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第55話 レベルアップ

 食事も食べ終わり、一息ついたところで今回の戦闘でどれだけレベルが上がったのかを確認してみよう。


 一応食事中に猿田彦様の声でレベルアップの宣言はあったんだけど、ほとんど聞き流していたのでステータス画面を見てみる事にした。





----------------------------------------

名前 :山並 楽太郎

性別 :男性

年齢 :16

種族 :人間(異世界人)

職業 :冒険者(ランクD)

称号 :聖人

レベル:43


ステータス

 HP : 1740/1740

 MP : 1010/1350

 STR : 1181

 VIT : 1126

 INT : 1874

 AGI : 1281

 DEX : 1401

 MND : 1281

 LUK : 881


特記事項

 猿田彦の加護

 建御雷の加護

 サスティナの加護

 ナシスの加護

 ルシエントの加護



----------------------------------------

取得スキル



[武術]熟練度 100

[神槍]熟練度 80

[神拳]熟練度 42

[気功術]熟練度 98

[超回復]熟練度 52

[錬金術]熟練度 100

[無限収納]熟練度100

[状態異常無効]熟練度100

[鑑定]熟練度100

[危機察知]熟練度100

[最適化]熟練度100

[気配察知]熟練度96

[回復魔法]熟練度100

[チャネリング]熟練度100

[風魔術]熟練度14

[隠密1]熟練度71

[追跡1]熟練度41

[地図2]熟練度37

[料理4]熟練度100

[炎魔技]熟練度71

[地魔技]熟練度60





 ふむ、大分化け物染みて来たようだな。


 これならジェラルド氏にも圧勝できそうだ・・・何気に『風魔技』が『風魔術』にスキルアップしてるのが嬉しい。


 俺がこれだけ上がったとなると、レジー君はどれ位レベルが上がったのかな?


「そう言えばレジー君。君はどれ位レベルが上がりました?」


「レベルですか? ちょっと待ってくださいね・・・って、なんだこれ?!」


 そう言って首に下げているギルドカードを手に取って確認するレジー君から驚きの声が上がる。


「どうしました?」


「俺のレベルがえらい事になってるんです!」


「えらい事って上がってるってことですよね?」


「そうなんですけど、半端なく上がってるんですよ!レベルが34になってるんです!」


 興奮した口調でそう捲し立てるレジー君。確かに凄く上がったね。 焚き火前の俺のレベルより上になってるし、レベルだけなら下手な中堅処の冒険者より上になったかもしれないな。

 だが、レベルの上り方からすると、俺の方がより多く経験値を取得できている・・・ってことは、洞窟内で死んだ奴等の分も経験値が入っていると見るべきかな?

 そうなると、やっぱり直接・間接問わず敵を倒す行動、今回は煙を送り続ける事がダメージソースとして見做されたと言う事か・・・そうなると今回みたいに魔物のいる洞窟前で焚き火させれば低レベルの人間でも簡単にパワーレべリングが可能って事か?

 そんな感じでどんどん思考がそれて行っていると、レジー君がこちらを窺っていた。

 おっと、いけないいけない返事をしないとね。


「よかったじゃないですか。おめでとうございます」


「ありがとうございます。って、いや、違うんですよ! いや、違わないんですけど・・・確かに嬉しいのは嬉しいんですけど・・・ 」


 何やら複雑な表情をするレジー君。どうしたんだろう?


「レベルが上がって何か不都合でもあるんですか?」


「この前の件で仲間とレベル差が開いていたのに、今回の件で更にぶっちぎりで差が開いちゃってるじゃないですか、仲間にどう説明すればと思って・・・」


「正直に話せば良いんじゃないですか?」


「・・・でも、倍以上レベル差がついてるんですよ? それに冒険者ギルドでも言われている事なんだけど、レベル差が激しいPTは上手く行かないって言われてるんだ。俺達には関係ない話だと思っていたのに・・・」


 ふむ、確かにレベル差があり過ぎると釣り合いが取れなくて困ったことになるかもしれないな。


 俺も昔とあるアクションRPGのゲームを友人の家で遊んだ事があったんだが、使用キャラ毎にレベル上げが必要で、連れはLv99の育ち切ったキャラ『関羽』。俺はLv1の『龐統』・・・ゲーム難易度は一番上。その上ゲームシステムがプレイヤーキャラのLvの平均値に敵の強さを合わせるという仕様。


