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神々からの恩恵  作者: 暁 龍弥
また、異世界?!

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25/53

「学園生活開始! 座席決めでクラスが大荒れします」

翌日。

王立アルクス学園・特待生クラスの教室。


豪華なシャンデリア。大きな窓。個人ロッカー。

教室なのにホテルのラウンジみたいな構造、そして机は全部一人用。

さすがは“王侯貴族・聖職者・英雄候補・超天才”しかいないクラス。


もちろん俺は――

この修羅場の中心に放り込まれている。


入室して早々、教室中の視線が俺に集中。


「ねえあれがEXランクの……」

「昨日1位通過の……?」

「氷の姫や聖女候補が本気で狙ってるって噂の……?」

「王族レベルの権力争いに巻き込まれてるとか……」

「あの子の隣に座る=命知らずって意味では……?」


俺の社会的地位:存在するだけで修羅場。


そんな中、ローゼリアが駆け寄ってくる。


「お、おはようございますブランデー様! 今日も一緒にがんばりましょうね!」


笑顔満点、距離近すぎ。

袖をつかまれてるのもいつも通り。


「おはようローゼリア」


そう言っただけで周囲がざわつく。


「なにあの自然な距離感……!」

「触れてる……近い……」

「勝敗決したか……!」


いや決してないから!!


続いて、アルティナが入室。


ローゼリアはぱっと距離を取る。

空気が凍りつく。

クラスメイトたち全員の背筋が伸びる。


アルティナは表情ひとつ変えないまま、俺の前に立った。


「……おはよう」


その声が静かで、だけど優しい。


その瞬間、周囲の女子が悲鳴あげかけて口を塞いだ。


(マスター、テロレベルの破壊力です)

(俺の平和どこ?)


そして最後、教室後ろの扉から――


コツ、コツ、コツ


ヒールの音が響き、イルミナが入室してきた。


家庭教師兼護衛であるはずの彼女が、なぜか学校指定教師ローブを着ている。


「今日から特待生クラス副担任を務める、イルミナ・フローレンスです。よろしくお願いします、坊ちゃま」


「教師になってるーーーっ?!?!」


「もちろんブランデー様の“学園生活の安全確保”のためです」


笑顔が怖い。

なぜ教師になれるんだ。

審査厳しいんじゃなかったのか王立学園。


(マスター、収賄の証拠はありません)

(そこまで言うな!!)


さらに、扉がまた開く。


「失礼する!」


金属音とともに、全身鎧の女騎士――レイラ副団長が入室。


「本日より王立学園の外部協力教官を拝命した! 特待生クラスの訓練指導を担当する!」


「勤務形態変わりすぎだろぉぉぉ!!」


俺の周囲を固める“包囲網”が完成してしまった。



そして問題の時間――


席決め


学園長が掲示する。


《クラス内の席は“好きな席に座る方式”》


その瞬間、全員の顔色が変わった。


そう。

このルールは、実質こう意味する。


「誰の隣に座るか」=社会的勢力図


恋愛、派閥、友情、政略、全部席で決まる。


一秒の遅れで人生変わる。


そして――


教室中央に“空席が二つある机”が置かれている。


明らかにカップル席。

いやカップル席にしか見えない。


もう嫌な予感しかしねぇ。


学園長が言う。


「特待生クラスはペア制の活動が多い。

 座席は自由だが――“両隣に座った者がペアになる”」


ざわぁぁぁぁぁ!!


「おいあの席、ブランデーの隣に座るってことだろ?」

「つまりヒロインフラグ席か……!!」

「戦争が始まる!!」


俺の平和、完全に死亡。


学園長の号令。


「席につけ!」


――静寂。


1秒。

2秒。


そして――


「ブランデー様の隣は私です!!」


ローゼリアが真っ先にダッシュ。

席に滑り込み、ガシッと机を抱える。

執念すら感じる。


「……その席は私がもらう」


アルティナが瞬間移動レベルの速さで、もう片側の席に座った。


完 全 包 囲 完 成


ローゼリア × 俺 × アルティナ

両脇ヒロイン席。


教室全体が悲鳴に近いざわめきになる。


「氷の姫と聖女候補が両サイド?!」

「王族・教会・貴族すべて巻き込む地獄席!!」

「中央のブランデー命の危険すぎる!!」


男子の視線は殺意。

女子の視線は嫉妬。

その中で授業を受けるとか拷問か?


