表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。

僕は君

作者: 小さな道
掲載日:2026/02/15

扉が開いた。


薄闇の中に、奇妙なシルエットが浮かび上がる。


少年は恐怖に震えながら、上ずった声で尋ねた。


「……誰だ?」


“それ”は、明るく楽しげな口調で答えた。


「僕は、僕だよ」


少年は眉をひそめる。


「僕? でも……僕って、誰?」


シルエットはゆっくりと歩み寄り、やがて少年はその顔をはっきりと認めた。


それは、自分自身の顔だった。


「僕は君で、君は僕さ」


その生き物は言った。


少年は混乱し、後ずさりする。


「もし君が僕なら……どうして僕は君じゃないんだ? 僕たちは感情を共有していないじゃないか。今、僕は怖い。でも君は、幸せそうだ」


目の前の“自分”が微笑んだ。


「それは、君が想像力で僕を作ったからさ。君は心を落ち着かせる方法を探していた。だから……僕が現れたんだ」


やがて、夜が訪れた。


クローンが尋ねる。


「両親はどこ?」


「いないよ」と少年は答えた。


「最初から?」


「たぶんね」


クローンは長い間、空を見上げていた。


「じゃあ、外へ行こう。誰もいないなら、この世界のすべては君のものだ」


二人の少年は外へ飛び出した。


通りを駆け抜け、笑い、叫び、通り過ぎるものすべてを破壊していく。


奪い、荒らし、殺した――誰にも見えず、誰にも止められないまま。


二人は、幸せそうだった。


しかし、次第にクローンの様子が変わっていった。


その笑顔が消える。


「怖いよ」と彼は言った。「帰ろう、お願いだ」


本物の少年は、高らかに笑っていた。


「怖い? 出会った時、幸せそうだったのは君の方じゃなかったか?」


「そうだけど……今は怖いんだ」


少年は彼を見据えた。


「なら、君はもう僕じゃない」


迷うことなく、彼は自分の分身を殺した。


そして、月明かりの下。


彼は野原を一人で駆け抜け、狂ったように笑い声を上げ続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