 結果、俺はLv1『龐統』でLv50相当の修羅(雑魚兵士)を相手に一当てしては逃げると言う無様な戦い方しか出来ない上、敵副将(大将ではない)の1撃で即死させられる状態で戦い続けるという苦行を延々行った。


 俺は必死に戦い何とか勝利することが出来たが、Lv1『龐統』なのに「赤壁の戦い」をチョイスするあたり、友人は鬼だった・・・その次も『函谷関』だっけ?『虎牢関』だっけ? で『呂布』に延々と追い回される地獄も味わい。それを見ている友人は爆笑してた。 まぁ、その後俺が友人に何をしたかはご想像にお任せするとして・・・


 確かにレベル差があるときついかもしれんな、レジー君以外(・・)が。だが、そこはほら、友情パワーでレべリングって事でクリアしてもらいたい。


「確かにレベル差は出来てしまいましたが、それは一時的なものと考えれば良いんじゃないですか?」


「どういう事です?」


「今度はレジー君がクルーズ君達のレベル上げに協力してあげればいいんですよ」


「どういう事です?」


「つまり、君が適当に敵を弱らせて、止めをクルーズ君達に任せればいいんですよ、そうすれば彼らのレベルもすぐ上がります」


「あ! なるほど・・・って、そんなに上手く行くんですか?」


 不安そうに聞いてくるレジー君だが、何か勘違いしていないか?


「レジー君が戦闘のサポートに回る様に動けばいいだけでしょう? 義賊なら戦闘の本職じゃないんだからサポートに徹する事に違和感もなければ、その行動自体慣れたものでしょう?」


 そう諭すと何とかレジー君は納得したようだ。


 そんな話をしていると、オークの塒に向かって進む敵性反応が4つ現れた。 恐らくオークだろう。オークキングの加護が消えているか確認して、レジー君に任せてみるか。今のレジー君なら楽勝だろう。


「レジー君。右手の方から敵が来ます。恐らくオークが4匹でしょう。迎え撃つのでレジー君。一人で戦ってみてください」


「え?! 俺1人で?!」


「そうですよ。今のレベルなら油断しなければ勝てますから、ほらサッサと準備して行きますよ。インディはここで待機しててください」


 そう声を掛けるとインディはこちらに視線を寄越して頷く。 やっぱり俺の言葉を理解してるようだ。 そんな事を思いながら歩き始めると、後ろから慌てて追いかけて来るレジー君の足音が聞こえた。


「今回は正攻法でぶつかりますよ。1対4で頑張ってください」


「マジですか?! せめて最初の1匹くらい後背刺突(バックスタブ)で始末してもいいじゃないですか!」


「今回はレジー君がどれくらい強くなったか認識してもらうためでもあります。正直、今の君ならオーク4匹なんて楽勝ですよ」


 その後も不安そうに言うレジー君だったが、オークとの距離が50メートル位になると覚悟を決めたのか真剣な顔つきになり、左腕に巻いたスリングショットをセットし、腰のポーチから短矢を番えて戦闘態勢に入る。 それを見た俺は邪魔にならないよう『隠密』スキルで姿を消し、少し距離を取った。 もちろん何かあればすぐに対応できる距離は保っている。


 今回は正面からの戦闘なので、オークも距離が30メートルを切った辺りでこちらに気付いたようだが、相手がレジー君1人だと思い、4匹とも棍棒を持ってレジー君に突撃を掛けた。


 みるみる内に両者の距離が縮み、両者の間が20メートル程になった時、レジー君がスリングショットを打つ。


 ブシュッという空気が抜ける様な音と共に先頭のオークが崩れ落ちる様に倒れる。


 その間にも他の3匹のオークがレジー君に突撃をしているが、レジー君は左に移動しつつスリングショットに短矢を番えると、左端を走っているオークは咄嗟に目を庇った。その動作を見たレジー君は瞬時に狙いを膝に変更し、短矢を打ち込むと、今度はパァン!と乾いた音がしたと同時に撃たれたオークが倒れる。密集して突撃していたのが仇となり、後ろから突撃していたオークが急に倒れたオークに足を取られ盛大に転倒する。


