第47話 森の探索行 未知との遭遇?
一夜明け、太陽が昇り切った頃になっても彼女達はまだ眠っていた。
俺は若返った所為か、ステータスが上がった所為か、見張りの為に完徹したんだが、眠気は少ししか感じなかった。
昨日は休憩の後、食事にしたのだが、余程疲れていたのだろう。食事を食べながら3人共眠そうに船を漕いでいた。
これ以上先に進むのは危険だろうと判断し、そのまま野宿する事を彼女達に伝え、俺は見張りについた。
彼女達から見張りを交代すると言われたが、明日は長く歩くことを伝え、体力の回復に専念してもらう事にしたのだ。
それに俺なら『地図』スキルと『危険察知』スキルを併用すれば見張りはほぼ問題ないだろうしね。下手に素人に交替して不意打ちを喰らうかも知れないと思うと不安だしね。 ま、まぁ 俺も素人だけどね。
ってことで完徹したんだが、幸い夜に襲撃を受ける事は無かった。
っと、そろそろ起こすかな?
柔軟体操も終わったし、いい加減朝食も取りたい。そう思い、未だに眠っている3人の方に視線を移すと、無防備な寝姿が目に入ってきた。
1人目は、昨日お礼を言って来た娘だ。見た目は10代半ば位かな? まだ少し幼さが残る控えめな体型で、スレンダー・・・と言うか、無いちち・・と言った体型で、寝顔は表情が抜け落ちたかのように無表情だった。
2人目は、20歳位かな? 最初の娘よりも少し大人びた感じだ。出るところはしっかりと出ており、女性らしさを感じられる体型だが、少しやつれているように見える。寝顔も少し苦しそうに歪んでいたので、コッソリ回復魔法を掛けておいた。 精神的な苦痛なのかもしれないが、俺にはこれ位しか出来ないしな。
3人目だが、齢は20台後半・・・いや、30前半か? 位で、スラッとした長い手足をしており、長身でありながら、中々のスタイルの持ち主なのだろうが、2人目より更にやつれている感じで、大分痩せこけている。寝顔もなんだか疲れ切っているようだったので、この娘にもコッソリ回復魔法を掛けておいた。 30前半に見えなくもない女性に『娘』を使うなって? 女性はいつまででも『乙女』らしいよ。地球に居た頃に学んだ処世術の1つだ。 それに俺の元々の齢は35歳。俺より若いんだから『娘』で十分だよ。 って誰に言い訳してるんだろう・・・
なんて事を考えていると、起こす前に彼女達が起き始めた。
「おはようございます」
俺がそう挨拶すると、眠たげな表情のまま10代半ば位の彼女がビクリと一瞬震えるが、直ぐに気が付き、挨拶を返してきた。
驚かせてしまっただろうか? そんな事を考えつつ、「無限収納」から水の入った水瓶とフェイスタオルサイズの布を数枚用意して彼女達に渡す。
「寝起きですから、顔でも洗ってください」
そう言うと、何故か不思議そうな顔をされたが、なんでだろう?
