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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第一章 獣人国編
28/114

28 帰還

獣人国の入口には狼族が勢揃いしている。

コン達を連れて帰るために、クウに呼んできてもらったのだ。


「主様、お迎えに上がりました。」


琥珀が五十鈴の前に膝を折りそう言った。


「膝を折らなくていいですから。ほら、立ってください」


五十鈴に会えて嬉しいと全身から滲み出している。


「おお、銀月君とはまた違ったかっこよさがあるね。ビスなんて私に膝を折ったことなんてないよ。」


「主に膝を折ってる暇があるのなら仕事をします。そして主にも仕事をしてもらいます」


パルドさんの睡眠不足の根源を見た気がする。

ビスさんはパルドさんを尊敬してるし忠誠心もあるけど、仕事熱心なのだろう。真面目そうなのは顔だけじゃない。


今ここには沢山の獣人達が集まっている、五十鈴達の見送りに来たようだ。しっかり亭主も来ている


五十鈴が琥珀に目を向けると、狼族全員が狼の姿にかわった。


「コン達とガッツさん達は彼等の背に乗ってください。私は銀月の背に乗りますので」


五十鈴がそう言うとコン達は戸惑っているようだ。


「大丈夫だから乗れ。しっかり捕まれよ、振り落とされるからな」


琥珀が膝を曲げ乗りやすいようにしてからコンにそう言うと、恐る恐るだが琥珀の背に乗った。

それを見た皆も乗り始める。狼族は皆大きいからガッツさん達も余裕だ


五十鈴も銀月の背に乗りレオパルドの方を向く


「お世話になりました。」


「世話になったのは私達の方だ。君がこの国に来てくれて良かったよ。」


「あ、そうです」


五十鈴が何かを思い出したように口を開いた。


「お礼は何が良いかパルドさん聞きましたよね? 一つだけありました」


少し驚いた顔をしたレオパルド


「なんだい?」


「クウとマトンを、これからもずっと桜国の配達係りにしてもらいたくて」


五十鈴の言葉にキョトンとするレオパルド、だがすぐに笑みが浮かぶ


「ふふっ、そんなことか。勿論だよ、彼等も君達の国の担当で居たいみたいだからね。」


近くに居たクウとマトンが跳び跳ねて喜んでいる。


「じゃあ行きますね! 」


「ああ、私も時間がとれたら五十鈴君の国に行くよ」


レオパルドの返事に楽しみにしていると言い、走り出した五十鈴達。

直ぐに見えなくなった五十鈴達を見て獣人達は寂しそうだ。


「ビス」


「はい」


「彼女に恥じない、良い国を作ろう」


「僭越ながら、お手伝いいたしますよ」


レオパルド達がそう話していると、獣人達の方が騒がしくなる


「亭主が倒れたぞー!」


「寂しさを我慢してたな亭主!」


しっかりしろーっと言笑い声を聞きながらレオパルドは獣人達の方に歩き出した。





五十鈴達はすごい早さで山を越えている。

皆にも守盾(シールド)を使い、空気抵抗をなくしているため窒息死にはならないはずだ。あとはしっかり掴んで落ちないようにすれば大丈夫。

コン達が涙目になっているが、気にしたら負けだ。頑張れ


鳥居が見えてきた。

見えてきたのは言いが。気のせいだろうか、鬼神族が綺麗に並んでいるように見える。


銀月がゆっくりと止まった。


「「「「おかえりなさいませ、主様!」」」」


おっふ。鳥居の向こうに左右に別れて鬼神が綺麗に列をなしている。

組長、おかえりなさいやせ!っとか言われそうな並びだ


「おかえりなさいませ、主。ご息災であり安心いたしました。」


「ただいまです、黒桜。かわりはありませんか?」


「ええ、特に何もありませんでしたよ。問題があるとすれば、最初はちゃんとした食事だったのですが。

途中から具のある握り飯になり、その後に塩むすびになり、最終的に米と塩だけしか出なくなったことですね」


にこりと良い笑顔で良い放つ黒桜に、火花と雪音、他の女性陣が慌てている


「兄様! 主様には言わないでと言ったではありませんか!」


「そうですよ! 黒桜さんだってこの二週間ぼけーっと縁側に座っていたじゃないですか!

しかも主様のお部屋の前にある縁側で!」


「なっ、ぼーっとなどしておりません!」


言い合う三人を見て、特に問題はなかったと認識した五十鈴。


「とりあえず中に入りましょう、新しい仲間であり家族になった者達を紹介しますから」


そう言って五十鈴がコン達の方を向くと、皆がそちらに目を向ける


「その方達が新しくこの国の住人になった方たちですね!」


「お祝いしようと思って準備してたんですよ!」


笑顔でそう言った火花と雪音にコン達は目をパチクリとしている。


「皆コン達が来るのを楽しみにしてたみたいですよ」


五十鈴はクスクス笑いながら歩き出した。

それを追うようにコン達も桜国に足を踏み入れたのである。




五十鈴達は準備が終わるまで違う部屋で待っててくれと言われ、大部屋に集まっている


「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ」


「せ、せやかて。」


「嬢ちゃん、あまりにも歓迎され過ぎてて逆に反応に困るんだが……」


「そうですか? 家族が増えたんですから嬉しいんですよ。」


五十鈴の言う、家族っと言う言葉に照れ臭さを感じてしまうコン達


「あ、そうだ。ガッツさんに渡したいものがあります」


そう言って五十鈴が渡したのは、製図とかを印刷した紙。


「見たことねぇ作り方だな」


この国に建てるものなどは全部和風だ。獣人国では見ないのだろう


「作れますかね?」


「逆にやりがいがある。だろ、お前ら?」


「「「「「はい! 親方!」」」」」


にっと笑いながらそう言うガッツは頼もしい。この親方なら、空から女の子が降ってきてもいち早く助けてくれそうだ。


「じゃあよろしくお願いします。私も食事の手伝いに行くので。寛いでてください」


五十鈴の言葉に驚くコン達


「五十鈴はんって、主なんやろ? 料理するん?確かに亭主はんと一緒に作ってたみたいやけど」


「料理するのが好きですから、それに玉子焼き作るって約束もありますし。

出来たら呼びに来ますから、待っててください」



それに作りたい料理がありますし、反応が楽しみです。



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