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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第二章 ドワーフ国とエルフ国編
38/114

38 遭遇

フィアには一日桜国に泊まってもらった。

一夜明けてから行くことになったのだが、それはもうしっかりとフィアは朝ごはんを食べまくった。


ちなみに今日の朝御飯は、白米、肉豆腐、玉子焼き(五十鈴作)と味噌汁だ。


「今朝食べた食事もとても美味でした。この国の食事はどれも美味しいのですね」


ここまで絶賛されると気になるのは、エルフは普段何を食べているのか。


「エルフは普段何を食べてるんですか?」


「果物ですよ。この世界の果物はほぼ全てエルフの国から広まったものです。」


想像通りの食事だ、エルフって感じがする。食べる量以外は

朝食のご飯を6合食べた時点でエルフの可愛らしさと美しさが半減した気がしましたよ。


「じゃあ行きまいましょう」


「はい。皆、行ってきますから留守の間はよろしくお願いしますよ」


いつもなら泣いたり引き留めたりされるのだが、今日は心配しすぎて気絶しそうな雰囲気だ


「お気を付けください、主」


「何かあれば駆けつけましょう。エルフ国をすぐにでも見つけて主様のお側に参ります」


皆が皆、五十鈴が心配だと全身から滲み出している。

思わず苦笑が出てしまう。


過保護ですか、まったく


「じゃあ、参りましょう五十鈴様」


そう言って手を差し出してきたフィア。その手を掴む


『扉よ開け、森に導け、エルフ国の母なる大地よ』


何もない空間に向けて手を伸ばし、何かを唱え出すフィア。

すると空間がぐにゃりと歪みだした。


「さぁ、五十鈴様。」


五十鈴の手を引きその歪みへと(いざな)われ、一瞬白い空間に入ったように感じたが、すぐに緑が生い茂る場所に出た


「ここは?」


「エルフ国の外にある森です、エルフ国はこの森の中心にありますからここから歩いて向かいます。

この森は迷いの森と呼ばれていてエルフ国に辿りつけないようになっていますから、しっかり付いてきてくださいね」


そう言い歩き出したフィアについていく。

見事に周には森しかない、ゴミ一つ落ちていない綺麗な森である。

そう思いながら歩く五十鈴の目の端にぷるんとしたものが写ったが、ささっと草むらに隠れてしまった。


何かいた……

確実に何かいた、ぷるるんっとした何かが。


気になるが何もしてこないので無視して先に進むが、五十鈴が進めば何かが動く。

ぷるんぷるんさせながら動いている


「フィアさん」


「はい?」


思わずフィアに声をかけた五十鈴


「この森って、魔物とか出ますか?」


「でますよ? 大きいものから小さいものまで。エルフは沢山食べますから狩りに出たりもしますし」


エルフって魔物食べるんですか、というか肉とか食べれ……うん、朝からおかずの肉豆腐大量に食べてましたね。


それにしても魔物って食べれるものなんだ……一狩り行くしかないな、誰か誘って一度狩りに行こう


「どうしたんですか、突然」


「いえ、先程からぷるんぷるんしながら追ってきてるなと思いまして」


「ぷるんぷるん?」


五十鈴の視線を追うフィア、草むらから覗く丸くつるんっとしたフォルム。


「とっても綺麗な水色のぷるんぷるんした物がチラチラ見えるなと」


かの有名なゲームに出てくるモンスター、頭は尖っていないが確実に同じ名称のモンスターのはずだ。

たて線みたいな瞳が二本ある。とてつもなく可愛い


「あら、めずらいしいですね。スライムさんが人の前に現れるだなんて」


「そうなんですか?」


「スライムは森の掃除屋さんで、魔物の死骸などを全部片付けてくれてるんですよ。

嫌な人や悪い人の前には絶対に出てこないですし、それ以外でもなかなか会えないんです。」


皆大好きルンバさんだ、そう思いながら五十鈴は水色の丸いフォルムのスライムを見詰める

木陰に隠れているが半分体を出して此方(こちら)を伺っている、怖がっているのか恥ずかしがっているのか出てこない


その姿を見て何となくしゃがみ、無言で両手を広げた五十鈴。

そんな姿を見て水色がすごい早さで飛び上がる


ビチャリッ


「むぐっ」


顔面にクリーンヒット! スライムの攻撃力は抜群だ!


五十鈴の顔面に張り付いたスライム。ひんやりしていてぷるんぷるんしている

顔から剥がして持ってみる、以外と重みがあるようだ


「ぷるんぷるんです」


じーっと見詰め合う両者、先に動いたのはスライムだ。


スリスリ


「かわいすぎかっ」


五十鈴の頬にすり寄るスライム、超絶可愛い。ゲームに出てくるスライムよりも数倍可愛い。いや、あのスライムも可愛いけれど


「スライムがなつくなんて……」


連れて帰ろう、たとえ元あった場所に返してこいと言われても連れて帰りましょう。


そんなことを考えていると、スライムが象徴板をつつきはじめる


「象徴板が気になるんですか?」


五十鈴が聞くと、スライムは象徴板の桜の部分をすりすりしては五十鈴の方をみる


「もしかしてこっちですか?」


五十鈴が出したのは印章を取り出すと、印章の絵柄部分に体をペタリとくっつける。

するとスライムの体にはくっきりと印章の絵柄がついている。

それに満足したのかスライムは五十鈴の頭の上に乗っかる


「これはどういう」


「五十鈴様の物になったと言うことかしら……。

初めて見たけれど、印章は主だけが持てるもの、魔物が同意して印章を体に刻んだと言うことは、貴女の魔物になりますよっと言う意思表示なんです。」


印章ってこういう使い方があったんですね、知らなかった。

というか


「私の魔物になっちゃったんですか」


さらりと仲間が増えた。頭の上がひんやりするアイスノンみたいだ


「名前をつけてあげたらどうでしょうか?」


「名前ですか?」


桜国は和風だから、水色イメージプルプルしてる……。

水、海、ソーダ、ブルーハワイ?


プルプルの水色と言えば、鼻毛で戦う漫画にところてんが居たな。

今思うと何でところてんのくせに水色だったんだろうか……。

そんなことを思い出しながら空を見上げると綺麗な青空が瞳に写る。


「綺麗な青空……そうです、〝ソラ〟にしましょう」


どうでしょうかっと、頭の上にいるスライムに五十鈴が聞くと。

にゅっと体から丸印をだした


「○」


「気に入ったなら良かったです」


以外と会話ができそうだ


「可愛らしいですね」


フィアがソラに手を伸ばすが、ソラは嫌がるように羽織のフードに収まった。ジャストフィットだ


「あら、嫌われてしまいました。」


すこし残念そうに伸ばした手を下げたフィアは再び歩き出す。


「ソラもエルフ国に入っても大丈夫なんですか」


「スライムさんは森の掃除屋さんですから、エルフ達からは好かれていますし。大丈夫ですよ」


五十鈴達に新しいパーティーが加わり、そのまま歩き出す。

しばらくして見えてきたのは、草木で出来たアーチと国の中心にあるのだろう巨大な大樹。


神秘的な雰囲気があるような気がする


「ここがエルフ国の入り口です。ようこそ五十鈴様」


エルフ国へ



そう言ったフィアと共にエルフ国へと足を踏み入れた。


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