まぁ、そんな感じで彼女達の朝の準備を待って朝食を出し始めつつ、今後の事を考える。
まずは彼女達の服装なんだが、3人共1つの共通した問題がある。 いや、2つか。
1つ目は、非常に言い難いんだが、ニオイだ。 有り体に言って臭い。 あんな環境に居た事を考えれば当然なんだが、濡らした布で拭くだけでは限度がある。 これについては確かゴブリン追跡中に湖があったはずなので、そこで水浴びでもして貰う事で改善できるだろう。
2つ目は、服だ。 このまま王都に戻ると、ほぼ全裸の女性3人と街中を歩く羽目になる。 それは不味い。 只でさえ俺の間違った噂が流れているらしいのに、そんな露出プレイをさせられた日には・・・
という事で、俺が持っている衣服を確認する。
俺が持っているのは自分用の丈夫な服のセットが4つ。鎧武者セット1つ、普段着(地球製)セット1つ。グルジア風の民族衣装・・・簡単に言うと、ナ〇シカ風のセットが1つ。あと靴が今履いているのと、普段着セットの1つ、それと鎧武者セットの1つだ。
この内、丈夫な服のセット1つは宿屋のリンスさんに洗濯をお願いしたままなので手元にない。もう1つは俺が今着ていて、残り2つは探索を始めてから俺が着替えたので使用済みだ。こちらも洗わないと使えない。と言うか、流石にこれは使って貰うにしても洗ってからじゃないとな。残りのグルジア風の民族衣装は使って貰えるが、鎧武者セットは俺しか使えないし、普段着セットは俺に残された唯一の地球製だ。誰にも渡さない!あと、靴に関しては・・・誰にも履かせられんな。
服については丈夫な服のセット2つを彼女達が水浴びしている間に俺が洗っておけばいいか。もう1人にはグルジア風民族衣装で何とかなる。
ただ、洗うって言っても水洗いだからニオイが残ってて「臭い!」なんて言われたらどうしよう。
残りのグルジア風の衣装については、ちょっと派手?って位で問題ないだろうけど・・・
まぁ、我慢して貰おう。 誰が着るかはわからないけどね。
と考えながら、同じ内容の朝食を4人分整え、コップに水を注ぐと、俺は今後の行程を考える。
『地図』を使い湖の位置を確認し、直線ルートを確認する。
ふむ、直進すれば3時間ほど先にあるのか。 ならそこに寄って水浴びして貰って、俺が洗濯するから・・・えーと、序でにそこでお昼にでもするか。 食べ終わったら後は王都に向けて歩くか。
そう考えつつ今度は湖と王都を直線で結ぶルートを確認する。ゴブリンの後をつけて結構あちこちフラフラしてたので、マッピング出来ていない道ばかりになるようだ。
うーん。元来た道を戻るのも時間かかりそうだしな・・・ここは時間短縮の為、直線ルートで帰るか。 直線で何事も無ければ・・・5日位か? ふむ、もうちょっと早く帰りたいな。いっそ走るか。そうすれば3日位で・・・って、この人達じゃ付いて来れないか・・・ そうなるとやっぱり5日位かかるのか、作戦期間は1週間だから今日で終わりなんだよな、一応「塒」っぽいのを1つ見付けたし、多少早く切り上げても良いだろう。後は帰還するだけだしな。・・・・うん? 1週間・・・って、ひょっとして戻ってくるまでで1週間だっけ?・・・探索終了が1週間だったのか、王都に戻るまでで1週間だったのか、思い出そうとするが、わからない。
どちらとも取れる言い方だった・・・ま、不味いかもしれん。
そんな感じで焦燥感に駆られたところで、申し訳なさそうに声を掛けられた。
「顔、洗い終わりました」
「あ、あぁ、わかりました。それじゃ朝食にしましょうか」
そう言って彼女達を振り返り、丁度いい口実がある事を思い出した。 この人達を助けたんだし、多少遅れても堂々と言い訳すればいいか。 そう思い直し、朝食を彼女達に勧め、自分も食べ始めた。
・・・のだが、俺は自分のパーソナルスペースを確保する為、少し距離を置いて朝食を置いておいたのだが、何故か10代半ば位の娘は朝食を俺の方に近付け、距離を詰めてから食事を始めた。・・・近いと、そのぉ、オッサン緊張するんですけど・・・ 恰好がほぼ半裸だし、それに何度も言って申し訳ないが、ニオイが・・・
そう思って、20歳位の娘を見ると、不安そうな表情でこちらを見ている。 他の2人も見てみると、やっぱり不安そうな顔でこちらを窺っているようだ。
ふむ、俺、何かしたか?
