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第17話 ギルドへの報告

又も短いです。 すいません。


遅くなりましたが、評価してくれた方、ありがとうございます。


やる気が出てきました。

 翌日、俺は冒険者ギルドの前で立ち往生していた。


 入りたいのは山々だが、自分のスキルを隠しつつ、オークキングのことをどう伝えるべきか、良い考えが浮かばないのだ。


 全く、どうしたものか・・・


 小一時間ほどギルド前で色々考えたが、取り敢えず、昨日の討伐内容を伝え、オークについてジェラルド氏に聞いてみるか。

 それから考えるのも良いだろう。


 問題の先送りの様な考えに至ってしまったが、仕方ない。深く考えると疲れるしね。


 そう結論付けると、俺はさっさとギルドの中に入った。


 受付までサクサク歩いていくと、丁度クレオ氏が居たので声を掛ける。

 クレオ氏は俺の顔を見て挨拶を交わし、そのまま支部長室まで連れて行ってくれた。



 って事で、ジェラルド氏の部屋の扉にクレオ氏が軽くノックすると、「どうぞ」と返事があり、中に入る。


「早速報告に来てくれたんだね。ラクタロー君。何か見付けたのかね?」

 ジェラルド氏が軽い口調で聞いてくる。


「見付けたというか、えーと、まぁ、昨日の調査報告しますね」


 俺はそう前置きしてから、昨日の出来事を伝える。

 大まかに言うと、以下の5つを状況を含め、説明した。


 1.昨日はカーチス防風林のみの調査を行ったこと。


 2.ゴブリンとオークが5対4で戦っていたこと。

  その時オークが勝ったこと。


 3.その後も調査を続け、ゴブリンは5匹小隊、オークは4匹小隊で行動していたこと。その際、どちらもある程度統制が取れている様に見えたこと。


 4.強化されたゴブリンと互角以上に戦うオーク達の強さも指摘した。


 5.最後に俺が昨日、ゴブリン45匹 オーク20匹を討伐したこと。(ゴブリンとオークの同士討ち含む)



 俺の口頭による調査報告を終えると、いつの間にかクレオ氏が俺の調査報告をメモしていた。

 議事録作成かな?


 俺の説明を聞いていたジェラルド氏の表情は、最初は朗らかだったが、途中から真剣な顔つきに代わっていた。


「うーむ、楽太郎君。その話が事実だとすると、かなり不味い状況だ」

 ジェラルド氏は顎に手をやり、思案顔だ。


「まさかオークにもキングが生まれたとか無いですよね?」

 俺はそれとなくキングの存在を仄めかす。


「その可能性はゼロじゃないな。いや。 寧ろそう考えた方が良いかもしれないな」

 うし!うまく誘導できた! 思わずガッツポーズ取りそうになったよ。

 結構ちょろいな。


「そう考えると、カーチス防風林にまでゴブリンとオークの抗争が広がっているのはかなり危険だ」

 ジェラルド氏には何か打つ手があるのかな?


「早急にゴブリンとオーク、其々のキングを討ち取らねばならん」

 ふむふむ、そいでどうなる?


「ラクタロー君。すまんが、ゴブリンとオークの本拠地がどこにあるか、調査してくれないか」

 結局俺かよ・・・他に人材いないのかね。


「俺は隠密行動には向かないんで無理ですよ。カーチス防風林を3時間ほど調査しただけで50匹以上いたんですよ?」


「だが、その全てを君は撃破しているじゃないか」

 ぐぅ・・・ 痛い所を突かれたな。


「それはインディと連携してギリギリ倒せたんですよ。5対2無いし4対2を延々奇襲で倒したんですよ。敵がそれ以上密集してる場所じゃ、奇襲は使えません。俺では真面(まとも)に戦えませんよ」

 なんとか俺も食い下がってみる。


「ふむ・・・。しかし、今は君以外に生きて帰って来れそうな奴が居らんのだよ」

 なんて脆弱なギルドだ。 登録4日目の新人が最強って・・・ 組織として終ってるんじゃないか?!


