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閑話 女神サイド3-3

遅くなりました。


 サスティナの社に戻って来た3柱の女神はウェイガンとキュルケの対応を話し合う。


「なぁ、ウェイガン達に対してだけど、今回は仕方ないんじゃないか?」


「確かに逼迫した事情があるのはわかりますが、私は納得できません。収納系のスキル持ちなら誰だって出来得る事なのにそれを考慮に入れなかった。と言うよりゴーレムが倒されることを想定していない時点でウェイガン達の落ち度だと思います」


 今回ウェイガン達が楽太郎に接触を図ろうとした状況を頭では理解しているが、内心ではどこか納得できないサスティナが内心を零す。


「だが、楽太郎のあれは例外だと思うぞ? 誰が真鋼(オリハルコン)どころか神鋼(しんこう)ゴーレムまでもを素手で倒せると思うんだ?」


「た、確かにあれは非常識ですが・・・それでも、楽太郎さんは正攻法でゴーレムを倒しています。倒されない事を前提に配置して実際に倒されたら『それは困るから勘弁してください』だなんて、神としての矜持はどこにあるんです?」


「それを言ったら俺達だって世界を滅ぼしかけているんだぞ? それに今回の原因は楽太郎だ。その楽太郎がこの世界に来たのだって俺達の所為だし、そう考えたら俺達にも責任があるんじゃないか?」


「そ、それは確かにそうですが・・・」


 痛い所を突かれサスティナが一瞬怯み、ナシスが畳み掛ける様に言葉を尽くす。


「大体、その神の矜持で世界が滅んだら意味ないだろ! 寧ろ神の矜持を捨ててでも世界の安定を優先させたウェイガン達の行動は正しい筈だ!」


 ナシスの断言に、サスティナも思いついた反論を口にする。


「神としての行動は確かに正しいかもしれません。ですが、楽太郎さんの立場で考えてみてください」


「楽太郎の立場?」


「彼からすれば命懸けで魔物を倒してその死体を手に入れただけですよ? それなのに知らない神から神託を受けるんですよ?しかも非難の神託をです」


 普通、神託を受けると言う事は誉れであり名誉でもあるはずだが、楽太郎視点では迷惑極まりない事象である事をサスティナ達は理解している。


「非難の神託って、どういう事だ?」


「神のダンジョン内で堂々と戦った者に対して制限を設けようと動いているんですよ? しかも『お前が原因でこの地方が不毛の大地になってしまう』なんて言われるんですよ? これが非難でなくてなんなんです?」


「・・・」


 そう言われてナシスは黙り込む。

 確かに楽太郎の行動には問題が無い。齎される結果に問題があるが、それはダンジョンマスターであるウェイガン達の落ち度だ。


 それなのにウェイガン達に非難されるのだ。

 只でさえナシス達に人生を狂わされているのに、その上こちらの神に謂れのない非難をされる。これでは楽太郎が抱くこちらの神々のイメージは更に悪化するだろう。ひょっとすると既に悪魔か邪神としか見えなくなっているかもしれない。


