小型機器
「はい」
小型機器から、呼び鈴が鳴ったので、私はボタンを押して電話に出た。
「あの...」
宇宙船に乗っていた、少年からの電話だ。
「どうしたんですか?」
「このまえは、ありがとう。地図も買えました。」
「それは、良かったです!」私は言った。
彼は、恥ずかしがり屋なのか、何かを言わなければならない事があるのか。電話が嫌なのか、そうではないのか。
私にはわからなかった。
「あの、もし良ければ、24日は何か予定はありますか?」彼は言った。
「24日?」
12月24日、クリスマスだった。何だろう、クリスマスデートだろうか、まさか。
「えっと、私はその日、友達と予定があって。」
私はとっさに嘘をついた。何も用事が無かったことが恥ずかしかったのか。
「そうですか、なら、いいんです。」
彼はそう言って、電話を切った。
何だったのだろうか。私は不思議な気持ちになった。誰かに聞いてもらいたかった。
そこで、姉に電話をかけた。姉は私と年が10歳離れていて、結婚していたが、3年前に離婚をしていた。
「それって、デートに誘いたかったけど、言えなかったんじゃない?その彼は」姉はそう言った。
「そうかなぁ?」
「そうだよ〜!もし、気になるようだったら、自分から電話してみたら?彼は喜ぶよ、きっと!」
それもそうかな、もやもやした気持ちのままではしかたないかなと私は思った。
「二人ともすごく雰囲気があっている気がするよ!」と、姉は言った。