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町外れで、ステーキ。





「さて、明日までどうしようかなぁ」



 クランを出て町をぶらぶらしているんだけれど、ルビーを見る周りの人たちの目線が気になる。違う生き物に見た目を変えられるスキルとか無いのかな……。でも喋る時点でアウトか……。



『(喋るのが好ましくないのなら、こういった方法も取れるのだが)』



 !!



 頭に響くようにルビーの声が聴こえた。私の考えていることがルビーに聴こえるように、逆も出来るということらしい。



 早く教えてよ!そういうことは!!



『(我がまだ世界を飛び回っている頃は言葉を扱える魔物や生き物は沢山いたのだが、今日では珍しいようだな)』



 そうみたいだね。……喋らないで居てくれるのなら、フィアバードだと言い張ってもいけそうだけど。町の人たちがルビーを見て遠巻きにしてるってことは、フィアバードも珍しいの?



『(数はそう少なくはない筈だが、すばしっこい上にエレクバードよりも好戦的で、攻撃力も高い魔物だからな。襲われやしないかと不安なのではないか?)』



 なるほど。遠巻きにされてた理由が少し解った。



 そしてフィアバードで通してもだめっぽい……!



『(我が大人しくイオリのそばにいればフィアバードでも通るだろう)』



 だめだよ、町の人たち怯えちゃうもの。人目を避けて、町外れの方に行こうか。朝ご飯からずいぶん時間が経ったからお腹も空いちゃったし。



『(トマトを買うのか?)』



 たまには違うもの食べない?



………………



 黙々と会話をしながら町外れの森の入口まで来た。ここまで来ると家も人も少なくていい感じ。



 ルビーに気配探知をしてもらって、ショッピングを使用して売り場を見てまわる。



「ルビーって肉食じゃないんだね」



『何でも喰うぞ』



「見た目は完全な肉食系なのにね」



 他愛もない話をしながら、買い物を済ませた。ルビーはトマト、私は肉食の話をしてたらお肉が食べたくなったから少しお高い牛ステーキ肉とおろしソース、それと惣菜のサラダを買って店を出た。



『(これは肉なのか?)』



 不思議そうに牛肉のパックを四方八方から眺めている。



 アイテムインベントリから、トリシャ様にほうれん草のバター炒めを作った時のコンロ達を取り出して調理開始。



 残ってたバターをフライパンに落として牛肉を焼いていく。最初は強火で表面を焼きつけて、後はじっくり弱火で焼いて、出来上がったら仕上げにおろしソースをかける! 最強!



「いただきまーす」



 美味しー……! ちょっとお高いだけあって、柔らかいっ! おろしソースもいい感じ。サラダも和風ドレッシングが付いてさっぱりしてていいね。



『(…………)』



 トマトを食べ終わり、じーっとステーキを見つめるルビーさんに、食べる? と半分差し出すと目を輝かせて食べ始めた。



『(何だこの肉は……! 今まで食べたどの肉よりも濃厚な脂だが、肉にまとわりついているものがその脂をさっぱりと喰わせる……何と美味いことか!)』



 大興奮だねルビーさん。尻尾がぶんぶん動いてるよ。お肉もおろしソースも気に入ったのなら良かった。サラダは『(生の葉は好かぬ)』とか言って食べてくれなかったけど。



 お腹いっぱいになった後は木陰でゆっくり、陽が落ちるまでルビーの昔話に耳を傾けた。





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