 その上サスティナ達の所業がバレたら・・・

 ひょっとすると楽太郎は自分達神々を滅ぼそうと考えるかも知れないし、嫌気がさして隠遁するかもしれない。


 そうして楽太郎が復讐を目指したり、孤独を選んで子供を作らなかったら・・・

 もしくは楽太郎が地球(いせかい)の神々に愚痴を零したら・・・

 最悪の事態を想像し、ナシスは身震いする。


「それでもウェイガン達の接触を善しとしますか?」


「・・・マズイかもしれないな」


 ナシスもウェイガン達の接触は不味いんじゃないかと思い始める。


「それにあの楽太郎(こぶた)さんに子供が出来なかったら世界の一部が荒野になるどころか世界滅亡ですよ?」


「その件については俺達が下手に手を出さない方が良いんじゃないか?」


「35年間童貞を貫いたあの楽太郎(こぶた)さんに子作りを任せていたら絶対に世界が滅びます!」


 中々に辛辣な表現だが、正鵠を射てもいる。


「だが、散々手を出した結果、裏目にしか出てないんだが・・・」


「そ、それを言われると辛いところですわ」


「それに最初の頃にルシエントの提案を受け入れただろう? お前の国を出た後は暫らく手を出さず見守るって」


「確かに・・・そうね。暫らくは楽太郎(こぶた)さんの家族計画は置いておくしかなさそうね。ルシエントもそうでしょう?」


「・・・」


 ルシエントは考え事をしているようで、反応を見せなかった。


「ルシエント? 聞いてますか?」


「うん? 何?」


「今ナシスとウェイガン達の動向と楽太郎さんの家族計画について話していたのよ。ちゃんと聞いてください」


「ごめんなさい。ただ、少し、別れ際のウェイガンの表情が気になったから考えていた」


「ウェイガンの表情?」


「一瞬だけど、何かを決意したような表情だった。私に気付くとそれを隠すように作り笑いになった」


 その言葉を聞いてサスティナも妙な感じを覚える。

 ナシスも何かを考えるように目を瞑る。


「確かにそれは妙ですね。決意の表情と言うのは楽太郎さんとの対話に向けてと考えるのが妥当ですが、それを隠すと言うのが引っ掛かります」


「あぁ、何か裏があるような嫌な感じがする。隠すって事は後ろめたい事についての覚悟って事だろ? ひょっとして楽太郎に何かを頼むとかか?」


「「それはアウト!完全にアウト!」」


「え?!」


 ナシスの直感的な発言にサスティナとルシエントが即座に反応する。


「「ナシスナイスです!」」


「もしナシスの言った通りウェイガン達が説明してきたこと以外に楽太郎さんに何かお願いをするとしたら、それは直接干渉にあたる」


「そうなれば異世界の神々に戦争の引き金を引く口実に使われる可能性があるわ」


 実際にはその程度で猿田彦達は動く気はないが、今までの失態続きで敏感になっているので論理が少々飛躍している・・・のかもしれない。


「それってかなり不味くないか?」


「えぇ、早急に手を打たないと!」


「待って」


 すぐにでもウェイガンの所へ向かおうとしたサスティナにルシエントが待ったをかける。


「何よルシエント!急がないと手遅れになるわよ?」


「大丈夫。相手は楽太郎さんだから・・・」


 そう言われサスティナは妙に納得できてしまう。


「あー、確かに。相手はあの楽太郎(こぶた)さんでしたね。それなら多少の猶予はありそうです」


「そう。その間に少しでもウェイガン達の妨害と対策を練るべきだと思う」


 そう提案されサスティナも同調する。


「そうですね。確かにその通りです。それで何か策はあるの?ルシエント」


「・・・」


 問われてルシエントは暫し考える。


「まず、キュルケが信者(こども)に神託を下している。それ自体を止める事は出来ない」


「えぇ、そうね。神託を受け取れると言う事は『聖人』認定される」


「元々特定の神の信者(こども)で『加護』を受けている場合、他の神々が干渉する事は禁止されているわ。神託を受け取れる程の人材であれば既にキュルケの加護を受けているはずよね?」


