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第21話 マークの肉屋にて

さて、脱線し始めてきました。

 冒険者ギルドを出て、マークさんの肉屋へ向かった。


 夕暮れ時で、途中ルッツさんの屋台にでもと思ったが、屋台はもうなくなっていた。


 オーク肉が盛況で完売したのだろう。


 少し残念に思いながらその場を後にする。














 マークさんの肉屋に着いた時、中から大声で笑う男達の声が聞こえた。


 なんか、入り難いな・・・

 そう思いつつ、入らない訳にはいかないので、意を決して入店すると、ルッツさんがいた。


「こんばんわ」


「らっしゃい!って、ラクタローじゃねぇか!」

 ルッツさんから挨拶された。おそらく接客の条件反射だろう。


「こんばんわルッツさん。マークさんいます?」


「おう!そこに居るぜ!」

 そう言って店のカウンターを親指で差す。


 そう言われてそちらを見ると、相変わらず血塗れの格好をしたマークさんがいた。

 包丁は持ってないが、どうやら笑っているようで、その姿を見ると快楽殺人者の様に見えてしまう。


 本能的に引いてしまうが、『大丈夫だ、大丈夫のはずだ。』 と心の中で言い聞かせ、落ち着いてから挨拶をする。


「こんばんわマークさん。 解体終わりました?」


「おう!終わってるぜ。それと魔石も取り出しといたぞ!」

 そう言ってご機嫌な笑顔で魔石を渡してくれた。


「しっかし、中々いい魔石だな。Dランクなんて中々お目に掛かれねぇぜ」

 そう言って魔石を眺めるマークさん。


「そうなんですか?」


「知らねぇのか? 魔石ってのは、ランクが上がるほど赤味が増すんだ。それに、Eランクまではほぼ真っ黒だ。用途は色々あるが、魔導具の動力になったり、魔術師の魔力補充手段てのが一般的だな」


 なんと、魔力の補充手段にも使えたのか。


「それによ、魔石の魔力を使っても、使い切らなきゃ、その内また魔力が補充されんだよ」


 なんと、永久電池みたいだな。


 しかし、使い切るとどうなるんだろう?

 マークさんに聞いてみる。


「魔石の魔力を使い切ると、魔石が砕けちまうんだ。そうなると使い道は何にもないんでな、そのまま捨てられるんだよ」


 なるほど、マークさん。肉屋の亭主なのに色々と物知りのようだ。


 そう言えば魔法ってどうやって覚えるんだろう?


 マークさんに聞くと、


「魔法系統は一種の才能だな。レベル1から使える奴もいるが、普通はレベル10くらいから初級が使えるようになる。覚えたいなら店裏の二軒右隣に魔法使いのババァが店開いてるから、時間あったら行ってみな」


 との事。 一応俺もレベルが・・・ 幾つになったっけ?


 そう思いステータスを見てみる。





----------------------------------------

名前 :山並 楽太郎

性別 :男性

年齢 :16

種族 :人間(異世界人)

職業 :冒険者(ランクG)

称号 :聖人

レベル:23


ステータス

 HP : 1000/1000

 MP : 800/800

 STR : 721

 VIT : 686

 INT : 1114

 AGI : 741

 DEX : 861

 MND : 741

 LUK : 499


特記事項

 猿田彦の加護

 建御雷の加護

 サスティナの加護

 ナシスの加護

 ルシエントの加護





 ・・・Lv23か、多分使えるだろう。 良い情報ありがとうございます。 そう思い、マークさんに礼を言うと、照れたように頭をかいて笑っている。 正直、その表情はちょっと怖い。



「突然話は変わりますが、お2人とも良い笑顔ですが、何か良い事でもあったんですか?」


「「おうよ! お前ぇのお蔭だぜ!」」


 2人揃ってハモらなくても・・・ オッサンのハモりなんてどこにも需要はないぞ。


 しかし、どういう事だ?

 思案顔をしていると、ルッツさんが口を開いた。


「俺はラクタローのお蔭で、オーク肉が手に入った。 そのお蔭で、今日はなんと! お昼過ぎには完売しちまったんだ! 今日のは宣伝にもなったから、明日はもっと売れそうだ! ありがとよ!」


 次いでマークさんが口を開く。


「俺は今日、常連のシェフが肉を見に来てな、オーク肉を解体中だと言ったら、即決で3匹分全部纏めて買い取って行ったぜ! お蔭でがっぽり稼げたぜ!」


 そう言うと、2人揃って笑い出した。


 商売繁盛で良い事尽くめだねぇ~。


 王都の外は魔物の乱痴気騒ぎですがね・・・困ったことに。


 俺はニヤリと笑い言った。


「それは良かった。 私もお肉が売れて懐が暖まりますよ」


 三人揃って暫らく笑いあった。


 その後、オークの代金と解体した肉と骨をマークさんから受け取り、序でに小麦粉と乳製品・野菜・調味料を売っている店と酒屋を教えて貰った。


「何作るんでぇ?」


 そう聞かれたが、「ちょっとした実験ですよ」と答え、マークさんの肉屋を後にした。


 店を出てすぐに魔法屋に行ってみたが、店に『close』の文字があった。


 どうやら既に閉店しているらしい。


 少し残念だったが、明日にでも行ってみようと思い、小麦粉と乳製品・野菜・調味料・酒を買い求めに他の店へと向かった。





















 その後、多少道に迷いはしたが、なんとか買い揃えることが出来た。

 胡椒は無かったが、大蒜が手に入ったのは僥倖だった。


 乳製品は意外と多く、バターとチーズが数種類。それとヨーグルトにクリームまであった。


 後は宿屋でちょいと実験だな。 あぁ、楽しみだ。



 そんなことを考えながら宿屋へと戻ることにした。



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ホラーが大丈夫な人はこちらの短編もよかったらどうぞ。
ナニかがいる。
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