと瞬時に悟った者達は姿勢を正して整列した。

その場を勝ち取ったのは五十鈴である。




「悪かったな」


そう謝るのはリンクの副官。名前はジュザント、頬に傷のある男だ。


「私もデコピンしちゃいましたし」


そう言って指をデコピンする形にしながら動かす、ブンブンなる音は、デコピンの音じゃない。

ジュザントは冷や汗をかきながら五十鈴に喋りかける


「リンクから話は聞いたか?」


「ゴブリン退治に一緒に行きたいんですよね? それって近くの洞窟か何かですか?」


「何でか誰もゴブリン退治に行きたがらねぇんだよ。それと行くのは近くの洞窟であってる。かっこよくダンジョンって俺達は呼んでるんだけどな」


ははっと笑いながら言う彼の言葉に、五十鈴はガッツポーズをした。


「それは良かったです。その洞窟に用が出来たので」


「用?」


そう、用があるのだ。この国は魔物を食べない、だから持ち帰っても使わない。

だから使われずに置いてあったのを見付けたのだ。

亭主が持っていた物の中にあった、これを


「カカオ豆!」


ドンッと机に置いたのは、両手で持たないとダメなサイズのカカオ豆、近くの洞窟で取れたとの情報をゲットしている


「なんだ、これ?」


食べないから知らないのであろう、この素晴らしい食材を


「美味しいお菓子になる物ですよ、特産品にも特産物にもなくて困っていたんです。

でも見付けたからには大量に持ち帰るしかない、カカオ狩りをしなければならない運命なんです」


美味しいものになるとロロに言ったら、彼もやる気満々である。


「ははっ、あんた面白いな。ゴブリン退治を手伝ってくれんだ、カカオ豆だっけか? 集めんの手伝ってやるよ」


「本当ですか、ありがとうございます!」


頼もしい仲間ができた。

明日は婚約パーティがあるため、明後日に行くと約束をしてその場を離れた五十鈴。



次に向かったのは騎士団研修所。まだ騎士団になっていない者達が居る場所だ。


「……騎士団ってこんな感じでしたっけ」


悩筋じゃねーか!そんな五十鈴心の叫びは届かない。


「絶対にリンクの影響ですよ、これ」


「汗臭い」


ロロがハッキリと言うが、確かにそうなのだ。

晒された肉体美と共に弾け飛ぶ汗、筋トレ筋トレ筋トレ。


「騎士団ってなんなんだろうか……」


「まだ研修中ですから、自主練ばかりみたいですよ」


アリスはそう言って苦笑するが、私には1.2.3.4アル○ック! そんな声が聞こえそうである。


ほんと、人間国大丈夫なのだろうか。

というか、この国って肉体美を晒すのが好きなんでしょうか……やっぱり怖いよこの国


「騎士団研修ってこれだけですか?」


見た感じ50人ぐらいだ、けっこういる


「はい。この国で一番と言えば騎士団ですからね。志願者が多いんです」


「女性の騎士は居ないんですか?」


「いません、女性は男性の後ろを歩くもの。そう思われていますから」


桜国の女性陣の強さを考えると、ありえない話である。

女性に対しての扱いがこの国は雑すぎる。


「よし、この国の人達の考え方から変えていかないと潰れますね」


この国っと、あっさり言いきる五十鈴。その言葉を騎士団は聞いていたのか、肉体美に囲まれる。

くさい、ものすごく汗臭い


「この国が潰れるとは聞き捨てなりませんね」


「桜国の主だか何だか知らないが、女の癖に口煩いんじゃないか?」


わらわらと集まる騎士団達、熱気がすごい。今すぐ風呂にはいってくれ……


「汗臭いです……」


どれだけ筋トレしてたのだろうか


「そんなに女を下に見てるのなら、一度手合わせお願いします」


「そんな細腕で何が出来っ」


大の男を一本背負い。汗がついたが仕方ない、男が強いと思われ続けているのなら。

女が強いと示せば良い、ゴリラいっきまーす



それからは、ちぎっては投げちぎっては投げの流れ作業だった。

汗で滑るから大変だったが、全員無事に投げ飛ばしたのだが……


なぜ皆から土下座されてるんだ、筋肉達が綺麗に整列している。

女性に対する考えを変えるのが早くないか? いや、悩筋だったね、そういえば


「「「「師匠!」」」」


「いえ、違います」


この台詞、と目の前の男達の表情に見覚えがあるんだが……

初めて森の主になった日を思い起こさせる……



人間国に来て、弟子が出来ました。拒否したいです




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