「そう。だから神託を受けた信者そのものに私達は直接干渉できない。ただし、私達の信者が神託を受けた信者に干渉する事は問題ない」


「それは人間同士の接触だから当然よね」


「神の神託を受けた者同士でも主義主張が異なれば争う事もある」


 つまり今の状況に当てはめるとキュルケの信者の行動を阻止するならサスティナ達も神託を下して信者を使えば良い。


「それで、神託を受け取れる信者がウェルズの街近くにいるのか?先に言っておくけど、俺の信者には神託そのものを受け取れる奴が居ないぜ?」


「神託を受け取れる信者はいますが、あの国にはいないわ」


「・・・いない」


 敢え無く全滅。この案は没となる。


「つ、次の案は無いのか?」


 そうナシスが先を促す。


「・・・神託を受けた信者は1人では行動しないはず。それなら加護を受けていない者を狙って妨害工作をする・・・と言うのはどう?」


 ルシエントの答えにナシスが少し考え、面倒臭くなったのか先を促す。


「具体的には何をするんだ?」


「『天啓』を使って楽太郎さんに対する猜疑心を植え付ける」


「「?!」」


「神託を受けた者の足を引っ張らせる。相手は楽太郎さんだから自然と敵対する可能性が高い」


「た、確かにそうだが・・・結構エグイ事考えるな。ルシエント」


 引き気味にナシスが一言漏らすが、ルシエントは気にしない。


「ま、まぁ、妨害工作はルシエントの案で行きましょう。少々心苦しいですが背に腹は代えられません」


 サスティナがそう言うと残りの2柱も肯定する。


「後はウェイガン達に直接聞きに行きましょう。その結果如何(いかん)によっては実力行使もあり得ます」


「お?マジでか?」


 嬉しそうにナシスが武器を手に取る。


「ナシス、まだですよ?話を聞いた結果によりますから」


「でも戦う可能性があるんだろ?なら準備しなくちゃな!」


「全く、貴方は・・・まぁ、いいわ。それじゃまずはウェイガンの所にもう一度行くわよ。ルシエントはウェイガン達にバレないように天啓で妨害工作をして、ナシスは私とウェイガン達の会話に集中してください。話が決裂した時点で実力行使になりますから」


「「わかった(ぜ!)」」


 そう言って武器類を手入れし始めるナシスを横目に役割を決め、交渉の準備を始めた。









 そうして『山の女将』亭で楽太郎とリディアーヌ・ルインの初対面時にルシエントがルインに天啓を使う。


「天啓・違和感」


「あら、ルシエント。楽太郎さんへの猜疑心を植え付けるんじゃありませんの?」


「相手を疑う心理として前情報なしに初対面の相手に猜疑心を持たせるのは不可能だから徐々に植え付ける・・・」


「な、なるほど・・・それもそうね」


「小さなことからコツコツと?」


「なんで疑問形なのよ?」


「・・・なんとなく」


 と言う感じで、楽太郎が自分が『山並 楽太郎』ではないと否定した時にも天啓を使い『違和感』を植え付ける。

 その他にもルシエントは楽太郎がリディアーヌ達と係わりたくないと遠回しに告げる度に天啓で『違和感』や『不信感』を植え付け煽る。



 そして楽太郎とルイン達が別れた後、サスティナとナシスはウェイガン達の元へと再度訪れ、ルシエントは妨害工作に専念する。


 そうしてサスティナとナシスがウェイガンとキュルケの社を訪れると、おもむろにノッカーを強く叩き、来訪を告げると中からウェイガンが顔を出す。


「なんだいサスティナ? 知っていると思うが、私達は今忙しいんだよ。何か用ならまた今度にして貰えないか?」


 素気無く追い返そうとするウェイガンが扉を閉めにかかるとサスティナが(すか)さず扉に手を掛け、閉められるのを阻止する。


「ウェイガン。歓迎されていないのはわかっているわ。でも私達も貴方に改めて確認することが出来たのよ。それに応えて頂戴」


 ウェイガンは溜め息を吐くと尋ねる。


「何が訊きたいんだい?」


 サスティナは了承を得られたことに笑顔を返すと、単刀直入に質問する。


「貴方、楽太郎さんに例の件以外で何かお願い事をする気じゃないわよね?」


「・・・どういう事かな?」


「そうね、例えば・・・悪魔のダンジョン攻略とか?」


 その言葉にウェイガンピクリと反応してしまう。

 サスティナもルシエントもその反応を見逃すほど惚けてはいない。


「やっぱり、ウェイガン。貴方悪魔のダンジョン攻略を依頼する気だったわね」


「・・・直接的に依頼する気はない」


「どうかしら? 私達を謀ったばかりじゃない。信用できると思う?」


「では、どうしろと?」


「楽太郎さんとの接触は取り止めてもらうわ」


「それは出来ない」


 即座に否定するウェイガンに畳み掛ける様に言葉を叩き付ける。


「確かに一地方の荒廃を引き起こすかも知れないけれど、それ以上に世界全体の存続の方が重要よ!」


 だが、ウェイガンは頑なに折れない。


「それではキュルケが救われない! 彼女は300年もの間ずっと苦しんでいるんだ! そんな中ようやく訪れたチャンスなんだ! 彼なら悪魔のダンジョン攻略も夢じゃない! 彼に動いてもらえるなら多少のリスクは覚悟の上だ」


