保健室の先生は恐ろしい。
幼馴染との最悪な再会。金髪の女の子に肘鉄をくらわされ、気絶してしまった俺。
また、生徒会長からじきじきに呼び出しをくらってしまった俺。いったいどうなる、俺の生徒会活動!?
青春系ツンツンラブコメディ!第6話!
「・・・・・・・・・んぁ?ここは・・・・どこだ?」
目には白い壁が、視界を埋めていた。右を向いてみると窓があり、窓の向こう側では野球ボールやサッカーボールなどが飛び交っている。左をみると白衣を着た、見るからにやさしそうな『女性』がいた。美人という言葉がとても似合いそうな人だ。
するとその女性は俺が見ているのに気づいたのか、にっこりと隙のない笑顔を作った。
「ふふっ、やっとお目覚めね。もう痛みは大丈夫かしら?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
俺は何の事か分からなかった。
「覚えてないの?あなた、庄星くんって言ったかしら・・・・・・・その子に抱えられてここに来たのよ?まぁ、気絶してたから覚えてないのも無理はないけどね。」
「―――――っ!」
記憶が頭をよぎった。そうか、俺はあの『金髪の女の子』に肘鉄をくらって気絶してしまったんだ。たしかに、まだ腹の辺がズキズキする。
「ふふっ、やっと思い出したのね。」
「・・・・はい。ところで今はいつですか?」
「放課後よ。」
「なっ・・・・・・・。」
放課後だと?生徒会は集まらないといけないのに。・・・・・・・・・・・・・・・いや、しかしあの生徒会長や『辻音』に会うのは。
「今なら、気絶して行けませんでしたーって言い訳できるしねっ。」
「せっ・・・・・・先生っ!エスパーですか!?」
「ふふっ」
保健室の先生はいたずらっぽく笑った。
「でもダメよ、もう大丈夫なら行きなさい。」
「・・・・・・・・はい。」
俺はしぶしぶ体をベットからだし上履きを履いた。
「あっ、先生。」
俺はドアの前で立ち止まった。
「なにー?」
「作り笑顔なんかより、普通の笑顔のほうがいいですよ。とても恐ろしいです。」
「ふふっ。ばれちゃったか、でも余計なお世話よ。」
俺は先生にそういい残すと保健室を後にした。
「・・・・・・・・・そういえば、あの先生の名前・・・・・・なんだっけ?」
まぁいいか、と思いながら階段を上る。保健室は1階なので生徒会室のある(最上階)3階まで上らなければいけない。2階についたところで後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。
「瑞斗っ!」
「庄星か。」
後ろを振り返ると俺の親友の庄星がいた。
「瑞斗っ、お前大丈夫か!?」
「ああ、なんとか。」
「無理すんなよ。俺、これから部活だからいくわ。じゃなっ」
庄星はそう言って階段を下っていった。服装からして庄星は野球部に入ったらしい。
「野球部か・・・・・・・・青春って感じだな。・・・・・・・・・・・俺も青春したかった。」
はぁ、と大きなため息をつく。早く生徒会室へ行こうと走り出した。
しかしその時、
『ピンポンパンポーン』
とてつもなく“嫌な予感”がするチャイムがなった。俺は足を止め近くにあったスピーカーを眺めた。
なぜか冷や汗が止まらなかった。
いや、まだ生徒会からの放送じゃない可能性はある!あると信じたい!
神様!おねがい―――――――
『生徒会からの呼び出しです。1年F組の 瑞斗くん。至急生徒会室まで――――。』
・・・・・・・・・・・・・・神は俺の味方ではなかった。はっきりとあの『小さい女の子=生徒会長』の声だった。
どうしよう、絶対行ったほうがいいけどあの『生徒会長』になんていえば・・・・・・・・・・・・・・。
はっ!まだ逃れられる方法がひとつだけある!
もう一度、保健室に行って体調が悪いって寝ていれば―――――
『保健室は仮病の人は受付ませーんっ♪以上!』
保健室の先生のとてもいたずらっぽい声が耳に入った。
やはり保健室の先生は恐ろしかった。
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