じゅうじゅうハムステーキ。
『主のたるたるそーす、ぼく大好きー!』
トーストに乗ったてんこ盛りのタルタルを美味しそうに食べるエンリル。
その横で、不思議そうな様子で前に置かれたトーストとキッシュを眺めるスミちゃん。
『(見慣れぬ物だからな。いくらエンリルが喰っているからといっても、警戒しているのだろう)』
口の周りにタルタルをたっぷり付けて、ルビーが言う。
「スミちゃん、美味しいよ。食べてみない?」
すすめながら、食べるのを見せてみた。首を傾げて、私の動作をじっと見つめるスミちゃん。すると、前足? でトーストを器用に持って小さな口でかじった。
サクサクと食べ進んでいく所を見ると、口に合ったようだった。
『美味しいって言ってるよ! 主のごはんは本当に美味しいんだよ!』
ありがとう。でもご飯の時はばさばさしないの。
サースコッコのたまごって、何でこんなにぷりぷりなんだろう。普通のキッシュとはまた違った食感だけれど、とっても美味しい。たまご自体の味が濃厚だから、バター使っちゃうと重たくなりすぎると思って使わなかったんだよね。でも、バターでも全然くどくなくいけそう。
タルタルトーストはハムステーキも乗っているせいで、カロリーが信じられないくらい高い……。でっ、でも! すごく美味しいんだよ! ハムステーキのムチッ・ガツンとした味にタルタルソースが合わさって、それをトーストがうまく包んでくれる……。
だめだ、美味しい……! うまいものは脂肪と糖で出来ているのは本当だったよ……。
あぶらっこくなった喉を潤すように、メロンソーダを流し込む。
『(足りぬ)』
え? ルビーさんどうしました?
『(この、我が拵えたとーすとに乗っている肉がもっと喰いたい!)』
ハムステーキが気に入ったの? 足りないのは嫌だから、丸ごとの大きいやつ買って残っているから焼いてあげようか?
『(たのむ。はやく)』
ちょ、よだれ……。エンリルとスミちゃんはおかわりする?
『ぼくはもうお腹いっぱいだよ。スミちゃんが、ルビーのおかわりしてるやつが食べたいみたい』
スミちゃん、そんな見かけで肉食なのですか? ハムステーキ大人気だね。
「頑張って焼くから、もう少し待っててね」
スミちゃんにそう言うと、ぴよぴよしていた触覚が引っ込んでいった。
『警戒していたのを解いたんだってさ』
そうなの? そういえば向こうの世界の幼虫も触覚……もとい臭覚は驚いた時なんかに出るんだっけ。ともあれ警戒心を解いてもらえたのは嬉しいな……。じゅうじゅうと追加のハムステーキを焼きつつ、横でよだれボタボタなルビーを肘で追いやりながら思った。




