もう1人の生徒会役員。
生徒会のみんなから『変人さん』扱いを受けている俺。なんとなくやっていけそうな気がした俺だったが、もう1人の生徒会役員が、ありえない人だった。
ツンツンな生徒会役員の彼女たちと、変人?な俺が送る青春系ツンツンラブコメディ!
「・・・・・・・・もう1人いるって、どういうことですか?」
俺は“情報室”のほうを見つめたまま、呆然と立ちすくしていた。藤ノ岡辻音様も、ロルア様も同じだ
「そんなに驚くことか?」
「驚きますよ!」
花野山副会長様はカッカと笑いながら、手元にあったコーヒーを飲み干した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・冗談じゃない。この4人だけでも大変なのに、もう1人いるなんて・・・・・・。
「とっても可愛くて、性格のいい子だったら?」
「最高ですね!――――って、人の心を読まないでください!!!!」
立っていた成宮輝和会長様が、そう言うと面白くなさそうにドカっとイスに腰を掛けた。
「ふっ、君の考えてることなんてだいたい分かる。」
「それは、以心伝心というこ―――――。」
「刺すぞ?」
シャーペンをこっちに向けながら、ものすごいドスのきいた声で言われた。
「とにかく、生徒会は6人での活動だ。なにか問題あるか?」
「・・・・・・・・・・・・あの?」
藤ノ岡辻音様が右手をあげながら、戸惑った表情を浮かべていた。
「どうした?藤ノ岡?」
「どうして情報室にいるんですか?」
「そいつは、情報係をやっているからだ。」
「いや・・・・・・・そういうことでなく、どうしてここにいないんですか?」
俺も思った。どうして生徒会役員なのに、会議に出席しないのか。
「ああ。それはだな・・・・・・・あいつは“極度の寒がり”なんだ。」
「はい?!」
思わず聞き返してしまった。
「・・・・・どういうことですか?」
藤ノ岡辻音様が困惑した表情で成宮輝和会長様にたずねた。
「だから、あいつは“極度の寒がり”で、夏にしか出てこないんだ。」
「・・・・・・・はぁ、でも退学になったりとかしないんですか?」
「それはない、むしろこちらから依頼しているのだ。」
「え?」
さっきまであきれていた藤ノ岡辻音様が、目を丸くして情報室のほうに目をやった。
「あいつは大人なみの知識を持っていてな、この歳で、外国の超有名な大学に受かったらしい。本当は留学するところだったのを、この学校が引き止めたってわけだ。わけの分からない政治家よりは、はるかにすごいだろう。」
「学校に頭がいいやつがいると、学校の評価もあがるしな。」
「そういうこと。まぁ条件として生徒会に入り学校に通ってもらうかわりに、好き勝手やっていいってなってるんだ。つまり、いるだけでいいってことだ。」
成宮輝和会長様も花野山副会長様も、あきれた表情でため息をついた。そしてどこか悲しそうな表情を浮かべた。
「まぁ本音をいえば、生徒会会議にも出て欲しいのだが・・・・・・・・・仕方ないんだ。出てくるといっても、夏だけだから僕もほとんど姿をみたことがない。」
「はぁ・・・・・・・・・。」
よく理解が出来なかった。
「まぁ、理解しろっていうほうが無理か。あんまり深く考えるな。関わらないほうがいい。」
そういって成宮輝和会長様は自分の席を立ち、俺の方に向かってきた。
「おい、早く出せ。」
成宮輝和会長様が俺に向かって手を差し出した。
「え?なにをですか?」
「決まっているだろう、帝先生から書類を預かっただろう。」
「あ!」
俺はかばんの中からうす茶色の封筒を取り出した。
成宮輝和会長様は俺から書類を奪うと、情報室の前に立った。そして、ドアを2,3回叩いた。
「書類を預かった。開けろ。」
会長がそういうと、ドアがほんの数センチだけ開いた。
もわっと生暖かい空気が顔に触れた。小さな隙間からは暗い部屋の中に、3つくらいの明かりがあった。もう1つ、少し緑のかかった、瞳が会長を見上げていた。そして、わずかに目の下のほうが動いた。
「了解した。」
薄く、小さなか弱い声が俺の耳に届いた。その声は、おとなしく、暗く、世界を一瞬で変えられそうな声だった。
一言だけでとてつもないほどの、圧迫感を感じた。
成宮輝和会長様が書類を渡すとドアがすっと閉まった。
「なんか・・・・・・・・すごい。」
藤ノ岡辻音様が驚きを隠せない表情で情報室を見つめていた。
「何ヶ月ぶりにみたかな・・・・・・・・・いつみてもすごいな・・・・・・・・・・。」
花野山会長様も久々に見たからだろうか、苦笑いをしていた。
成宮輝和会長様は俯き唇を噛みしめていた。・・・・・・・・・・・のは気のせいか?
ロルア様も情報室を見つめながら怖い表情をしていた。
しかし、一番驚いているのは『俺』だった。
超有名な大学を合格するほどすごいやつと、一緒に生徒会だって?
そいつは留学をやめて生徒会をやっているのに、俺はなんなんだ?ただ見た目が『頭が良さそう』だからだと?ふざけんな。そんなことがあってたまるか。
俺は自分の惨めさに苛立ちを覚えていた。
それは、俺だけではないだろう・・・・・・多分、成宮輝和会長様も、花野山副会長様も、藤ノ岡辻音さまも、ロルア様も、
自分の惨めさに苛立っているだろう。
この時の俺は、ただただ立ちすくことしか出来なかった。
その時、後ろのほうから誰かの
「私には・・・・・・・・・・・・・なにもない。」
という声が耳をよぎった ・・・・ような気がした。
閲覧ありがとうございました。
なぜか最後のへんがシリアスな雰囲気になってしまいましたwww
次話もみていただければ幸いですwwwww
お気に入りなどしてくれたかた、本当にありがとうございます!!!!!!!!
~次回予告~
誰かが、生徒会を・・・・・・・・・・・・・・・・やめる?