「すみません。私が何かしましたでしょうか?」
目の前に座っている20歳位の娘に声を掛けると、驚いたような顔をされたが、返事はしてくれた。
「ご、ごめんなさい。 あのぉ、助けて頂いて、 とても感謝しているんですが、 そのぉ、私達はこれからどうなるんですか? 奴隷として売られるんでしょうか?」
「ぶっ?!」
?! 奴隷として売る? って、どゆこと?! 俺は咀嚼していたものを吹き出してしまった。 あ、彼女の顔にモロに掛けちまった。
「す、すみません。 突然奴隷って・・・どういうことです?」
そう言って彼女に布を差し出し、顔を拭くよう促す。
俺はこの世界に来てから奴隷については考え無い様にしていた。いつかは手を出すだろうとは思っていたが、もっとお金を貯めてからだと思っていたからだ。それに、俺には彼女が何を言っているのかわからなかった。 本当に。
「どういう事と言うのは・・・どういう事です?」
「質問を質問で返すなあーっ!!」って反射的に言いそうになったが、何とか堪えた。だって、こっちの世界で言っても誰にも理解されないだろうしね。 でも、言いたい。 あぁ、落ちつくんだ・・・『素数』を数えて落ちつくんだ・・・ 2 3 5 7・・・
なんて数字をブツブツ数えていると、不審がられた。 ちょっと恥ずかしかったので、咳払いをして仕切り直し、質問をし直す。
「あー、すみません。えーと、私の質問ですが、どうして私が『あなた達を奴隷として売る』と考えたのですか?」
「それは・・・」
と言って教えてくれた内容だが、こういう事らしい。
賊や魔物に攫われた者は、貴族や王族、一部の官吏等の場合は、救った人物に国やその人物が所属する組織から謝礼が支払われるが、それ以外の者は冒険者ギルドで依頼が出されていたり、身内が謝礼を払わない限り、救った人物の所有物になるそうだ。 何でも盗賊等の賊の討伐を冒険者達に自主的に行って貰えるよう制定された法律らしい。元々攫われた時点で奴隷落ち以上の酷い目に会わされるわけだし、そこから救って貰った代償としての謝礼が払えないのであれば当然だろう。 と言う事らしい。
うーん。俺も聞いてて良くわからんが、救ったことに対する対価が必ず必要で、その対価を払えなければ奴隷落ちで払うと言う事らしい。
ただ、教会関係者が救った場合は、『神のお導き』って事で謝礼等は必要なく、奴隷に落ちる事もないらしい。
余談だが、冒険者達の中でも戦いの女神『ナシス』を崇める者は冒険者であっても『神のお導き』と言って謝礼を受け取らない人物が結構いるそうだ。・・・久しぶりにムカつく女神の名前を聞いた俺は、胃の辺りがムカムカする感覚に囚われた。
それでまぁ、彼女達からは俺は見た感じ教会関係者には見えず、冒険者であっても女神『ナシス』の信者にも見えなかったそうだ。 そして彼女達は謝礼を払う当てが無かったので、奴隷にされるのだろうと考えていたようだ。
まぁ、話を聞けばなんとか理解はできたが、さて、どうしよう。 正直奴隷が欲しくないとは言わないし言えないが、今は要らない。 奴隷はもっと資金を稼いで、腰を落ち着けて炭酸作りに専念できるようになってから手に入れたい。 今はまだ動き回らなきゃいけない時期だと考えている俺にとって戦う事も出来ない奴隷は不要だし、彼女達を売って金にするって・・・考えただけでも、なんか、胃が重くなるような感じがする。
多分、何も悪くない彼女達を奴隷に落としたり売ることを、俺は「間違っている」と、そう思っているからだろう。 これが俺の命を狙った馬鹿とかだったら何の躊躇いもなく奴隷にして売り飛ばすだろうけどね。まぁ、その前にサクッと殺すかもしれないけど・・・
ふむ、やっぱり今は要らないな。 自分の身動きが制限されるし、食い扶持も増えて面倒臭そうだ。
「安心してください。 私はあなた達を奴隷にする気はありません。寧ろ、今、奴隷は必要ないので王都に着いて冒険者ギルドで事情を説明し終わったら後は自由にしてください」
