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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第二章 ドワーフ国とエルフ国編
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41 問題ばかり

守ってほしい。


お願いと言うよりも、願うようにそう言って彼女は真っ直ぐと五十鈴を見ている。



「……ローロラの葉」


「え?」


突然五十鈴が言った言葉に、聞き返すドライアド


「果物や木の実、色々気になるものとか欲しいものがあったんです。

特産物や特産品になっていないものが沢山。

女子には必要な成分、それを作り出すためにはこの国の物が必要なんですよ。」


「い、五十鈴様?」


話の流れがわからなく、ドライアドが戸惑っているが五十鈴は笑みを浮かべる


「桜国と繋がりが出来たら、それを私達の国にだけ売ってはいただけませんか?

もちろん出来上がったものをエルフ国にも差し上げます。

それでも良いのなら。

桜国は、私はエルフ国を守りましょう」


五十鈴の言葉に祈るように手を組み合わせたドライアド


「いいえ、欲しいものは無料で差し上げます。

あなた様が作るものは何でも素敵なものになる気が致しますもの。

このお菓子のように。」


そう言って空のお皿を持ち上げて笑うドライアドの心を写すように花が次々に咲いていく


こうして、エルフ国との繋がりが出来たのである。

エルフ国を守ることに対しては、シャンプーリンスの出来で女子軍団がやる気を出すだろう、確実に。



「次にお話しするのは、なぜ私が七人目なのかと言うことです」


「ドライアドは長寿ですよね」


イメージだけれど。


「はい。普通ならば七人目等、おかしいことです。」


「じゃあ、なんで……」


五十鈴の言葉に悲しげに目を閉じたドライアド


「……五十鈴様は魔神にお会いしたと聞きました」


思い出すのは獣人国で出会った魔神、少年のような姿が特徴的だった。


「会いましたよ。少年のような見た目でしたが、強かったです」


「魔神は邪悪な存在です。彼等の目的はわかっていません……」


眉を寄せ難しい顔をしたドライアドは紅茶に写る自身を見詰めている


「先程、黒翼(こくよく)の者を知っているかと聞かれました。

それも、関係しているのですか?」


「さてはリーリエですね、あの子は正義感が強い子だから……

そうですね、関係があります。


この世界に魔神を倒せる力があるものは殆ど居ないのです。

私達ドライアドは魔神を追い払うために力を使います。

その力は命と引き換えに使えるもの。この国をこうして魔神から隠せているのも、六代目ドライアド様が命と引き換えに隠しているからなのです。


このユグドラシルの木からドライアドは生まれ、この国の主になります。

私は(ぜん)ドライアド様を母親のように慕っていました。

ですが、魔神がやって来たのです。黒翼(こくよく)の者達と共に」


黒翼(こくよく)の者達とは何者なんですか」


「……いずれ、五十鈴様は嫌でも会うことになりましょう。

彼等も被害者なのですから……。

私からお話しするのは止めておきましょう。

一つ言えることがあるとすれば、五十鈴様ならば救えるかもしれないと言うこと。」


嫌でも会うことになる……何者なのか何なのかわからないけれど、何故かとても気になるのは何故だろう。

金の瞳が少し疼いた気がした。


「彼等と共に居た魔神は女性の魔神。彼女はドライアドが嫌いだと言い、この国を襲い何人かのエルフは犠牲になりったのです。

(ぜん)ドライアド様もこの国を守るために犠牲になりました。


これが、私が七人目のドライアドになった理由です。」


ドライアドが嫌い? エルフじゃなくてドライアドが嫌いで襲った……


「もう一つ、五十鈴様にお願いしたいことがあってお呼びしたのです。」


「お願いですか?」


あ、これヤバイやつだっと五十鈴の感が言っている。

話の流れがレオパルドと同じパターンな気がした


「はい、それは……っ!」



ドォオオオオオオンッ



ドライアドの言葉を遮るように響いたのは爆発音。何かが破壊されたかのようなとてつもなく大きな音


「やはり、(おさ)えきれませんでしたか……」


「抑えきれなかった?」


それはどういうっと声をかけようとしたが、エルフの声に遮られる


「ドライアド様!〝あの場〟はもう持ちません! 国の者達はもうすでに武器を片手にあの場に集まっております!」


「すぐに向かいます」


ドライアドはそう言って五十鈴を見詰めた。


「もう一つのお願いとは、今から向かう場所に答えがあります。

時間がありませんから向かいながら説明いたしましょう」


そう言ってから二人は主殿から外に出る。ドライアドの後ろにつきながら走り出した。


「あの場所とはなんですか」


「封印場所です。前に魔神が来たときにエルフ達が犠牲になったと教えましたね。

その中に居た一人の女性エルフには弟が居たのです。

彼は姉に庇われ命は助かりましたが、あまりのショックに心を失いました」


「心を失った?」


「はい、魔神に対する憎しみ怒り。姉をなくした哀しみ。

魔神に復讐する感情だけが彼を支配しています。」


五十鈴は嫌な予感がして仕方なかった。向かっている場所から聞こえる爆発音。


「ドライアドさん、もしかして」


ドライアドは五十鈴の声を無視して話を進める


「彼はダークエルフになり、私達の声は一切届いておりません。

彼の姉は弟の幸せを願い亡くなったのです。

私は彼をあの場に封印し、毎日のように語りかけました。

ですが、駄目だったのです。」


たどり着いたのは神殿の柱が五本刺さり、真ん中に一人のエルフが居る場所。

柱の四本が壊されている


「彼の復讐の心はエルフ国には害があります。落ち着いていれば問題はないのですが……」


「白い、髪」


目を引く白い肩につかないぐらいの髪。浅黒い褐色系の肌、若緑の瞳は憎しみで暗い色をしている


「彼の名はロロ。最初私は彼を殺してくださいとお願いしようとしていたのです。

他のエルフは彼がダークエルフなった時、まだ力が定着していない時点で殺そうと言いましたが私は彼を封印し、助けられないかとずっと考えておりました。

でも無理だった、彼の憎しみは強く彼の心に私達の声など届きもしません。」


殺す?


「ダークエルフになっただけなのに、ですか」


五十鈴は眉を寄せてドライアドを見た。


「ダークエルフの力は強い、私達ではどうすることも出来ないのです。

エルフの清浄な気とダークエルフの気は混じることはない、彼がエルフの国に居るのはあまりよくないのです」


五十鈴は暴れている青年ロロを見詰めた。彼は同じ種族のエルフ達から排除されようとしている。


「憎しみに復讐ですか……」


五十鈴の言葉と共に最後の柱が壊れた。


「全員配置につけ!!」


「「「「はっ!」」」」


リーリエが弓を構え彼を囲っていく。他のエルフたちも魔法を使うためか掌を前に出し並んでいる


「放て!」


その言葉と共に彼に向かい攻撃の雨が降り注ぎ、爆風がおきる



「魔神……どこ、だ」



あれだけの攻撃を食らっても無傷。エルフ達はそれでも攻撃の手を止めない


殺す、殺さない、命はそんなに軽いものじゃない。



「どこの国も問題がありすぎですよ、まったく」



五十鈴はそう言い、前を見据えた。



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