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第23話 楽太郎 食堂(酒場)にて

勢いで書いた。


ちょっと引くかも・・・

 空きっ腹を抱えて食堂(酒場)に行くと、食堂のテーブルには既に出来上がった飲んだくれ共が溢れており、喧噪な雰囲気を作り出していた。


 俺はカウンターの方を見ると、ラディッツ氏は常連らしき人物と話し込んでいるところのようだ。


 手は空いてそうだから、飯でも頼むか。


 軽い気持ちで近付いて行くと、横から人にぶつかられそうになったので躱した。


 すると、ぶつかりかけた人物はその場で尻餅をつき、こっちを睨んできた。


 酔っ払いか、まぁ、無視だな。 気にせず歩こうとすると、足を引っ掛けようとしてきたので、踏みつけてやった。


「痛ってぇな! てめぇ! ケンカ売る気か!」


 全く、困った屑だ・・・


「あなたが足を引っ掛けようとしてきたので、意趣返ししただけでしょう。因縁でも付けるつもりなら、後悔させて差し上げますよ?」


 慇懃無礼におちょくってやる。


 一応相手のステータスでも見ておくか。 そう思い、「鑑定」を発動。





----------------------------------------

名前 :ジャン

年齢 :19

種族 :人間

職業 :冒険者(ランクE)

