ワンクルー。
町に戻ってクランに討伐依頼書を提出すると、カウンターの女の人に大層驚かれた。朝早いせいか人が居なかったから解体は出直すようにと言われてしまった。報酬として、お金と毒消しの腕輪っていうアクセサリーを受け取った。
『(人間族は毒に弱い。いいものを手に入れたな)』
クランからの帰り道、ルビーが言う。
私がつけてていいの? 効果がよくわからないけど、解毒してくれる感じなのかな。
『(毒を全て防いでくれるのだぞ)』
全部!? 結構いいものだよね……。良かったのかな、貰っちゃって……。
『(長いこと滞っている依頼だと言っていたから、報酬をいいものにするか報酬金を上げないと誰も引き受けぬのだろう)』
……ね、ルビー。つかぬ事をお聞きしますが、あのミノオルグスの討伐って結構ランクが上だったの?
『(…………)』
ルビーさん? どうしてそっぽ向いてるのかな?
『(ランクはAだ)』
だから滞ってたんだ!! 早く言ってよ! 私が依頼書読めないからって黙ってたな!
ゆさゆさとルビーの身体を揺する。
『(ま、まぁいいではないか、怪我もなく討伐出来たのだ。それに、あんな奴にやられる我ではないぞ)』
そうだけど、先に聞いておきたかったよ……。
『(イレイドの谷はトリシャの作り出した毒で満たされておる。足を踏み入れ、進む毎に体力を奪われ死に至る毒だ。毒消し草がいくらあっても奥までは辿りつけぬようになっておる。だからどうしてもその腕輪が必要だったのだ)』
え、えげつないね……。本当にトリシャ様が作ったの? その毒……。
『(エルフの作り出す毒は強力だ。世界一とうたわれておるからな)』
宿屋に戻って再度おかみさんに前払いして、部屋に戻った。Aランクのミノオルグスを倒したって事は、かなり私もレベル上がったんじゃないかな?と思ってステータスを確認してみた。
『(21まで上がったか)』
みたいだね。テイマーのスキルは変わってないみたい。
『(イオリの固有スキルが+1となっておるが、何か変わったのか?)』
……本当だ、なにこれ。
『(面白いな、使ってみろ)』
怖いものなしだねルビー。使ってみるけどさ。
“固有スキル︙ショッピング+1(プラスワン)を使用しますか?”
「はい、従伴も一緒に」
いつもはすぐに目の前にスーパーが現れるのに今日は出て来なくて、ルビーと顔を合わせていたら、それは突然現れた。
『……イラッシャイマセ!』
『(「!?」)』
『私、ワンクルート言イマス!』
ふわふわと宙に浮かび、ハスキー犬のような見た目のてのひらサイズのワンクルーは、深々とおじぎをしながら挨拶をした。私達はただ驚いて、呆然と見つめる事しか出来ないのでした……。




