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クランの倉庫は解体場。





「記憶がないという事は、ルビーさんに連れられてトリシャ様にお会いされた感じなのですか?」



 倉庫へ行きがてら、尋ねられた。



「そっ、そうですね。町に入るにも登録証が無いとだめだと言うことで、それならまずはルビーの知り合いのトリシャ様にお会いしておいて、シバの町へ行こうかと提案されまして」



 チラッとルビーを横目にしながらエドさんの質問にこたえると、またうんうんと頷いている。



「大変でしたねぇ。少しでもお力になれるといいのですが」



 う、嘘つくのって難しい……!



 着きました、と併設されている倉庫の扉が開かれると、クランの人達が五人ほど談笑していた。



「お客様ですよ〜みなさん! 仕事です〜!」



 こちらへどうぞと小部屋に案内されて、エドさんにひとつずつ確認してもらいながらピグモール、チューシープ、エレクバードをアイテムインベントリから出していく。



「アイテムインベントリを持たれているのですね〜。もしかしたら名のある冒険者だったのかもしれませんね、イオリさん」



「記憶がないので、宝の持ち腐れで勿体ないですけどね」



 クランマスターだけあって、深く追求しないでくれた。エドさんの優しさに感謝。そっぽ向いてるけど、ルビー、肩が震えてますよ。



「おぉっ、エレクバードじゃねぇか!」



 ひときわ背が高く恰幅のいい、ライオンみたいな髪と顎ひげをたくわえた中年の人が部屋に入ってきて、エレクバードを掴みあげた。



「こら、バイモスさん。まだお客様の持ち物ですからね! 大事に扱ってください」



 エドさんにたしなめられて、悪い悪い! と頭を下げた。



「こちらは解体場のバイモスさんです。毛むくじゃらですが、人間族ですよ」



「初めまして、イオリといいます。こちらは紅竜のルビーです」



「おう! よろしくな! ところで、紅竜とはこんなに小さなものなのか? フィアバードと間違えられるのも無理ねえな!」



 ハッハッハーと笑うバイモスさん。他の人たちは、ルビーを見て何やらヒソヒソと話をしているけど、まずはルビーさんがまたオコになる前に小さくなっている理由を説明した。



「失礼ですよバイモスさん……。それはテイマーのスキルですねー。大きすぎる従伴を小さくして連れ歩いたり、食料の節約にしたりと使い勝手の良いものらしいですよ。まったく、羨ましいスキルですよ」



エドさんがバイモスさんを見やる。バイモスさん、めっちゃ食べそうだもんね。



「でも、そのスキルは魔物にしか効かないらしいですよ」



 ふむふむ。テイマー専用のスキルだから、人間族なんかには使えないわけね。覚えとこ。



「じゃあイオリさん、この三体でよろしいですか?」



エドさんがバイモスさんに指示しながら言う。



「はい! お願いします」



「チューシープと、エレクバードは素材が取れますがご自分でお持ちになられますか?クランでの買い取りも出来ますよ」



「買い取りで」



 素材って皮とか毛でしょ。やだ。



「わかりました。では解体費用は買い取り金額から差し引いておきますね」



「明日にはお渡しできると思いますので、また取りにおいでてもらえますか?その時にはユトも帰って来ているはずですから」



「はい、ではまた明日うかがいますね」







 クランの倉庫を出てから、プルの実とレグレの根の食べ方も教えてもらえば良かったと気づいた。





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