称号 :-

レベル:15


ステータス

 HP : 460

 MP : 23

 STR : 235

 VIT : 220

 INT : 110

 AGI : 235

 DEX : 190

 MND : 85

 LUK : 27


特記事項




 ・・・魔法は絶望的だな、ゴブリン以下って・・・ なんか、可哀想になってきた・・・


 恐らく前衛職、アタッカーか、タンクだろう。


 そう判定していると、起き上がったジャンが襲いかかってきた。


 酔っ払っているとは思えない速度で拳を振るって来るが、俺は適当に躱す。


 正直、技がザルで当たる気がしない。


 ステータス任せの力押し一辺倒だ。 こっちの世界の戦い方って、ステータス任せばっかだな。


 技で対抗するとか、武術の要素が殆んど見られない。


 俺はジャンの攻撃を躱しつつ、ラディッツ氏に一言詫びる。


「ラディッツさん。申し訳ありませんが、馬鹿がこの通り、突っ掛って来るんで、少しお騒がせします」


 そう詫びると、ラディッツさんは慣れているのか、


「おう、構わねぇが、店の備品壊したら弁償だぜ! お前ぇら場所空けろ!」


 と軽い調子で応え、周りの客たちも自分たちの椅子とテーブルをずらす。 なる、これ位日常茶飯事って事か。おし、備品壊さない様に軽く遊びますか。


 ラディッツ氏の了解も取れたので、反撃することにした。


 俺は殴り掛かって来るジャンの右拳を軽く掴むと、力の方向を少し下に向け、足を引っ掛ける。


 すると、ジャンは空中で見事に一回転した。 柔道で言うところの空気投げだ。


 投げられたジャンは何をされたのか分かっていないようで、呆然としている。


 先程からこちらを見ていた周りの客も、人が綺麗に一回転するのを見て驚いたようだ。


「どうしました? この程度で御仕舞いですか? なんとも軟ですねぇ」


 そう言ってニヤリと笑い挑発する。


 呆然としていたジャンもハッとなり、立とうとするが、俺が握ったジャンの右手を軽くひねると、無様にまた転がった。


「おやおや、立つ事もできないんですか? まるで首の座っていない赤ん坊みたいですね。ふはは」


 さらに挑発すると、顔を真っ赤にしてジャンは立とうとする。


「うるせぇ!てめぇ! 離しやがれ!」


 そう言って俺の右手を振り解こうと右手を振るが、それに合わせて俺が力の方向を逸らすと、ジャンは仰向けのまま右に左にクルクルと回った。


「おやおや、立つのが嫌で今度は駄々をこね始めましたか、まるで子供ですね」


 俺のその台詞に周りの客たちがドッと笑い始める。


「笑うんじゃねぇ!てめぇら! ぶっ殺すぞ!」


 ジャンはそう言って脅すが、俺に回されながらじゃ、脅し文句も締まらない。更なる笑いを誘うだけだ。


 俺も笑ってしまった。 ジャンの台詞の尽くがテンプレだよ。


 そう思っていると、左足が飛んできたので、ジャンの右手で絡みとってやる。


「足癖が悪いですねぇ、まぁ、これでお痛もできないでしょう」


 そう言って今度は足を絡みとったままひっくり返して、ジャンを俯せにして、背中に乗ってやる。


「い?! 痛えぇぇぇぇぇ! おい! どけ! サッサとドケェェェェェ!」


「どうしました? もう音を上げるんですか? 情けない」



 そう言って挑発すると、周りに笑いが広がるが、ジャンは痛くて返事が出来ない様だ。 全くもって根性がないなぁ。


 そう考えていると、後ろから殺気がした。


 俺はジャンの上から飛び降り、襲撃者の一撃を躱すと、新たに襲ってきた暴漢と対峙する。


「何するんです? いきなり剣で切り付けるとは危ないですよ」


 おどけてみるが、周りの空気が一変していた。


「おい! てめぇ、喧嘩に刃物はご法度だろうが!」


 そう言って怒鳴り散らしたのはこの店のマスターであるラディッツさんだ。


 その声に呼応するように、飲んだくれてた周りの人が襲撃者に剣呑な視線を向け始める。


「こんなところで、私達(・・)は舐められる訳にはいかないんだ」


 ハスキーな声でそう言う襲撃者は女だった。


あなた達(・・・・)、最初にちょっかいかけて来たのはこちらの方だと言う事は分かってますよね?」


「あぁ、だが、それでもこんな風に笑いものにされる謂れは無いはずだ」


 ふむ、こりゃ自己中ちゃんですねぇ、自分で喧嘩売った結果、無様にあしらわれたなら、何も文句言えんだろう。


「まだ喧嘩の最中だったんですけどね? 私は売られた喧嘩を買って、降りかかる火の粉を払っただけですよ? その行為が剣で斬り付けられるような事ですか?」


「ジャンを辱めただろう!」


 そう激昂するが、激昂されればされる程、頭の悪さに笑いが込み上げてくる。


「今後の事を考え、実力差をはっきりと思い知らせ。二度と私に喧嘩を売らない様に穏便に処置しようとしただけですが?」


 そう言ってニッコリ良い笑顔で笑ってやる。


「それなら喧嘩を買わなければ良かっただろう」


 おや、酷いこと言いますね。自分は舐められたくないのに、人には舐められとけってか。 ちょっとお仕置きが必要だな。 キッツイやつ。


「こう見えても私、実力がものを言う冒険者の端くれですから、先程あなたが言ったように舐められる訳にはいかないんですよ。つまり、あなたと同じ理屈ですね。その上で、彼が私より圧倒的に弱かっただけです」


「侮辱するなと言っている」


「事実ですよ。むしろ、私が手加減していた事に感謝するべきですよ。でなきゃ彼、最初ので死んでますよ?」


 厭らしくニヤリと嗤ってやった。 くぅー!俺って悪役似合うかな?


 そう思っていると、いきなり攻撃された。 もちろん躱したけどね。


「おや、あなたも私に喧嘩を売るんですか?」


 挑発的に言ってやると、激昂して叫んできた。


「決闘だ!」


 挑発しといてなんだが、チョロイな。 言ったらもっと怒りそうだけど。


「こんな酒場で決闘って、本気ですか?」


「本気だ!」


 そう言いつつ、斬り付けてくるが、簡単に躱せる。うーむ、やはり技がない。


 刃を立てること位しか出来ていないようだ。 剣も腕で振っている様だし、腰も入っていない。


 何より足運びがなっていない。 こんなんで良く戦えるな。


 やっぱり、この世界はステータス依存の戦いしかしていない様だ。


 確かにレベルが上がれば手軽に強くなるからな。


 地味に鍛えるより、そっちの方が手っ取り早いからそうなったんだろう。



 そうやって攻撃を躱しつつ、別の事を考えていたが、飽きてきた。


「すいませんが、決闘と言う事は、何か賭けるんですよね?」


「お互いの命だ!」


 ・・・短絡的だな。 全く。 もっと面白い事にしようよ。


「それは面倒なので却下します」


「拒否は認めん!」


 一方的に攻撃をされている所為か、周りの人たちは俺の心配をし始めている様だ。


「じゃぁ、そっちの条件はそれで、俺が勝った場合は・・・そうですねぇ・・・」


 何が良いか考えつつ躱していたが、どうやら漸く乱入する様だな。うし!


