吸血鬼の少女と狙われた少年
吸血鬼の少女と血を狙われた少年の話。
夜中にこっそりと忍び込み、すやすやと眠る少年の寝所へ向かう。
「良かったぁ、ぐっすり寝てるみたい」
小声ではあるが、少女の様な高い声が少年を見て思わず言葉をこぼした。
少年のベッド近くまで行くと、カーテンからこぼれる月明かりで少年の顔が照らし出された。
最も、少女は夜目が効く様で、そのような明かりがなくても少年の眠っている顔が見えていたようだ。
月明かりは、少女の姿も照らした。
露出度高めな黒いドレス。だが、動き安い様にスカートの丈は短く、少し甘めにレースが付いていた。
少女は、少年の首元を見ると、目を輝かせて、いただきます。と小声でいったあと、少年の首元に己の牙を立てた。
「んっはぁ、おいしっ」
少し唇からこぼれた血を舌で舐めとった後、少年の元を去ろうとした。
しかし、
「どこ行くの?吸血鬼さん?」
確かに寝ていると確認したはずの少年がしっかりと目を開けて、少女の腕を掴んでいる。
「あっあんたなんで!…ちゃんと睡眠薬入りのお菓子を渡したのに。」
「やっぱり仕込んでたか、あれは欲しがってた友人に渡した。」
「最低!がんばって作ったんだけど、よかったら食べてね?ってすごいかわいく言って渡したのに!」
「まぁ、確かに可愛かったよ。」
でもなにか企んでそうだったから、ついね。
「うっうるさい!!それは血を飲むためってふが!」
「しっ!静かに。真夜中なんだからご近所迷惑だよ?」
「もがもがもが!(分かったから手を離せ)」
少年が手を離すと、窓側まで一気に移動した。
「ふんだ!もう血はもらったから用はないもんね!じゃあね!」
そう言って、窓枠に足をかけて家から出ようとしている吸血鬼の少女に向かって、少年は呟く。
「またね。」
実はこの時、追跡用の魔術を少女にかけており、次の日には別の街に向かった少女を追いかけてきた少年の姿があった。
夜中に思いついた話なので、特に内容がないorz
この後、少女が追跡用の魔術に気づいて鬼ごっこが終わりになるのか、少年が少女を捕まえるのかはわからない←でも多分捕まるだろうな