 正直、楽太郎を脅したりしない限りは交渉する程度で猿田彦達は動く気はないのだが、猿田彦達の脅しが悪い意味で効き過ぎてしまっているようだ。


「ウェイガン。貴方本気で言っているの?」


「愛する者を持たない君達にはわからないだろうが、私は本気だ! キュルケの為なら死んでも本望だ!」


「話にならないわ! こうなれば貴方じゃなくキュルケと話を付けるべきね」


 そうしてサスティナがキュルケを呼ぼうと声を出そうとするとウェイガンが吼える。


「それはさせない!」


 そう言うとウェイガンは懐から札を2枚サスティナ達に投げつける。


「お帰り願おう。『転移(ムービング)』」


 ウェイガンの声に反応し札が光を帯びる。


「おっと、そうはさせないよ!」


 そう言ってナシスがいつの間にか手に持った剣で札を斬り裂く。


「ウェイガン? これは宣戦布告と捉えても?」


「・・・致し方なし。と言う事だ」


 ウェイガンの言葉を聞くと、ナシスが嬉しそうな顔で武器を構える。


「そう来なくっちゃな! さぁ、ウェイガン! お仕置きの時間だぜ?」


 そう言ってナシスはウェイガンに肉薄するが、ウェイガンは後ろに跳ぶと置き土産のように騎兵のミニチュアを8体ナシスに向かって放り投げる。


「我が敵を討て!『騎士団(オルデン)』」


 ウェイガンの言葉に反応し、ミニチュアが一瞬で巨大化し、ナシスの倍はあるだろうサイズの騎兵となってウェイガンとナシスの間に割って入る。


「そんな木偶人形なんかじゃ俺は止めらんないぜ!」


 そう言ってウェイガンを追い詰めようと騎兵を薙ぎ払おうとするが、騎兵達は素早く躱す。そして一糸乱れぬ連携によりウェイガンを追うナシスを囲み、動きを封じるようにナシスへ殺到する。


「・・・意外に鬱陶しいな」


 ナシスはそう零すとウェイガンから騎兵全体に狙いを変える。

 もちろんウェイガンの動きも把握できるよう視界に入れて牽制する事も忘れない。


「ふぅ、何とか時間は稼げそうかな?」


 そう言うと次の手を打つ為にウェイガンが準備動作に入るが、更に邪魔が入る。


「私の事を忘れているのかしら? 呪縛(スペルバインド)


 ナシスが足止めされている間にサスティナもウェイガンを捕らえようと魔法を放つ。


 サスティナの力で形作られた光る投網はウェイガンを捕らえたように見えた瞬間。咄嗟に札を取り出したウェイガンが『転移』を唱え(から)くも逃げられる。


「危ない危ない。君はこれとでも遊んでいたまえ!」


 そう言うと袖から短剣を取り出しサスティナに向かって投げつける。


「我が敵を穿て!短剣(ダンシングブレード)