「お前等に、地獄を見せてやるよ!」


 襲撃者3人(・・)に俺はピンポイントで濃厚な殺気を込めた威圧をする。


 正面切って襲ってきていた女はビクリと動きを止めたので、その隙に後ろからコッソリ俺に襲いかかろうとしていた襲撃者の顎に拳を掠めさせ、脳震盪を起こさせ、撃沈する。


 もう一人は遠くで杖を持って魔法でも撃とうとしていたのだろう。 殺気を浴びて震えていたので、近くのテーブルにあった酒瓶をぶん投げて沈める。


 俺は襲撃者の女に向き直ると、厭らしく笑い、告げる。


「お前からすれば、1体1の決闘とは言ってないってことだろう?」


「・・・」


 黙り込む女襲撃者。



「人を辱めるとかなんとか偉そうに言っておきながら、決闘でこんな汚い真似したんです。今更『ごめんなさい』なんて、通用しませんよ?」


 殺気を軽くぶつけながら嗤ってやる。


 顔を歪め、恐怖を露わにするが、それでも剣で襲ってくる。 どうやら逃げられないことは分かっているらしい。


「うんうん、そうでなくちゃいかんよ。もっとみっともなく足掻いてくれないとね」


 そう言うと、俺は襲撃者の剣の横っ腹に拳を当ててへし折る。


 武器が折れたことに驚いている様だが、甘いな。


「戦闘中によそ見とはいい度胸ですね」


 そう言って右手を虎爪の形にして目を横薙ぎに軽く薙いでやる。


「キャッ!」


 おぉ、可愛らしい声だこと、まぁ、容赦はしないがね。


「ほら、今度は足元がお留守ですよ」


 そう言って足を薙ぎ払うと、そのまま転がる。


 全く、ホントに冒険者か? お粗末過ぎる・・・


 目潰しを喰らって目を押さえている様だ。


 ホントにお粗末だ。 無防備な腹を軽く殴ると、悶絶しだした。


「ラディッツさん。ロープとか、何か縛るもの無いですか?」


 俺はそうラディッツ氏に声を掛けると、呆然としていたラディッツ氏が動き出す。


「お、おう、持ってくるぜ」


 なんかおかしいな? そう思って周りを見回すと、他の人達も同じような状態だ。


 どうしたんだろう? そう思っていると、一人の客が「すげぇ、すげぇ強いぞ・・・滅茶苦茶強ぇぇ!」


 その声を皮切りに、歓声があちこちから聞こえてきた。 みんな楽しんでくれた様だね。 良かった良かった。


 っと、背後から襲おうとしてきたジャン君も軽く小突いて黙らせた。


「どうも。 声援ありがとうございます」


 笑顔でギャラリーに応えると、更に歓声が増した。


 なんか良い感じだね。


 そう思っていると、ラディッツ氏が戻って来た。


「おら、ロープ4本だ。そいつ等縛り上げるんだろ?」


「えぇ、ありがとうございます」


 そう言ってロープを受け取ると、女の服を剥ぎ取り、下着姿にしてやる。


「おいおい、店でそう言ったことは止めてくれねぇか?」


 ラディッツさんが止めに入るが、ギャラリーの野郎共は興奮し、「いいぞ、剥け剥け!」と煽ってくる。


「いえ、他に隠し武器とか持ってたら、私が殺されるかもしれないので、無防備になる下着姿にしただけですよ。流石に全部は脱がせませんよ。私一応紳士ですから」


 紳士は紳士だけど、変態紳士の方なんだよね。


 「下着までなら、まぁ、仕方ないか。喧嘩に刃物持ち出す愚か者だ、制裁は必要だしな」


 ラディッツさんも俺の返答に納得したようだ。


 うし! それじゃぁ、早速縛りますか。


 女の首に縄をかけ、抜けない様に幾つか瘤を作り、股下を通して後ろ側から持ち上げ、首にかけた縄に通す。


 その後はコブと瘤の間に縄を通し、蜘蛛の巣状に縛り上げていく。


