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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第二章 ドワーフ国とエルフ国編
34/114

34 接着剤?

全員が義肢作りをすると宣言してから、五十鈴はナビに製図を出してもらった。錬金術とか使えそうな義肢デザインである。


「これを基本に作りましょう。」


紙には細々と書かれているがドワーフ達は興味深そうに見ている


「神経の伝達に関しては私とドルガドで考えてみます。」


とりあえず鉱山に行くしかないな、何かあるかもしれない。


各自が動きだし、ドルガド、五十鈴と副官二人も鉱山に向かう




国を囲むように岩山、その中が鉱山である


「鉱山の入り口は全部で30ヶ所ある。入り口によって鉱石などが違ってくんだ。」


「魔物はいないんですか?」


「出たって報告は聞いたことがねぇな。とりあえず、色々探索してみんのが一番だろうよ。」



鉱山の中に入るとドルガドは一つの石を取り出した。

光石(ひかりいし)、暗闇で光る石だ。触れば消える、またつけたいならまた触れば良い

カタログにもあり即買った、桜国では和風のライトに改造して使っている。


鉱山の中で見つけた鉱石をボックスにひよいひょい入れながら散策する。

歩いていて思ったのは行き止まりが多いこと。


「ドルガドさん。行けないとこが多くありませんか?」


「ああ、岩が固くて先に進めねぇ所が多くてな」


確かに行き止まりの所だけ岩の色が違う、キャラメル色をしていてとてつもなく固い。

五十鈴や黒桜が殴ったら砕けそうだが、確実に崩れるだろう。


「山自体は大きいが、見れる箇所が少ないのは問題だろうな」


歩きながら集めた鉱石はけっこうな量だ、色も様々である。

鑑定スキルが物凄く役に立つ。


鉱山の中には水が溜まった場所や謎の穴、まるでダンジョンゲームのような作り。

探したら傷薬とか落ちていそうだ。


「この洞窟の中にある草はな、ポーションを作れる薬草だ。」


まさかの回復アイテムである。傷薬は落ちていなかったが、近いものがあった


「小さい傷なら治せる薬だ、森とかにも生えてるな。この草もあんまりはえてねぇからポーションの値段は高ぇんだ」


「ポーションよりも効果があるものとかは?」


「今のとこねぇな」


ハイポーションは作らないとないっぽい、頑張れば作れる気がする


一日かけて鉱山を周り外に出るとすっかり暗くなっていた。

四人がドワーフ国に戻ると他のドワーフ達は製図を見ながら色々と作り始めたようで楽しそうだ。

五十鈴達もドルガドと共に回収してきた大量の石を見ながら考える


水の石や火の石、色々と種類がある。


とりあえず雷石、けして黄色いネズミを進化させるための石ではない。

この雷石は名前の通り小さいが雷が出せる石だ。


「これは一度使ったが駄目だったな、金属系のだと危なくて義肢には使えねぇ」


一番使えそうだが無理らしい、どうしようかと考え込む五十鈴を見て黒桜が声を掛けた


「主よ、休憩しましょう」



酒場で砂糖とミルを入れた珈琲を飲んで休み、そのまま解散した五十鈴達。


今日一日鉱山にいて思ったのだが、魔物がいなさすぎておかしいということ。

あまりに静かだったのだ、鉱山の中が。

ドルガド達が前に崩落したと言っていたが、なんで崩落したのだろうか?

揺れたとドルガドは言っていたが……


酒場に来ていた他のドワーフに聞くと、ドルガド達が崩落に巻き込まれた日にドワーフ国は揺れていないと聞いた。

でも、崩落するぐらいの揺れならば中心に位置するドワーフ国も多少なりとも揺れるはずなのに揺れないなんて事があるだろうか?


