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神々からの恩恵  作者: 暁 龍弥
また、異世界?!

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35/53

「日常すべて戦場。誘惑・同盟・裏切り、そして帰宅ルートは甘すぎる地獄」

黒鎧事件。王城会議。新婚約候補ルナ参戦。


その影響は、学園の日常をぶっ壊す勢いで広がっていった。


いや、平和?そんなものは消滅した。


ここから日常の風景を紹介しよう。



【朝 → 寮の玄関が戦場】


俺が寮から出るたびに待ち構えるヒロインたち。


ローゼリア「お弁当作ってきました♡」


アルティナ「迎えにきたの。さ、行くわよ」


リュミエラ姫「手を繋ぐのは教育上問題ありませんわ」


ルナ「あ、じゃあ私は腕を組みます♪未来ではいつもくっついてたし♡」


いや朝から密着戦争はやめろ!?

完璧に視線が痛いッ……!


女子生徒たち

「勇者ブランデー……羨ましいのか地獄なのか判断できない」

「あの子達の誰が勝っても国が動く未来が見える」


男子生徒たち

「幸せそうで羨ましい……でも死と隣り合わせだな」

「恋で世界滅びるって噂マジ?」


※噂ほぼ事実ですやめて。



【授業 → 教室の空気が氷点下と常春で混ざる】


先生「さあこの数式を――」


バッ!!


ローゼリア → 耳元で優しく囁く

「ブランデー様、わからなかったら私が全部教えますね?」


アルティナ → 反対の耳で冷ややかに囁く

「必要ないわ。私が個人授業してあげる」


リュミエラ姫 → 微笑みながらノートを渡す

「“聖女・氷姫の両側独占”は授業妨害ですわ。

 私は“真ん中”でサポートいたします」


ルナ → 無言で膝の上に座ろうとする

「未来ではこれ普通だったよ?照れなくていいよ?」


先生

「授業……授業させて……!!」


机に涙が落ちてる。



【学食 → 地獄の席取りゲーム】


俺が席に座ると、料理が四方向から次々置かれる。


ローゼリア「栄養管理ばっちりの健康食です♡」

アルティナ「高カロリーでスタミナが出る料理よ」

リュミエラ姫「貴族の最高級フルコースですわ」

ルナ「未来で好きだった味♡」


そして全員が同時に言う。


「――“一番美味しい”って言わせてみせます」


いや胃袋のキャパ一つしかないんだよ!?!?


男子

「学食が戦争会場になってる」

「勇者は胃袋で殺されるのか……?」



【放課後 → 訓練場が恋の戦闘力マウント会場】


ローゼリア:

「ご主人様を守るのはわたしです!

 “癒し”も“防御”も“補助”も全部できます!」


アルティナ:

「守るだけ?違うわよ。

 私は“共に戦う女”よ。背中を預けられるのは私だけ」


リュミエラ姫:

「王族はただ守られませんわ。

 “家ごと力になる”のが私です。国家単位で支えます」


ルナ:

「みんなすごいね♪

 でも未来では“全員が役に立った”よ?

 だから安心して争っていいんだよ♡」


※ルナの発言、火種を永久供給し続けている疑惑


訓練場の地面:穴だらけ

観客席:カップ麺食べながら観戦する奴まで出現



だが――今日の放課後はひと味違った。


「ブランデー様。

 その……今日は“誰と帰る”か決めてもらえませんか?」


ローゼリアがほほを赤らめて尋ねてきた。


「えっ!?今日!?選ぶ!?」


そこへアルティナが肩を寄せる。


「逃げは許さないわよ?」


リュミエラ姫は優雅に微笑む。


「本日の“帰宅ルート争奪戦”。

 場所はすでに準備していますわ」


ルナは手を組んで楽しそう。


「勝者は“帰り道を独占”だよ♡」


やめて!日常をイベント化するのをやめて!


でも選ばないと終わらない。

逃げても追いかけてくる。

拒否すれば泣かせる。


俺は深呼吸して言った。


「じゃあ――今日は順番の公平性で決める」


四人が息を飲む中、俺は続けた。


「最初は……ローゼリア。

 俺の“初めての感情の変化”は、君がくれたから」


ローゼリアの瞳が大きく揺れた。


沈黙のあと――


「っ……!!嬉しい……!!!」


その瞬間、他三人の空気が殺気MAXになったが

ローゼリアを泣かせないために今日は譲った。



【帰宅ルート:ローゼリア】


夕焼け。

校門から寮への一本道。


二人きりで歩くと、ローゼリアは照れて前を向いたまま。


「……今日わたし選ばれたの、夢みたいです」


「いや、選んだのは嘘じゃないよ」


足が止まる。


ローゼリアは勇気を振り絞って、

俺の服をぎゅっと掴んだ。


「……ねぇ、ブランデー様は“好き”って、どういう気持ちだと思いますか?」


突然の質問。


でも迷わず答えた。


「“一緒にいたいと思う”感情じゃないか」


ローゼリアは小さく笑い、涙が光る。


「そうなんですね……

 だったら……私は間違いなく恋です」


俺の胸に顔を埋めながら呟く。


「幸せで……苦しくて……嬉しくて……怖い。

 全部あなたのせいです。

 全部あなたのおかげです。

 私は――あなたが好きです」


心臓が痛いほど熱くなった。


戦いでも魔法でも何でも勝てるのに

少女一人の感情には勝てない。


でも負けてもいいと思った。


俺はそっとローゼリアの頭を撫でた。


「ありがとう。

 俺も――大事だよ」


それ以上は言わない。

言えない。

言ったら崩れる。


ローゼリアは泣きながら笑った。


「“大事”のままでいいです。

 焦らないです。

 ずっと……隣にいたいです」


その想いが嬉しくて、胸が熱くて、泣きそうで――


そのまま寮の門で別れた。


ローゼリアは去り際、小さく振り返って笑った。


「明日は勝ちません。

 明日も絶対勝ちますので♡」


死ぬほど可愛いのやめろ。



部屋に戻った瞬間、ゼロが静かに告げた。


(マスター。報告があります)


(本日、ヒロインの“幸福値”の上昇が確認されました)


(しかし同時に――

 他三名の“嫉妬値”と“恋情圧”が急上昇しています)


つまり――


ローゼリアを幸せにすると

他三人は危険になる。


一人でも崩れれば

世界が崩れる。


(マスター。

 明日は誰と帰るつもりですか?)


――選ばなきゃいけない。

逃げられない。

でも諦めない。


俺は迷わず答えた。


「明日はアルティナ。

 順番もあるけど――あいつの不器用な心も守りたい」


ゼロは静かに笑う。


(了解です。“恋の救済”は明日も続きます)


そして俺は誓った。


「誰も諦めない。誰も泣かせない。

 “全員を幸せにして世界を救う”。

 その道を俺が作る」


ゼロは言った。


(マスター。

 あなたは本当に“最悪で最高の男”ですね)


……それでもいい。


守りたいものがあるから。

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