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第9話 楽太郎、再度 冒険者ギルドへ・・・

短いですが、よろしくお願いします。


 冒険者ギルドへ行き、中へ入る。

 昨日と同じ様な喧噪だが、入ってきた俺を見ると、何人かが怯えたような顔をして声を潜めた。


 昨日やっちまったからな。 まぁ、あれで絡んでくる馬鹿は減っただろう。そう前向きに捉えることにした。

 

 入口のロビーでインディに待つように言うと、尻尾を丸めて待てのポーズで座る。

 もちろん一言「まぁ、今日は居ないとは思うが、お前にチョッカイ出すような馬鹿がいたら、適当に相手してやれ、殺しても構わんぞ」

 そう言って顎を撫でてやった。

 本当は頭を撫でたいんだが、インディがデカくて届かんのよね、これ。


 俺の発言に周りの冒険者達は音を立てて俺とインディから離れた。

 まるで動物園の檻から逃げたライオンと対峙してしまったかのような対応だな。


 ハッタリとしてはありきたりな台詞だったが、十分効果があったようだ。


 そう思いつつ、今日は掲示板の方に向かう。 何か手頃な依頼は無いかな。っと。




 掲示板の前ではやはり冒険者たちが依頼書と睨めっこをしている。

 あるものはざっと見てそのうちの一枚を剥ぎ取り、カウンターへ向かい、あるものは何枚かの依頼書をじっくり見て考え込んでいる。

 また、あるものは仲間とどれを受けるか話合いをしている。


 掲示板は初級・中級・上級・最上級に分けられているようで、入口右手側がランクSSSからランクCの最上級と上級、左手側がランクDからランクIの中級と初級の依頼書がそれぞれに張り出されている。


 初級の依頼書には街中での依頼もあるみたいだ。

同じ初級の掲示板でも討伐系依頼・採取系依頼・護衛系依頼・雑用系依頼等のブロックで分けてあった。


 俺は今日は稼ごうと息巻いた手前、討伐系をざっと見ていく。

 依頼書には「緊急依頼 ○○村 ゴブリン討伐」や「討伐依頼 ○○街 コボルト」とあり、そこまで行かないといけないらしい。

 なんか面倒だな。 近場でないのかな。討伐関係の依頼って・・・ そう思ってじーっと依頼書を見ていくと、「常時討伐依頼 カーチス防風林、ゴブリン」と「常時討伐依頼 カーチス防風林、コボルト」と言うのがあった。


 お、良さそうじゃね?そう思い中級の討伐依頼も見てみると、「常時討伐依頼 カーチス防風林、オーク」とあった。

 常時討伐の依頼書の下にはそのモンスター1匹の討伐金額と共に「本依頼は常に行っている為、討伐部位○○をカウンターで提示してください。依頼書は剥がさないで下さい」とある。

 どうやらそのまま狩れば良いらしい。

 カーチス防風林の場所を聞く序でにカウンターで聞くか。そう考え、カウンターの方を見ると、昨日のエミリーさんがいたので、エミリーさんの列に並ぶ。


 昨日と同じく、30分程でカウンターに辿り着く。


「いらっしゃいませ。冒険者ギルドサスティリア支部へようこそ。私は窓口担当のエミリーと申します。って、ラクタローさんじゃないですか」


「よろしくお願いします。っと、名前覚えてくれてたんですね」


「昨日のはインパクトありましたから・・・ 本日はどういった御用ですか?」


「実は常時依頼の討伐系を受けようと思ったんですが、場所が分からなくて、カーチス防風林ってどのへんでしょうか?」


「あぁ、それでしたら王都の北側の街門を出て・・・の辺りです。ただ、昨今は魔物の出没がそれより手前でも頻繁になってきているので気を付けてくださいね」


「そうなんですか、ご忠告ありがとうございます」

 そう言ってお礼を言う。どうやら俺が逃げ込んだ林がカーチス防風林だったらしい。


「あ、あと、カーチス防風林はここ10年ほどで森と繋がってしまったのであまり奥に行くと危険ですよ。あなたの猟獣であるフォレストウルフも森の奥地に生息してますから」


「へぇ、インディと同じ種族がですか、そう言えば、フォレストウルフって強いんですか?」


「?! 知らないんですか? フォレストウルフは森の王者と呼ばれることもある種族で、成獣になるとランクAの冒険者がパーティで当たってギリギリ勝てるかってところですね。まぁ、フォレストウルフは基本5~6匹程度の家族単位で行動するのでランクAパーティでも勝てませんよ」


 そんなに強いのか・・・ 驚いたな。


「そんなに強かったんですね・・・ 知りませんでした」


「あなたの相棒はまだ幼獣ですからね、成獣になるにはまだ数年かかるんじゃないですかね」


「なるほど、それじゃ上手く育ててその後は楽させてもらいますよ」

 そう言って笑うと、エミリーさんも釣られて笑ってくれた。


「そう言えば、魔物の死体って、買い取りはやってますか?」


「常時依頼のですか?」


「はい」



「そうですねー、ゴブリンは素材に使い道がないのでやってませんね、コボルトは皮が丈夫なので鎧や日常品になるので買い取りはしてますよ。あと、オークはお肉が美味しいので肉の買取がありますね。ほとんどの方は素材を剥ぎ取ってきますけど、素人が剥ぎ取るより、死体のまま持ち帰った方が高額になることが多いですね」


 なるほど、つまりゴブリンは討伐部位のみ回収で、その他は死体ごとだな。剥ぎ取りとか俺には無理そうだしね。

 ついでに薬草系も集めるか。色々集めといても損はないだろうしな。


 そう考え、今日の行動方針を決める。


「ありがとうございました。それじゃ、行ってきますね」


「はい、いってらっしゃい。あ、くれぐれも無茶はしないでくださいね」


「わかってますよ。私も命は惜しいので無茶だけはしませんよ」


 そう言ってにこやかに笑って冒険者ギルドを後にした。

 因みにインディはロビーで無双していた。

 何人かの冒険者が血の海に沈んでいたが、それを見た俺が昨日以上の対応を取って周りがドン引きしていた。

 だって、昨日の今日で懲りない奴らが悪い。


 俺は怒られる前にさっさとギルドを後にしてカーチス防風林へと向かった。





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ホラーが大丈夫な人はこちらの短編もよかったらどうぞ。
ナニかがいる。
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