教会の真意。
休憩の合間にあわてて書いたものをアップして、数時間の間お見苦しい文が載ってしまい申し訳ありませんでした。改稿しました。
「朝ご飯だよ! 開けとくれ!」
ノックの音と共に宿屋のおかみさんの元気な声が響き渡る。もそもそと起き上がり、朝食の乗ったトレイを受け取ると、おかみさんは忙しそうに去っていった。
「元気だなあ……ふあぁ……」
『(今日は魔導師探しだな!)』
もうひとり元気なのが居た。
ルビーと朝ご飯の黒パンとソーセージとシチューを食べて出かける準備をする……『(遅いぞ)』と檄を飛ばされながら。
おかみさんに魔導師様の居場所を尋ねてみたが、そんな高貴なお方の居場所なんか知るわけがないよと笑い飛ばされた。
『(教会に行ってみたらどうだ)』というルビーの言葉で、町の教会の場所をおかみさんに教えてもらって向かった。
教会があるんだね。
『(教会がなければアンデッドに太刀打ち出来ないからな)』
そういう立ち位置なんだ、教会。もしかして蘇生も教会でやっちゃう感じ?
『(蘇生を行うには聖堂と呼ばれる場所へ行かなければならぬ。しかも無料ではないからな、あまり利用するやつはおらぬ)』
生き返っちゃうんだ……。ますますRPGだね。
『(着いたぞ)』
真っ白の建物に、飾りのついた窓や木の扉。まさしく教会のようないでたち。ノックをしても返事がなかったので開けてみる。ギギギ……と重苦しい音をたてて開いた先には、またまた真っ白なベンチみたいな椅子が並べられていた。
「何かご用ですか?」
奥から白い聖衣を着た男の人が出て来た。
「勝手に入ってすみません、お尋ねしたい事があって……」
「何でしょうか?」
「召喚術を使う事の出来る高名な魔導師様の居場所をご存知ではないでしょうか?」
男の人は柔らかなほほ笑みを崩さないまま応える。
「このモロクにはおりませんね」
居ないんだ……やっぱり……。
「本都に行けば使える魔導師もおりますが、高名な、といった魔導師様はあまり表には出られませんのでどこにいらっしゃるかは……」
がっくし。やっぱり本都まで行かなきゃだめなのかなぁ。先はまだまだ長そうだ。
「少し前に、この大陸のずっと南の方にあるイレイドの谷の奥に、賢者様がいらっしゃると聴いた事があります。確かめたわけではないので真実は不明なのですが、本都も南にあるので向かわれるのなら寄ってみてはいかがですか?」
イレイドの谷だって。どうせ本都に行かなきゃ進めなさそうだし、行ってみようか。
『(……)』
「情報をありがとうございます。本都に向かうつもりをしていたので、イレイドの谷に寄ってみますね」
にっこりとほほ笑み、お気をつけてと頭を下げてくれた。
教会を出ると、ルビーが立ち止まった。
『(気に喰わぬ)』
どうしたの?何で急にオコなの?
『(イレイドの谷には守りのドラゴンが居る。奴は谷に踏み入れるものを容赦なく襲う。だから昔は谷に行ってはならぬと言われていたのだ)』
ひとかけらもそんな情報教えてくれなかったね。だからオコなの? もしかしたら守りのドラゴンさんが居なくなったのかもしれないよ?
『(ありえぬ。トリシャが使役しているドラゴンだぞ。トリシャが生きておる限り、居なくなる事はない)』
トリシャ様って、ハイラの森で会ったトリシャ様だよね?
『(そうだ。トリシャはイレイドの谷の奥に、精霊族の宝を隠しておるのだ)』
ははぁ、あれかな。そのトリシャ様の宝を教会は欲しがっている的な? だから冒険者にドラゴン退治をあわよくばしてもらおうみたいな。
『(わからぬが、気に喰わぬ)』
真意はわかんないけど、行ってみようよ。私にはルビーもいるし、同じドラゴンなら言葉も通じるんでしょ?
『(…………)』
え、ちょ、まって何その間……。
『(行ってみるか)』
いや、だから!待ってよーーー!!!!