 両手首もそれに合わせて後ろ手に縛り上げ、序でに両足首も縛って手首側に引っ張って縛り上げると、そのまま床に仰向けにして転がした。


 女の表情が悔しそうに歪んでいるが、まぁ気にしない。


 おんなじ要領で他の3人も縛り上げて並べてやった。 因みに残り2人の襲撃者の内、片方は女だった。


 男2:女2のリア充パーティですか、その上夜は毎晩パーティですか。 ・・・なんかどす黒い何かが心の中から目覚めそうだ・・・


 取り敢えず、襲撃者の持ち物は全部俺の「無限収納」に入れておいた。 もちろん下着以外の装備品や衣服も全部ね。 もちろん返すつもりはない。


 全てを終えると、俺は女の襲撃者に対しニッコリ笑いながら告げた。


「決闘を持ち出したのはそちらですし、全員この有り様なら、私の勝ちですよね? ねぇ、皆さん!」


 最後の一言はギャラリー達に向けてだが、俺の声に対し、全員が口々に「あんたの勝ちだ!」とか「間違いねぇ!」等の賛成の声を上げてくれた。


「と言う事で私の勝ちです」


 そうにっこり微笑んでやると、襲撃者達はビクッと震えた。


「大丈夫ですよ。今日の私は優しいですから。命なんて取りませんよ。 命だけはね(・・・・・)


 顔は笑顔のまま威圧を加える。


「・・・何をする気だ?」


 そう言って質問してきた襲撃者の女。 どうやらこいつがリーダーみたいだな。


「いえ、ナニをするってわけでもないんですがね? ちょっとお仕置きしようかと思いまして」


「・・・」


 表情が強張る襲撃者一同。


「大した事じゃありませんよ。あなた達には笑って貰うだけです」


 そう言うと、襲撃者たちはキョトンとした顔をする。


「笑う?」


 聞き直してきた。疑ってるようだね。


「えぇ、笑うんです」


「そんな事が仕置きだと? フッ バカなのかお前?」


 襲撃者の女に笑われたが、俺は笑顔を崩さず、そのまま告げる。


「私の故郷では、笑うってのは原初の拷問とも言われていましたよ」


 そう言ってニンマリと厭らしく笑って羽ペンを複数見せ付けてやった。


 ふははは、本当の地獄はこれからだ。












 その後、襲撃者たちの笑い声と、酒場の飲んだくれ達の笑い声が暫らく食堂に木霊していた。


 因みに女襲撃者は10分ほど脇や足の裏等を擽り続けたら、


「きゃはははは! ら、らめぇ、も、もうしんじゃうぅぅぅぅ。 お願いゆるしてぇぇぇぇぇ。ぎゃはぁぁぁぁぁぁ! ひゃ、ひゃぁぁぁぁ!!!! ホントに死んじゃうぅぅひゃひゃひゃぁぁぁぁ!!!!」


 等と笑い泣きで半狂乱になっていたが、そのまま続けてやった。


 他の襲撃者達については、俺一人じゃ無理なので、適当にギャラリーに協力を願って手伝って貰った。



 更にその後30分程続けたら、女襲撃者2人が失禁したので、俺はラディッツ氏にめっさ怒られた。


 悪いのは漏らした奴なのに・・・


 怒られた分も上乗せして続けてやったら、1時間程で涙や鼻水・涎を垂らしたまま笑顔で気絶した。


 まぁ、そのまま放置で良いだろう。









 遅くなってしまったが、その後、夜飯をラディッツ氏に注文した。






 美味しい夜飯を食べていると、リンスさんが寄って来て一言。


「ラクタローさんって、いろんな意味でエグイんですね」



 ・・・ どゆこと?!



どうでした?

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小説家になろう 勝手にランキング
ホラーが大丈夫な人はこちらの短編もよかったらどうぞ。
ナニかがいる。
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