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テイマーの、弱点。





「ぎゃー!! ちょっと! 触らないでよ!!」



 スラープアントが器用に私の振るウィップの先を掴む。ルビーの言った通り、力もあんまり強くない上に鈍いから何とか戦えている。



 でも、テイマーのテキストに書いてあった通り、従伴が居ないとテイマーって弱い……。属性魔導が使えるわけじゃないから、テイマー自身の攻撃は武器に依存してしまう。



 ウィップを振り回すけれど、なかなか弱点である首が狙えない。



『(紅槍!)』



 ルビーの声と共に、スラープアントの下半身が紅に光る槍で貫かれて固定された。



 ありがとうルビー! これで、スラープアントは動けない。今がチャンス!



 しっかり狙って、ウィップを振り切る。



――――パンッ!



 引き絞るような音をたててスラープアントの首が飛び、目の前の胴体は崩れ落ちた。



『(よくやった! こちらも終わったぞ)』



 でっかいサースコッコに、エンリルが鉤爪を食い込ませてよたよたと降りてきた。ニワトリ部分も尻尾の蛇も、息絶えている。



『主、ごめんなさい、遅くなっちゃった……』



 怪我がなくて何よりだよ。こんな大きな魔物とふたりが戦ってくれていたのに、私はスラープアント一匹に手こずってごめんね。



『(命中率をもう少し上げねばな。だが、よく戦った)』



『主は怪我してない? ごっちんする?』



 大丈夫だよ。ルビーも、怪我はない?



『(無いぞ。強いて言えば魔力が減った気がするので緑のしゅわしゅわしたのが飲みたい)』



 わかったわかった。

 ふたりともお疲れ様!ご飯の時にしゅわしゅわも出してあげるからね!



 サースコッコと、スラープアントのドロップ品だと思われるギザギザした触角を拾って、アイテムインベントリに押し込んだ。





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