(マスター、生存率0.4%です)

(小数点にすんな!)



ホームルーム開始。


イルミナ先生(副担任)が教壇に立つ。


「皆さん、隣同士のコミュニケーションを大切に、仲良くしていきましょう♪」


笑顔なのに背筋が凍る。

絶対、本音は「坊ちゃまに触れたら許さない」系。


レイラ副団長も教壇横に立つ。


「訓練時には護衛として同行する。特にブランデー様を狙う不審者が出ないよう警備体制を整える」


完全に過保護。

いや有難いんだけど視線が怖い。


授業開始。


――と思った瞬間。


ローゼリアが小声で話しかけてくる。


「今日の授業終わったら、あの……食堂、一緒に行きませんか?」


アルティナも低い声で被せてくる。


「その時間帯は図書館案内の予定がある。あなた、来るわよね?」


危機回避能力が爆発的に要求される時間になった。


選択肢は3つ。


①片方を選ぶ=戦争

②どっちも断る=戦争

③どっちも行く=時間被ってるので戦争


詰 み。


(マスター、提案があります)

(?)

(“授業中に先生から呼び出されたことにする”)

(神の采配か?)


ちょうどイルミナが黒板に文字を書いている。


俺は手を挙げた。


「あのイルミナ先生、授業後に話があると父が……」


イルミナはにっこり微笑んだ。


「ええ、授業後ではなく“今すぐ”ですね?」


「NOW?!?」


イルミナが俺の肩をポンと叩く。


「ブランデー様、至急職員室へ連行します♪」


連行て言うな!


その瞬間、クラス中の女子達の戦闘モードが解除された。


「さすがイルミナ先生だ!」

「全員の戦争回避してくれた!」

「聖女候補と氷の姫の争い停止!!」


俺は席から解放される形になり――職員室へ。



――職員室前。


レイラ副団長が護衛としてついてきている。


「坊ちゃまの安全、確保できましたね」

「安全……? 常に危険しかなかったけど……」


ノックし、扉を開ける。


イルミナが紅茶を淹れて座っていた。


「――坊ちゃまの学園生活を“平和に”過ごすための対策会議をします」


「平和に?!」


「はい。“恋愛フラグを整理し、危険人物から優先的に対処し、嫉妬の暴走を防ぐ”戦略です」


「イルミナ、もうそれ学園ラブコメ攻略会議じゃん!!」


イルミナは微笑む。


「私はただ、坊ちゃまの幸せを守りたいだけですから」


真顔で言われると逃げられない。


レイラ副団長も席に座る。


「ブランデー様はあまりにも他者に好かれすぎます。その管理は必要です」


管理って何? 俺、資産か何か?


イルミナが書類を広げる。


《ブランデー・ハーレム危険度リスト》


1位 イルミナ(自己評価:低)

2位 ローゼリア(暴走予測:中)

3位 アルティナ(執着予測:高)

4位 他女生徒(暴動リスク:爆高)


「自己評価低い?! アンタが一番危険なんだよ!」


「自覚がないのが危険度高いと言われました。なので1位にしました」


自分で書いたのかよ。


(マスター、悪い知らせがあります)

(なに)

(この会議の議題、“この後ブランデーとデートする権利”について話し合う予定です)

(デート会議て何!?)


イルミナは優雅に紅茶を飲みながら言った。


「坊ちゃま、今後の学園生活――

 誰とどんな距離感で接するか、全部一緒に考えましょうね?」


笑顔のまま、背後に天使の輪と悪魔の翼が同時に見えるレベル。


この時俺は悟った。


迷宮より座席より危険なのは“学園ラブコメ”だった。


平和に生きたいだけなのに――

なぜかハーレム管理会議に巻き込まれてる。


俺の異世界学園生活、

まだ地獄の入り口に立ったばかり。


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