 残ったオークはそのままレジー君に突撃を掛けるが、レジー君に軽く躱され、たたらを踏む。

 慌てて振り返った瞬間、既に小剣を抜いていたレジー君に首を一突きされ事切れる。


 残ったオーク達も立ち上がろうとした所を首を蹴り上げられ、ボキンと頭が在らぬ方向に向いて絶命。もう一匹もあっさり始末された。


 最初の1匹はどうやら短矢が脳まで届いていたようで、そのまま死んでいた。


 レジー君はオークが全員死んでいるのを確認すると、戸惑った様子で自分の手を見詰めていた。


 俺はその背中に声を掛ける。


「どうです? 楽勝だったでしょう?」


「・・・確かに俺、今、物凄く、良くわかる位、強くなったことを実感できました」


 レジー君はそう言ってオークが持っていた棍棒を持ち上げると、「軽い」と言って棍棒を振り回したりして自分の強さを実感し始めていた。


 俺はその姿を見ながら、少し厄介な現実を直視する羽目になっていた。


 レジー君の戦闘直前にオークに『鑑定』を使ってみたんだが、嫌な結果が出た。






----------------------------------------

名前 :-

性別 :雄

年齢 :4

種族 :オーク

称号 :-

レベル:10


ステータス

 HP : 330 (+30)

 MP : 27

 STR : 330 (+30)

 VIT : 200 (+30)

 INT : 20

 AGI : 90 (+30)

 DEX : 90 (+30)

 MND : 120

 LUK : 12


特記事項

 オークキングの加護

 ※ 効果 対象のHP,STR,VIT,AGI,DEXにオークキングのレベルに応じた補正が付く。






 オークキングの加護が付いたままになっていた。


 正直、あのままオークキングが死んでいてくれれば楽だったんだがな・・・ 生き残ってるって事は、あの洞窟には扉か何かで遮断されている部屋があるのか、もしくは魔法を使えるオークが居て何某かの魔法で防いでいたのかもしれない。


 何にしろどれだけの敵が残っているのか分からない状況で洞窟に入らなきゃいけなくなったようだ。


 俺はレジー君に「もう少しだけ続くんじゃよ」と言って洞窟前まで戻ると、入口付近のオークの死体を『無限収納』に仕舞い、焚き火の火を消し、洞窟に新鮮な空気を送り始めた。


 洞窟の中から凄い勢いで煙が吐き出され始め、俺とレジー君は煤に塗れるのであった・・・って、あっ! レジー君が逃げた! おのれ! 「送風」


 って事で、無駄に魔力を消費してレジー君を煤塗れにしてやった。




 因みにインディも洞窟前でオークと戦ったようで、口元から血が滴っていた。 俺は「無限収納」から布と水を取り出すとインディの口元を拭い、体に怪我がないか確認し、念のため「ヒール」を掛けると、インディは嬉しそうに俺を舐めてきた。 ・・・ここには生贄の羊(スケープゴート)のリンスさんもいないので、今回良い仕事をしてくれているインディのご褒美に好きなだけ舐めさせてやり、俺はインディの顎下と頭をモフリングした。 ・・・モフリングは癒されるんだが、俺の顔がえらい生臭くなってキツイ・・・女性なら尚更かもしれん。 『リンスさん。この前はスンマセンでした!』 とこの時ばかりは心の中で素直にリンスさんに謝罪した。




 その後は日が暮れるまで延々風を送り続け、洞窟の探索は明日へと持ち越し、夕食を食べる事にした。





レジー君のステータスですが、今回は本編で詳しく出さないので、ここに乗っけときます。気になる方はご覧ください。

※ レジー君のスキルに気になる点があるかもしれませんが、突っ込まないでください。

  大分後の話で補足するかもしれないので・・・


----------------------------------------

名前 :レジー

性別 :男性

年齢 :17

職業 :冒険者(ランクE)

称号 :-

レベル:34


ステータス

 HP : 622/622

 MP : 208/208

 STR : 418

 VIT : 418

 INT : 282

 AGI : 695

 DEX : 413

 MND : 345

 LUK : 75


特記事項



----------------------------------------

取得スキル



[剣術] 熟練度 41

[投擲2] 熟練度 26

[隠密2] 熟練度 39

[気配察知] 熟練度 27

[光魔技] 熟練度 11

[聞き耳2] 熟練度 33

[暗視1] 熟練度 86



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ホラーが大丈夫な人はこちらの短編もよかったらどうぞ。
ナニかがいる。
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