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第127話 ラクタローの夜

 俺はドリンクサーバーを取り出すと一緒に渡された取扱説明書(マニュアル)を斜め読みでサラッと読んで実際に試す事にした。


 まずは炭酸水を作る。


 重曹とクエン酸は既に出来ているのでコップを2つ用意して水を入れる。


 2つのコップそれぞれに重曹をクエン酸を入れて掻き混ぜる。


 水にそれぞれの粉が溶け合うと、少し大きめのジョッキにゆっくりと入れ、優しく掻き混ぜると、シュワシュワという泡が弾ける心地よい音が響く。


 あぁ、良い音♪


 おっと、聞き入ってちゃいけないね。

 俺は気を取り直すと銅板と特殊インクを取り出し、ジョッキを置くと錬金術を使って出来た炭酸水から塩を抜く。


「うし、純粋な炭酸水になった・・・筈だ」


 俺は確認の為、コップに炭酸水を少し移して飲む。


 シュワシュワッとしたのど越しに僅かな苦みが走る。


 うむ、炭酸水の味だ。


 俺はそれを持ってドリンクサーバーに向かう。


 俺は取扱説明書を取り出し、ドリンクサーバーへの登録方法を確認して実行に移す。


 因みにドリンクサーバーの形はファミレスとかにあるあのドリンクサーバーとそっくりだ。


 違う点はドリンクサーバーの上部に蓋があり、そこを開けると右端に魔石を設置するのであろう台があり、左側は漏斗を上から見たようなすり鉢状になっていて真ん中に穴が空いている。

 そして正面から見ると左上に3ケタのダイアル式の鍵の様なもので数字が並んでおり、回すと0~9の数字が確認できた。

 取扱説明書をもう一度見てみると登録できる種類が1000種類となっていた。

 指定した数より多くなっているが、これはありがたい変更だ。


 そしてその少し下に何も書かれていない横長のプレートがあり、その左横に『登録』と言うボタンがり、右横には『削除』というボタンがある。

 その更に下の部分に丸いボタンがあり、『▽』マークが付いており、その下にはコップを置くスペースが空いていた。


 取扱説明書には登録するには登録する液体を上部の漏斗から流し込み、登録する番号をダイアル式の鍵で指定し、細長いプレートに登録する液体の名前を記入して『登録』ボタンを押す事になっていた。

 一応、ダイアル式の鍵を回すとそこに登録されている液体が存在する場合はその名前が表示されるらしいので登録が被らないように出来るらしい。

 上書きする場合は表示された液体名を『削除』ボタンで消して新しく液体名を記入して『登録』ボタンを押すと出来るようだ。


 俺は取り敢えず炭酸水を登録する事にした。

 炭酸の原液を登録すれば新しい炭酸ジュースを作るときに面倒な手順が省けるからな。


 と言う事で上部の漏斗に炭酸水を流し込み、ダイアルを『000』に合わせ、細長いプレートに『炭酸水』と記入し『登録』ボタンを押すと、ドリンクサーバーの登録ボタンが光り、ドリンクサーバーから「登録しました」と言う声が出た。


「え?」


 俺は慌てて取扱説明書を見直すと、登録に成功すると音声で成否が流れる仕様になっていた。

 うーん。見逃してたか。


 そして魔石をセットしていないと登録ボタンを押した時に魔力を吸い取る仕様である事も書かれているのを見付ける。

 魔石をセットしていなかったけど、魔力吸われたのか?

 そう思い、ステータスを確認するがMP(魔力)は満タンだった。

 そうなるとジュースを出す時もかな?

 そう思い、取扱説明書をパラパラと捲ると魔石をセットしていない場合はやはり魔力が吸われる仕様になっていた。

 因みにボタンは押し続けないとジュースは出ない仕様となっていた。


「ふむ、登録時の魔力は大したこと無さそうだけど、ジュースを出す時はどうなんだろう?」


 そう思い、今度はコップをセットして自身のステータスを出して確認しながら『炭酸水』を出してみる。


 コップ一杯分を出してみたが、俺のステータスに変化は無かった。

 吸われている感覚もわからない。


 うーむ、まぁ、よくわからんが、魔石をセットしなくても問題はなさそうだ。


 さて、それじゃ次々と登録しないとな!


 と言う事で俺は嬉々として「塩サイダー」「レモンスカッシュ」「ジンジャーエール」を登録した。


 そして登録する前の「塩サイダー」「レモンスカッシュ」「ジンジャーエール」とドリンクサーバーから出てきたものを飲み比べるが違いは分からない。

 うむ、同じものが出てきてるんじゃないかな?

 俺は思わずニンマリとする。


「ふはははは、完璧じゃないか!

 これで俺は神になる!」


 と言って巫山戯ていたら下から宿の親父に怒られた。


「すんませんでしたー!」


 俺はそう言って宿の親父に謝るとドリンクサーバーについて色々と試してみた。


 結果から言うと、2つ判明した事がある。


 1つ目は液体は登録時の温度で出てくる。と言うものだ。


 なので炭酸水や他のジュースも氷で冷やした状態で登録し直した。


 2つ目は粘性の高い液体、『蜂蜜』でも登録可能だったので「メープルシロップ」も登録し、100℃近い温度の飽和状態の「砂糖水」と「塩水」「生姜汁」や酒類も登録しておいた。


 これで調味料が切れる事は無いだろう。


 さぁ、新たな炭酸ジュースを作ろう。


 美味しかったら登録だ!


 こうして俺は唐揚げ片手に炭酸ジュース作りに没頭した。




 え?いつ唐揚げ出したの?って、炭酸ジュースに合うからだけど?

 一応、フライドポテトも摘まんでるから野菜も取ってるしね?


 えぇ、健康には気を付けてます・・・よ?



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ホラーが大丈夫な人はこちらの短編もよかったらどうぞ。
ナニかがいる。
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