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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
序章 森の主はじめました。
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03 ゴリラは強し


とても大きい大樹、大樹の下に穴があったらきっと森の妖精のふわふわしたお腹の上にでも落ちるだろうなと、どこかで見たことありそうなシーンを思い浮かべるほどにその木は太く大きかった。


「これが結界の発動元です」


「これを壊せば結界は壊れるんですか?」


「はい、ですが…」


そこで言葉を区切る黒桜、何処か困った風に見えるのは気のせいではないようだ


「この結界を壊すには武器や魔術的な物は一切使えないのです」


「使えない?」


「使ってもこの木に力を受け流されるように出来ているようで壊せません、傷ひとつつけることはできないのです

唯一手応えがあったとすれば、蹴りや殴りなどの物理的な事だけでした。

ですが……普通に考えてこの太さに大きさ、これが普通の木ならいけたかもしれませんが、この木は結界の発動元

素手などの物理的な攻撃で壊せるはずがありません」


「俺達狼族が束になって物理的に攻撃してみましたが、全く歯が立ちませんでした」


二人の言葉を聞いて思ったことをはっきり言うならば、私ゴリラだからいけるんじゃね?っというのが本音だ。


「とりあえずやるだけやってみましょうか」


「やると言ってもどうするのですか主?」


「ゴリラを甘く見ると痛い目にあいますよってだけですから心配ないと思います。

危ないので皆さんを離れさせてください」


ゴリラという知らない単語に首をかしげた二人だが、主が言うのならと皆を大樹から離れさせた。

一人になり、目の前にある大樹を見上げ小さく息を吐き、ふっと力を込める


「ゴリラをなめないでください!」


そんな言葉と共に綺麗な回し蹴りが大樹に叩き込まれた。

木が折れるとしたらバキッと音がするのだろうが、そんな音で留まる程ゴリラは弱くないらしい


響いたのは爆発音、消し飛んだのは大樹。

まさに一瞬のことで誰も彼もが目を点にしたのは仕方のないことだった。


「すっごく硬いイメージだったから力加減間違いました。

どうしましょう、木が消し飛んだんですが……

これって壊したってことなんでしょうか? それとも粉砕した?」


誰も彼もが五十鈴を見詰めるなか彼女だけが粉砕した木を見つめている、目の前で起きたありえない光景に呼吸を忘れていたのは数秒

次に響いたのは溢れんばかりの歓喜の声だった。


「主様が格好いい」


「あの方が主とか尊い」


「主様万歳!!」


次々に恥ずかしい誉め言葉が飛び交うなか、森全体が五十鈴を主だと認めるように変化をもたらした。


金の瞳に写ったのはひらひらと舞う桃色の花びら


まさに一面の桃色、木々に次々と桜が咲き誇っていく。

桜以外にも、作物が育ちだし森の雰囲気が一変した。あまりに壮観な光景



主の本質は国に反映する。



まさにその言葉通りだったと目の前の光景を見て思った。

国自体が主の心を写す鏡のようだ。

桜は一番好きな花だし、よく見ると育った作物は米やら麦やら五十鈴の見たことあるものばかりだ。


「「「主様!」」」


そんな声と共に鬼神、狼族共に全ての者が膝をつき五十鈴の前に並ぶ

黒桜と銀月が代表するように膝をつき五十鈴を見上げ言い放つ



「「我らが主よ」」


「我ら鬼神族」


「我ら狼族」


「「あなた様と共に歩める事を心より嬉しく思います」」


誠心誠意、共に歩むと意思表明をする彼等。

五十鈴は刀の柄を持ち、鞘を地面に突き立て威風堂々とした姿をみせる。


「心から笑って暮らせる国をつくりましょう。

悩みも、恐怖も、不安も全部私が吹き飛ばしてみますよ。


私はあなた達の主ですからね」


この日、この世界に森の主が誕生した。捨てられた森などもう何処にもない






********





「森の結界が壊されただと?」


そんなことはありえるはずがないと黒髪を後ろに流している40代ほどの男は言う。

その言葉に応えたのは白髪の眼鏡をかけた20代ほどの男


「あの森にも主が現れたと確認がとれたようです」


「その主が結界を壊したとでも言うのか?」


「それ以外にあの結界を壊せる者が居るなら聞きたいのですが?」


「だが、あの結界を壊せるものなど居るはずがないだろう」


「ですが結界はもうすでに存在していません、これが事実であり現状です。」



「あの結界は魔術や武器なのでは壊れない、結界の力を持った木を折れるほどの力があるとすれば魔王等の特殊な種族ぐらいのものだ

鬼神と狼、両方に気付かれぬように結界を張るのは大変だったってのに」


「そう言われましても。壊れたものは壊れました。

鬼神族と狼族もいまだに健在のようですよ。流石に数は減ったようですが」


男は眼鏡を上げながら淡々と喋る



「あの森に主が現れるとはな……全くめんどくさいことになった。

鬼神族と狼族が結界を張った者達を根絶やしにしないか心配ではあるな。

あの種族達は力が強い、他の国からも恐怖の対象になっている。

そんな種族が居る森の主になった者が居る等と、これはすぐにでも他の国々にしれわたりそうだ。



それにしても、あの結界を破れる者が居るとはな。

それが本当なら」




そいつは化け物だ……



















そろそろ女の子を出していきたい……

そして食べ物を書きたい。

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