「私以外って、少なくなったとは言え、上級冒険者位いるでしょう? 一応、私は冒険者になって4日目の新人で、ランク Gなんですが?」


「上級冒険者は居るんだが、魔法職の後衛担当で、それこそ斥候なんてできないんだよ。他の面子は他の仕事で出払って居ないしね」

 上級冒険者って忙しいんだねぇ。だがしかし! まだジェラルド氏が居るじゃないか。


「それならギルマスが前衛でその魔法職と組めば問題ないじゃないですか」


「いや、本拠地攻めるんなら有りだが、今回はそれを突き止める調査だからね。私もアタッカーメインだから、斥候には向かないんだよ。それ以前に私は冒険者ギルドの運営の仕事があるんだ。1つの問題に縛られる訳にはいかんのだよ」


 はぁ、お互い平行線で話が進まない。 俺は斥候役なんて面倒なことはしたくない。今はまだ強くなる必要がある。

 敵と戦う序でに状況説明とかなら良かったんだが、レべリングの邪魔になりそうな依頼は受けたくない。

 はぁ、仕方ない。ここは1つ、具体的な案を出して話の流れを変えよう。上手くそっちに移行して貰えた言う事ないしね。


「なら中級冒険者の斥候役が出来そうなパーティを幾つか使えばいいじゃないですか。 1つを囮にして、態と見つかって追い掛け回されてる間に、他のパーティで探索。それで見付からなくても囮が逃げ切った後、追っかけてた奴らを追跡すれば本拠地に辿り着くでしょ?」


「それは良い案だが、2つ問題がある」


「なんです?」


「1つは囮になるパーティだが、中級だとほぼ間違いなく全滅するだろう。 もう1つは、斥候役が出来そうな中級冒険者はほぼ全員、昨日私が熨してしまったんだ。その所為で暫らく身動き取れない連中が多いんだよ」


 ・・・ 何やってんだこの馬鹿は!

 と思った瞬間。 ジェラルド氏の頭からスパン!と言う小気味良い音が響いた。


 どうやらクレオ氏がメモ帳の束でジェラルド氏の頭に突っ込みを入れたようだ。


「痛いじゃないかクレオ君」

 頭を押さえつつ、抗議の声を上げるジェラルド氏。


「ジェラルドさん。乗りでアホな事やったから、事態が悪化した。 責任はジェラルドさんが取るべき」


 至極正論を言われ、憮然とした顔をするジェラルド氏、いい気味だ。

 序でに乗っかってしまおう

「それじゃ、斥候役の冒険者達が回復するのを待って、その後に作戦実行。囮役をギルマスがやれば問題解決ですね」


 サラッと仕事を押し付け、俺は席を立つ。


「いや、ちょっと待っ『スパン!』」


 クレオ氏が今度はメモ帳を丸めたものでジェラルド氏の頭を叩いた(はたいた)

 うむ、今度クレオ氏にハリセンをプレゼントしたい。 彼女なら存分に使い熟してくれるだろう!


「ジェラルドさん。ラクタローさんの案が最善。ラクタローさんにはその間、カーチス防風林で間引き(・・・)をして貰えば暫らく持つはず」


 おぉ、サラッと俺にも仕事を振ってきやがった。

 ジェラルド氏より、クレオ氏の方がやり手っぽく見えるな。

 言葉足らずっぽいのに、なんか頭良さそうに見えてきた。

 ジェラルド氏も何か言おうとするが、クレオ氏に冷たい目で見られて諦めたようだ。


「それじゃ、仕事に行って来ますかね」

 そう言って部屋を出ようと歩き始める俺。


「よろしくお願いします」

 その背中にクレオ氏の声が届くと、俺は片手を振って部屋から出た。






さて、今日もレべリングと行きますか。


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ナニかがいる。
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