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第112話 悪魔のダンジョン攻略 2

 現在ダンジョン攻略中なのだが、何かおかしい。


 何がおかしいのかと言うと15階層を越えてから他の探索者達をチラホラ見掛けるのだが、俺の姿を見掛けると蜘蛛の子を散らすように逃げて行くのだ。

 魔物と戦闘中であった者達も魔物と俺から逃げるように走り去る。

 普通は暗黙のルールで魔物と先に戦っているパーティに優先権があるのでそのまま戦い続けるのが普通・・・のはずだ。


 横取りする気は全くないし、俺が殺気を放っていたわけでもない。


 なのに魔物よりも俺との接触を拒むように逃げて行くのだ。

 なんか俺、ヤバいのか?それとも(くさ)いとかか?

 さっき屁が出たからな・・・


 気になって自分の体臭をスンスンと嗅いでみるがわからない。

 と、そこに丁度気配察知に人の反応があったのでそちらに向かう。


「あのー、すいません。ちょっとお聞き「「「うわぁぁー!来るなぁー!」」」・・・」


 出会い頭に声を掛けたら悲鳴を上げて逃げられた。

 髭面のオッサン達にだ・・・


 ま・じ・で・か・・・


 こうなると本当に俺に何かあるのかと不安になってくる。

 あれか、あれを自分にまた掛けなければならないのか・・・汚物は消毒だ!フィルス・バーンズ・アップを。


 ま、まぁ、偶々だ。

 偶々逃げられただけだ。


 そう思い直し先に進みつつ他の人の気配を探って接触を図ろうとするが結果は髭面のオッサン達と同じだった。

 それを数回繰り返すが同じ結果に俺は絶望し、仕方なく自分に汚物は消毒だ!フィルス・バーンズ・アップを掛ける事にした。


「はぁ、本気で気が乗らないが仕方ない。汚物は消毒だ!フィルス・バーンズ・アップ


 俺が魔法を唱えると青白い光が俺に纏わり付き、俺を焼いて行く。

 思わず苦鳴が漏れるが歯を食いしばってなんとか耐えていると、思ったよりも早く苦しみから解放された。

 実感からすると30秒くらいだろうか。

 これならなんとかなるな。


 一応、覚悟があれば使える魔法と言う事にしておこう。


 そしてこれで俺の身体は清潔になったはずだ。

 そして俺は再び他の人との接触を試みる。


 結果は惨敗。

 なんだこのダンジョン。人の心も折りに来てるのか?

 悪魔のダンジョンとはよく言ったものだ。

 精神(メンタル)の弱い俺が攻略できるか心配になって来た。


 そんなちょっとしたことが起こりつつも先へと進む。


 そして20階層のボス部屋はコボルトと狼の集団だった。

 ここのコボルトは狼が二足歩行して武器を持っているイメージだ。

 地球では家に住む妖精らしいが、なんかのゲームのイメージで狼頭の人型と言うのが定番になったらしい。

 まぁ、こっちの世界でも狼頭だったのでコボルトはそれでいいのだろう。


 緊張感もへったくれもない感想を抱いたが、リーダー格だけレベル15で他は大体レベル10前後と言ったところなので負ける要素が無い。

 本来は上手く連携された連続攻撃が厄介なんだろうが、俺は飛び掛かって来る狼を適当に叩くだけで次々と粉々に吹き飛び、汚い花火があちこちに咲く。


 それを見た残りの狼は「クゥ~ン」とか細い泣き声で腹を見せて命乞いをし、コボルトは震えて土下座をする始末。

 それでも21階層へと続くだろう扉は開かれない。

 ボスモンスターが命乞いってありえねぇだろ?!


 このダンジョン。本気で俺の心を折りに来ているのか?


 戦慄が走る。

 やめろ、そんなつぶらな瞳でこっちを見るな!


 俺は21階層へと続く道を塞ぐ扉を開こうと試みるがビクともしなかった。


 ・・・やはり駄目か。


 それでも一応一通りは試そうと思い、「無限収納」から建御雷様から貰った十文字槍を取り出し扉を斬ると、あっさりと斬り裂けてしまった。


 ・・・なんだろう。このなんとも遣る瀬無い感じ。

 一気に力が抜けるが、これで問題は解決した。

 先に進めるんだ。


 俺は深く考える事をやめて狼とコボルトをその場に残し、下へと向かう階段を下りて先へと進む。

 因みにコボルト達は涙を流して見送っていたが、見なかった事にした。





 そして21階層の入り口だろう扉を開けると、青臭い空気と共にあちこちに生えた木々が目に入って来た。


 21階層はどうやら森林地帯のダンジョンになっているようだ。


 結構広いようなので[地図2]スキルを使うが地図は表示されなかった。

 ただ、自分の視界が通った辺りと自分が歩いてきた所はマッピングされているようで、その部分だけが表示されていた。


 まぁ、地図は出なくてもオートマッピングされるなら何もないより大分マシだろう。

 そう思い先へと進むことにした。


 因みにこの階層ではトレントと言う木の魔物が擬態しており、後ろから急に襲い掛かって来る。

 と言う事なんだろうけど、気配察知で知覚できるので逆に何気なく近付き「寸勁」で殴りつけると重低音を響かせて倒れていった。

 倒れたトレントを見てふと思う。


 これ、屋敷の建材に使えるんじゃないか?


 俺が殴っても折れるどころか割れもしなかったしな。

 強度的には問題ない気がするが、専門家でもないので取り敢えず持ち帰る事にしよう。

 思うが早いか俺はそのまま「無限収納」へと死体?を放り込む。


 神のダンジョンではやらないと誓ったが、ここは悪魔のダンジョンなんだし問題ないよね。

 それに余分なエネルギーが削られれば悪魔のダンジョンも立ち行かなくなるだろうから、ウェイガン達にとっても良い結果に繋がるはずだ。

 ついでに適当に生えてる大きな木も建材にしよう。


 そんな感じでトレントと木を切り倒し、禿山を作りながら攻略を続ける事にした。



 いやぁ~、収穫があると言うのはテンション上がるわ~。


 そう思った瞬間、粗末な服装の探索者を見付けるが案の定逃げられる。

 ・・・テンション下がるわ。


 そんな感じで先へと進む。










 そうして暫らくトレント狩りをしながら先へと進んでいると、28階層で悲鳴が聞こえた。



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ホラーが大丈夫な人はこちらの短編もよかったらどうぞ。
ナニかがいる。
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