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鳥居をくぐったら、森の主になりました  作者: 千羽鶴
第一章 獣人国編
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20 甘い?苦い?

五十鈴はずっとおかしいと思っていた事がある。

毎回納品する数を手紙に書き封筒に入れ、売る物の値段を纏めた物を配達係りに見せないようにしていた事。配達係りに数を確認をさせないのも変だ。

配達係りは運ぶだけで詳細はしらないらしい


「足りないぶんの納品物はどこに?」


「だいたい想像がつきます。もうすでに手は打ってありますから後々どこに行ったか分かるでしょう。」


数の確認が終わったので亭主にチモ茶を渡した五十鈴

ふと、この前の手紙の事を思い出した。


「聞きたいことがあるんですけど」


五十鈴は皆に聞こえるように声を出し、問い掛けた。


「見た目を変えられたりする術とかってありますか?」


「姿を変えるってのは、どういう風にだ?」


「そうですね……相手の姿になれるような」


五十鈴の言葉に考え込む皆、するとコンが口を開いた。


「姿は変えられへんけど、死んだ者の体を奪える力がある種族がいるで」


「死んだ者の体に、ですか」


その説明を聞いてクウが口を開いた。


「それなら私も知ってます。どこの国にも属さない種族」


「何の種族なんでしょうか?」


五十鈴が聞くと予想外のところから回答があった。


「『魔神族』だろ」


「銀月、知ってるんですか?」


「……一度だけあったことがあります」


苦虫を噛み潰したような顔で言う銀月


「あいつらは残虐非道な一族です。確かに狼族や鬼神族も怖がられてはいますが、あれは桁違いの化け物ですよ」


「魔神族は魔王と関係ないんでしょうか?」


魔神といえば魔王が従えてるイメージがある。


「魔王は人を襲ったことはありません、もちろん悪魔一族も魔王が配下にしていますが特に問題を起こしたとこは見たことがありませんね」


「悪魔一族?」


サキュバスとかベルゼブブとかだろうか?


「はい、悪魔一族です。昔は色々してたみたいですが、魔王が主になってからは特に何もありませんね。

国の外に居るゴーレムやゴブリンなどは魔物と呼ばれていますが悪魔一族ではありませんので間違えないようにしてください」


クウがそこまで言い切ると亭主がそういえばっと話に入ってきた


「噂で聞いたのですが、魔王がどこかの国の主に惚れたとか聞きましたよ。まぁ、獣人国の中で噂になってる話ですから本当かどうかは知りませんが」


亭主の言葉にクウが思い出したように口を開く


「配達係りの者が聞いた話らしいですよ? 魔王の国には配達係りがついてませんから、他国で聞いた情報らしいですけど 」


「魔王の国には配達係りがいないんですか?」


「ええ、魔王の国。名を魔国(まこく)、主は魔王と呼ばれていますが本名もちゃんとあります。その彼が国全体に結界を張ってるみたいなんですよね……全く外と繋がりの無い国なんですよ」


よく考えると、それって引きこもりなんじゃないだろうか……いやいや、まさか


「その惚れてるって言う主が嬢ちゃんだったら面白そうだよな」


ガッツが楽しそうに言いはなった


「いや、会ったこともないですし。魔王さんが女性の場合もありますよ」


「魔王は男性らしいですよ、それと彼には兄弟が居るとききました。確か、魔王が長男で下に弟と妹が居るらしいです。」


「家族構成知ってるんですね……。外との繋がりが無いわりに情報がオープンすぎませんか。国の扉は開かないけど心の扉は全開なんですか。

とりあえず、ガッツさんが言う事はありえないですよ。

会ったこともないんですから」


「わかんねーぜ、魔王って言うぐらいだからな。何かの道具を使ってたまたま嬢ちゃんを見て一目惚れしたかもしんねーだろ」


「否定したいが、主様は確かに美しく強く気高い。惹かれてもおかしくはないだろう……むしろ、いい目を持っているな」


「いやいや無いですよ、銀月も落ち着いて。話を戻しますけど、魔神って何なんですか?」


五十鈴はこれ以上この話を続けられても困るので聞きたかった話題に話を戻した。


「詳しくはわからねぇ。何人いるかも、どんな容姿なのかも知らねぇ。

めちゃくちゃ強いとは聞いたことがある」


「つまらんことが嫌いだって言われとる」


「いかにもって感じですね」


異世界物の定番ですよ、確実に。


「で、嬢ちゃんはなんで魔神について聞いてきたんだよ。」


「私の勘違いならいいんですけどね……ルスホ副官がチモ茶を飲んで苦いって言ったらしいんですよね」


「あのチモ茶をですか?」


「そうなんですよ銀月。チモ茶は獣人以外には苦く感じるはずなんですが」


五十鈴の言葉に全員が眉を寄せて考え出す


「獣人にも苦く感じるものがいるのかも知れないとかじゃないですか?」


「でもクウ、この数日街の中でチモ草を食べてた獣人はみんな甘いって言ってましたよ?

チモ草自体が甘いと感じるのにチモ茶を苦いと言うなんておかしくありませんか?」


そう言うと亭主がチモ茶を皆の前に置いていく


「ここに居る者達の味覚で確かめてみたらどうでしょう?」


亭主の言葉に、皆はチモ茶を飲む


「うめーな、特に苦くは感じねぇ。チモ草以外の茶の味も特に苦味はねぇな……むしろ甘さがある」


「そうですねぇ、苦味なんて全く感じないですよね」


「ほんのり甘さがあっておいしいお茶にしか感じないが」


「全く苦くあらへんよ?」


「私も苦いとは感じませんね……」


ガッツ、クウ、マトン、コン、亭主、全員が甘いと言ったチモ茶

それを苦いと言ったルスホ副官……


「もしかするかもしれませんね……」


「もしかして嬢ちゃん、ルスホ副官が魔神とでもいいてーのか?」


「はい、その可能性はあるかもしれません。ガッツさんに頼んだ物が答えになるかもしれないです。」


「ルスホ副官は仕事熱心で信頼されている方です。そんなことがあるわけが無いじゃないですか」


クウは戸惑いながらそう言った


「まぁ、調べ終わらない事には何とも言えませんから……」



もしかしたら刷り込みじゃないのかもしれない、ほんとに獣人は身内を殺さないのなら……


国の外には普通に魔物が居ます。

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