「何かありそうですね」


五十鈴は疑問を持ちながらも眠りに入っていった。



その日から毎日、ドルガドと共に神経伝達について考える日々が始まった。

様々な石を試し、神経伝達出来るものを探す。

七人のドワーフ達も着々と造り上げ、もうすぐ完成する。


そんなある日だ


五十鈴はその日、ミラルドと手合わせしていた。


「せいやあああ!!」


ミラルドの斧を軽く受け止める五十鈴、押し返そうとしたその時に事は起こった


「揺れ?」




国全体が揺れている。

異変に気付いた黒桜と銀月が守るように五十鈴の近くに寄った。

ミラルドも怪訝な顔をしている、すると部屋の扉が叩き付けられるように開かれた


「ゴーレムがっ、ゴーレムの大群が鉱山から溢れてきます!」


「何だと!? 鉱山には魔物は居なかったはずだぞ!!」


ミラルドはくそっと良いながら外に向かい走り出した。



鉱山の入り口は 30ヶ所、その全てからぞろぞろと現れるゴーレム。

国をゴーレムに囲まれている


「一万はいるだと!?」


ミラルドの言葉でわかるように、ゴーレムの数は一万を越える


「鉱山に出向いていたもの達が大怪我、死人はいませんがポーションだけでは手におえません!」


「くっ、とりあえずゴーレムをどうにかするぞ! 戦闘部隊、行くぞ!」


戦闘部隊とは、ミラルドが鍛え上げたドワーフ達の事だ。


「黒桜、銀月、私達も行きますよ」


五十鈴はそう言って走り出した。



門付近(もんふきん)につくと、七人のドワーフ達が立っていた。

ドルガドは居ないようだ。


「嬢ちゃん!!」


トトックが駆け寄って来た。どうしたのか聞く前にトトックは口を開いた


「ドルガドが一人で鉱山に行ってるんだ!」


トトックの言葉を聞いて五十鈴達は外に駆け出していた。






鉱山からゴーレムが溢れだし、ドルガドは走り外に出た。

ドワーフ国に向け必死に走る


「ぐっ」


最悪のタイミング、地面の窪みに義足が挟まりバッキリと折れる、バランスを崩したが倒れはしなかった。


「くそ!」


ドルガドは折れた義足をそのままに必死に走り出す。

だがスピードが出ない、ゴーレムはすぐ側まで来ている。


もっと早くと走り出すが、ズシャリとこけてしまう。


「こんな足のせいでっ、俺は……っ」


目の前にはゴーレム、すでにドルガドは諦めかけていた。

その時だった


「しっかり自分の〝(ほこり)〟で立ちなさい!!」


その言葉と共に目の前のゴーレムが飛び散る。

それと同時に現れたのは、自分の誇りを取り戻してくれた少女だった


「嬢ちゃん……」


「さっさと立ってください、まったく。」


そう言って手を差し伸べる五十鈴。その手を掴みしっかりと立ち上がったドルガド。


「嬢ちゃん! 後ろ!」


ドルガドの声と共に後ろに向けて右拳を叩き付ける五十鈴。

ゴーレムあっけたなく砕けた。


「ゴーレムは砕いても直ぐに再生する! 胸の石を壊しても倒せるがその石は固い! 頭を壊せば胸の石は消える! 頭を狙え! 」


ドルガドの言葉を聞いた五十鈴は再生するゴーレムを見た。

キャラメル色をしたゴーレム、岩のような見た目。


「洞窟の壁じゃないですか!」


その言葉と共に胸の石を蹴りつける、簡単に砕ける胸の石にドルガドが目をひんむいている

洞窟のキャラメル色をした壁、あれはゴーレム。

行けなかった奥から大量に出てきたのだろう。


「銀月は右側! 黒桜は左側のゴーレム達をお願いします!」


「はい!」


「御意!」


五十鈴の言葉と共に走り出す両者。


「鬼神族をなめてもらってら困ります。主のために日々鍛練してるのですから。

くらいなさい、鬼爆炎(きばくえん)!!」


黒桜の言葉と共に蒼い鬼火が大量にゴーレムに飛んでいき大爆発


「狼族も負けてられないな、消し飛べっ光牙砲(こうがほう)!」


狼の姿で口を大きく開いた銀月、口の前に光が集り一気に放つ

銀月の攻撃にゴーレム達が消し飛んだ



「いつあんな技を覚えたんだか」


五十鈴は二人を目の端にとられながら先程壊したゴーレムの胸にあった石を手に取った。

もちろん周りのゴーレムを蹴散らしながらだ。

ゴーレムは砕けてもくっつき動く、その姿にもしかしてと五十鈴は思ったのだ


「再生する、そして動く……」


鑑定スキル発動


『名称:ゴーレムの接着剤


詳細:神経伝達、砕けたゴーレムが繋がるために必要 な石』


神経伝達……神経伝達!?


五十鈴は目の色を変え、ゴーレムに向かい走り出す。




「アロンアルファアアアアア!!」




その言葉と共に五十鈴は周りのゴーレムの胸の石を砕いてはボックスに叩き込んでいく、もはや無双である。




ゴーレム一万の半分以上を倒した少女がいると伝説が出来た瞬間である。


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