 ウェイガンの言葉に反応し、投げられたダガーは5つに分裂し、それぞれが意思を持っているかのようにサスティナを追い掛ける。

 追い掛けられるサスティナは必死に躱したり結界などで弾いたりと、逃げるのに必死だ。


「ちょ、ちょっとウェイガン! 次から次へとそんなにポンポンポンポン神器を使うなんて卑怯よ!」


 堪らずサスティナが抗議をするが、ウェイガンは取り合わない。


「私が作った神器を私が使って何が悪い? それに2対1なんだ。これ位のハンデはあって然るべきじゃないか?」


 そう答えたウェイガンにナシスが襲い掛かるが、すんでで躱される。


「チッ」


 舌打ちを1つするとそのままウェイガンに追撃を掛ける。

 戦の女神を名乗るだけあり、戦闘に特化したナシスはウェイガンを翻弄する。


「ちょ、ナシス!? 君、本気出し過ぎじゃないか? これじゃ私が殺されてしまうよ?!」


「殺す気で掛からなきゃ止めらんないだろ?」


「・・・確かに」


 そんな事を言い合いながらも3柱の神々は部屋としては広めだが、神が暴れるには少々手狭な室内を縦横無尽に動き回る。

 その結果、室内の調度品は次々と壊れ、元の面影は既に無い。


 そんな中、1柱の女神がその部屋に立ち入る。


「ちょっとウェイガン! 騒がしいわよ。これじゃ神託に集中できないじゃない!」


 そう言って扉を開けた女神キュルケはその場に一瞬固まると、怒りと共に叫ぶ。


「ちょっと貴方達! 暴れるなら外でおやりなさい!!」


「ちょ!、ちょっと待ッ?!」

「きゃぁ!」

「な!」


 そう言うとキュルケから衝撃波が放たれ、3柱は窓から外へと吹き飛ばされた。


「全く!どういう事よウェイガン!」


 キュルケに問い詰められるウェイガンは苦笑いを零し答える。


「いやぁ、どうも彼女達は私達が山並 楽太郎に接触する事が気に入らないらしくてね。攻撃を受けているんだ」


「ちょっ?!ウェイガン! 先に手を出したのは貴方じゃないの!」


「そうだったかな? だがまぁ、端的な説明としては大体あってるだろう?」


「確かに大体あっていますが、細かいニュアンスが違えば受け取る印象は違うでしょうが!」


 キュルケはそんなやり取りをしているウェイガンとサスティナを見比べ、ウェイガンに確認する。


「ウェイガン。良くわからないけど彼女達は私達の行動を邪魔しようと攻撃して来ているの?」


「その通りだ」


 そうして次にサスティナに質問する。


「サスティナ。ウェイガンの言っている事は合ってる?」


「大まかには合っているけど、細かなニュアンスが違うのよ!」


「大まかにとは言え、内容が合っているのなら私たちの意見と合わないと言う事よね?」


「ええ、まぁ・・・」


「それなら仕方ないわ。ウェイガン! 彼女達にお帰り願いましょう」


「な?!」

「待ってました!」


 驚くサスティナとは対照的に喜び勇んで戦いに身を投じるナシスに待ったの声が掛けられる。


「ナシス! 楽太郎さんが絡む決闘の請願が貴方に出てる! 急いで承認して!」


 珍しく慌てた様子でルシエントがナシスを呼び止める。


「今良いところだから後じゃダメか?」


「今すぐ! 条件が素晴らしい。上手く行けば例の家族計画問題が解決する」


「なんですって?!」


 話に割り込んだのはサスティナだが、ルシエントは説明するのももどかしく、ナシスを急かせる。


「とにかくナシス! 急いで! ここは私とサスティナが暫らく抑えるから」


 残念そうな顔をするナシスだが、今一番の気掛かりが解決するかもしれないと聞けば否やは無い。


「わかった。じゃぁ、暫らく頼む。ちゃんと俺が戦う余地を残しておいてくれよ?」


「言われなくても私達じゃ時間稼ぎ位しか出来ない」


 3柱の女神が突然別の話をするのでウェイガンとキュルケは置いてけぼりにされる。


「何の話ですか?」


 キュルケが純粋な質問をすると即座に答えが返って来た。


「「「こっちのです(だ)!」」」


「・・・」


 キュルケにしてみれば押し掛けてきて家の中で暴れ回った挙句、自分たちに関係ない話し合いで蚊帳の外にされて待たされる。そんなサスティナ達の仕打ちに徐々に怒りが湧き始める。


「とにかく、用が無いなら帰ってちょうだい!」


 そう言ってキュルケが3柱の女神に衝撃波を叩き付けると、それが再開の合図になり、又戦闘が再開された。







 因みに、ルシエントはルインが楽太郎を見る度に『天啓』で猜疑心を煽り、ルインに楽太郎への猜疑心を植え付ける事に成功していた。

 その結果、ルインから見た楽太郎の評価は『得体のしれない不審人物』へと変化していった。





少々ショックなことがあったのと、仕事が忙しくて更新遅れました。

すみません。



はぁ、仕事したくない。

明日から・・・もう今日か。

34時間以上仕事に時間を拘束される・・・

しかも半分以上がサビ残扱い・・・


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小説家になろう 勝手にランキング
ホラーが大丈夫な人はこちらの短編もよかったらどうぞ。
ナニかがいる。
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