「?!ほ、本当に奴隷にならなくて済むんですか?」
「えぇ、それは保障しますよ。何なら私が信奉する神に誓ってもいいですよ。私があなた達を奴隷にすることはありません」
そう答えると、嬉しそうに彼女達は笑っていたが、俺が告げた行先について、10代半ばくらいの娘が聞き返す。
「これから向かうのは王都なんですか?」
「ええ、私はこれからサスティリアの王都に戻るんですよ。一応冒険者ギルドで依頼を受けているんで、依頼達成の報告をする為に戻るんです。一緒に王都まで行かれるのであれば多少はお助け出来る事もあるでしょうが、他に行きたい所があるなら、どうぞそちらに行かれても構いませんよ?」
そう言って彼女達に選択を迫る。 俺としてはここでお別れでも問題ない。
セコイかもしれないが、彼女達に選択肢を与える事で、「どう行動するかは彼女達が判断したのであって、その先に何があっても彼女達自身の自由意思を俺は尊重した」という言い訳が出来あがる。そうすることで、今後何かあっても俺が後悔する可能性を減らせるだろう。
それと共に彼女達に「俺が関わるのは王都まで」と公言する事で、あくまで他人であることを強調し、王都内で俺が干渉される可能性を減らす事も出来る。彼女達の人生を背負う気は毛頭ないんでね。
そう考えていると、彼女達3人はどうやら俺に付いて王都へ向かう事にしたようだ。
朝食を終えたら、早速湖に向かおう。
と言う事で湖に到着したんだが・・・ なんか、視線を感じる。
あの後、湖まで歩き、現在3人娘には体を洗うよう言ったので、3人共湖で体を洗っている。
俺はそこから少し離れたところで洗濯をし始めたんだが、何処からともなく、覗かれているようなちょっと不快な視線を感じた。
「地図」を確認したんだが、何も表示されていなかった。スキルで誰か、もしくは何かが隠れているのかもしれない。
俺は一旦「地図」スキルを解除し、「気配探知」に集中すると、湖の中央付近によくわからない気配を感じとった。
3人娘の方を見るが、そちらは湖に入って体を洗っている。 俺の目の保養にはとても良い・・・ って、覗きはいかんな。 現在俺が覗かれてる最中でもあるしね。
現状、覗かれている状況ではあるが、直接的な被害は無いので、彼女達が湖から上がった頃合を見て声を掛ける。
「すみません。湖から出たなら、湖から離れててもらえますか」
「魔物でも出たんですか?」
緊張した面持ちで聞いて来るので、あまり不安にさせないようにしよう。
「まぁ、ちょっと確かめたい事があるんですよ」
そう言って言葉を濁し、俺は適当な大きさの石を幾つか拾い集めた。
その後、改めて周りに敵が居ない事を確認する。
「そいじゃ、やってみますか。 『小型爆弾』」
そう言って拾ってきた小石に魔法を込め、視線の主が居る辺りに投げつける。
『きゃぁぁぁ?!』
轟音と共に水柱が上がり、女性の悲鳴のようなものが聞こえた。 どうやら場所は間違っていないようだが、やはり気配察知では人のような感じはしない。おそらく喋れる魔物の類だろう・・・悲鳴を上げるって事は攻撃が効いているのかもしれない。
そういう結論に至った俺は小型爆弾を連続詠唱し、次々と石を投げつける。
『や、やめてぇー! 覗いてたのは謝るから! 攻撃するのはやめてくださいぃぃぃ!』
俺は詠唱以外言葉を発する事なくひたすら攻撃し続ける。
湖の中央付近は度重なる攻撃により、爆音が唸り、水柱が連続して立ち昇り、湖面は今凄まじい津波のような波紋が四方に広がっている。
後ろに離れていた3人娘はその光景が信じられないのか、固まったように動く気配がしなかった。
『ちょ、ちょっとぉぉぉぉ?! やめてって言ってるでしょぉぉぉぉー!』
爆音に混じってそんな声が聞こえるが、俺はお構いなしに攻撃をし続けた。 何でかって? 得体のしれない気配が近付いて来ていたからだよ。声の反応からは攻撃が効いているのかいないのかよくわからないが、近付くスピードに変化はない。 うーむ、幽霊のような魔物なのかもしれない。 それなら普通の魔物と異なる気配なのもわかるような気がする。そう考えて俺は石を右手で投げつつ、左手で「無限収納」から塩をこっそり取り出した。
なんで塩かって? ほら、清めの塩って言うじゃないか。 本当に幽霊も居そうなこっちの世界なら本当に効果があるかもしれない。 ま、効かなかったら次は気功術で攻撃してみて、それも効かなかったら逃げよう。あと、彼女達だが、いつでも逃げれるよう逃げる準備だけでもしていて貰うか。
「すみません。みなさん。ひょっとすると手に余るかもしれないので、逃げる心積もりでいてください」
そう告げると、固まっていた彼女達はハッとした表情をした後、こちらの状況を真剣な顔で窺うようになった。
小型爆弾を暫らく投げ続けていたが、手元の石が尽きた。これでは攻撃できんな。 そう思っていると、何を勘違いしたのか、覗きの主から声が届いた。
『ようやく攻撃をやめてくださったんですね。ありがとうございます。少しお話を聞いていただきたいので、そちらに行きますね』
そんな言葉を聞いた直後、俺の目の前に半透明に透けた女性が現れた。 髪は手入れされていないようでボサボサ、服装も煤けており、表情も暗く、恨めしそうにこちらを見ている気がする。 地球で言うところの正しく幽霊と言った出で立ちだった。
幽霊?! そう思うが早いか、俺は恐怖に突き動かされるまま、反射的に左手で塩をその女性に投げ付け、右手に気を込めて腹部を殴り付ける。 塩は女性をすり抜けてしまったが、俺の拳は女性の腹部に深く突き刺さり、その女性は苦悶の表情を浮かべ、地面に蹲ってしまった。
・・・どうやら、気功術での攻撃は有効らしい。魔物かも知れないが、こんな幽霊を相手にはしたくない。 だって怖いんだよ! 見た目が! 俺のホラー耐性は結構低いんだよ。 こうなったらさっさと逃げよう。
「さぁ、今の内に逃げますよ!」
青い顔で俺がそう言うと、彼女達は駈け出す準備をする。 俺は走り出そうとして、足を蹲っている半透明の女性に捕まれてしまった。
「ま、待って・・・わた・・は・・・・めが・・み・・・逃・・ない・・・」
なんて言っているのかわからんが、涙を流しながら恨めし気な視線を向けつつブツブツ喋られると、本当に怖い。 どうせ「逃がさない」とか言ってるんだろう。 だが俺も呪い殺されたくはない。 いや、マジで呪うのは勘弁してください。 パニックになりつつも、俺は必死で女性の手を振り解こうするが、中々離してくれない。 俺は幽霊に罵声を浴びせながら反対の足に気を込め、全力で女性の手を蹴りつけると、ようやく手が離れた。 俺は足が自由になると、半透明の女性を振り返る事なく必死に逃げ出し、3人娘も俺が走り出すのを見ると、思い出したように俺の後を必死で追ってきた。
俺はそのまま結構な距離を走ったのだが、途中で3人娘の事を思い出し、「地図」で彼女達らしき反応を捉え、回収し、出来るだけ湖から離れるよう移動した。
俺はまさかこっちの世界で幽霊に遭遇するとは思いもしなかったので、意味不明のテンションのまま夜間行軍を続け、3人娘が倒れても彼女達を担いでそのまま王都へ向けて歩き続けた。
えー、奴隷落ちの件ですが、 話の都合上あまり詳しく本文では書いていません。
なので補足します。
国からすると盗賊などの討伐は、労力に対して割が合わない仕事と見做されています。
なので、国はこういった法律を作ることであちこち旅する人たち(冒険者等)にさせようという魂胆です。
旅する人たちにとっては、襲われる→撃退する序にアジトに行き殲滅→お宝がっぽり&囚われの人からも謝礼金もらってウッハウハ。 こんな感じ。
謝礼金は国に属する者の分は国が払いますが、それ以外についてはそれぞれが自分たちで払うようにすることで、国としても余分な経費が掛からないようすることで、国が得する感じです。というちょっとアレな感じの法律です。
謝礼金はあくまで謝礼なので最低金額は金貨5枚位でしょうかね、日本円で約50万円くらいの設定です。