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異世界に来たら最強の魔法使いになっちゃった!

この物語は主人公エリーが事故で亡くなったところから始まる。異世界にに召喚したエリーがそこであったクレスやカイル達とこの世界を支配しようと企む大魔王ジークに挑む。エリーの成長と友情と心の温かさを描いたお話です。

異世界に来たら最強の魔法使いになっちゃった!

   

   序章

  「私の人生これで終わり?」

  朝の静けさの中それは突然鳴り響く!

  ジリリリリー。

  エリー、目覚ましの音に気付き起き上がり   それを止める。

  「あと、ちょっと!」

  と言い再び眠ろうとする。

  枕に頭をつけた瞬間、友達との約束を思い   出し起きる。

  直ぐに目覚ましを見る。

  目覚ましは九時半を指していた。

  それを見て叫ぶエリー。

  「やばい、寝坊した。早くいかないとまた   咲におこられる。」

  エリー、急いで着替えながら咲に電話する。

  「あ、咲![#「!」は縦中横] ごめん寝坊した。ちょっとだ   け遅れる。」

  咲、それを聞いて

  「えー、またー。エリーこれで何回目もー   お昼エリーの奢りだからね。待ってるから   早く!」

  「わかった、直ぐ行く!」

  着替え終わったエリー、貴重品をバッグに   入れ家を出て鍵をかけ待ち合わせの場所へ   向かう。

  私の名前は高坂エリー十六才、私立日立中高  校に通う一年生。

  駅の前で待つ咲、エリーが横断歩道まで来   たことに気づき手を振る。

  「エリー、こっちこっち!」

  そして、彼女が私の親友立花咲。

  それに気づいたエリー、手を振って答える。

  「ごめん、咲。」

  エリー、信号が青に変わり横断歩道を渡る。

  その横から信号が赤になっているにもかか   わらず突っ込んでくる一台のトラック。

  トラックの運転手は運転しながら携帯を見   ているせいか信号が赤に変わっているのに   気づいていなかった。

  咲、それに気づきエリーに伝える。

  「エリー、トラックが突っ込んでくるよ。   早く、早く。」

  エリーもそれに気づき横断歩道を渡ろうと   するが、トラックのスピードが意外にも早   く渡ろうとするエリーの寸前まで迫ってい   ーた。

  咲がエリーに向かって叫ぶ!

  「危ない、エリー!」

  トラックの運転手もエリーに気づいて慌て   てブレーキを踏むが間に合わず、そのまま   突き飛ばしてしまう。

  「エリー!」

  エリーの周りにトラックの運転手や通行人   の人だかりができる。

  咲は必死にエリーに話しかけるが、頭から   は血が流れ意識も薄れ瀕死の状態だった。

  エリー、薄れゆく意識の中で

  「私このまま死んじゃうんだ。 何か短い   なー。」

  次の瞬間、エリーの意識が無くなり死んで   しまった。

   

   第一章

  「異世界召喚」

  しかし、意識の無い筈のエリーの頭の中に何  やら声が聞こえてきた。

  「あー、きたきた久しぶりのお客さん。」

  その声を聞いて目を開けてみると、不思議な  空間の中、色が水色でほぼ下着に近いような  服を着た女の子が宙に浮いてこちらを見てい  た。

  「あれ確か私死んだはずじゃ? てあれ何   ー?」

  エリー、それを見てじーっと見つめる。

  女の子、エリーの視線に気付き答える。

  「何よ?」

  「よくそんな格好できますね。」

  それを聞いて

  「悪かったわね、私だって好きでこんな格好  してるんじゃないわよ。」

  「へー!」

  軽く咳き込む。

  「ようこそ、死後の世界へ! 私は水先案内  人のレイラと言います。あなたにはこれから  二つの選択があります。まず一つ目はこのま  ま地獄へ行く、二つ目は何かに生まれ変わり  新たな人生を送ることです。」

  それを聞いて

  「ちょっと待って、話がいきなり過ぎない?  それに一つ目何、天国じゃなくて地獄って人  をおちょくってんの? それに何かに生まれ  変わりって何? 他の選択肢はないの?」

  「残念ながらありません。」

  エリー、レイラにチョップする。

  「何するのよ!」

  「ちょっとイラっとした。」

  レイラ、少し息を吐き

  「しょうがないでしょう、それしか選択肢が  ないんだから!」

  ブーイングをするエリー!

  「あー、もーわかったわよ。特別にもう一つ  選択肢をあげるわよ!」

  エリーの表情が変わる。

  「異世界に行って新しい人生を送るよ!」

  エリー、また表情を変え

  「何かありきたり!」

  レイラちょっとムッとしつつ

  「せっかくもう一つ選択肢を出してあげたの  に文句? これ以上文句多いいと地獄に送る  わよ!」

  「わかりました。異世界に転生お願いします。  」

  「分かればいいのよ、全く調子いいんだから、  !」

  「偉そうに!」

  「何か言った?」

  「いえ別に!」

  レイラ、詠唱呪文を唱えようとした時

  「あ、そうだ召喚されて何もないのは寂しい  からこの賢者の杖をあげるわ。特別に!」

  そう言っていかにも古そうな木の棒をエリー  に渡した。

  賢者の杖を手にしたエリーが

  「これが賢者の杖? ただの棒切れじゃん   !」

  レイラ、不機嫌な顔で

  「ほんと、文句の多い子ね! いらないんだ  ったら返してもらってもいいのよ!」

  エリー慌てて

  「ありがとうございます! 大切に使わせて  いただきます。」

  「それじゃいくわよ!」

  そう言うとレイラは呪文詠唱を始めた。

  「トールプエイジングヒィアー!」

  その瞬間、エリーの周りに魔法陣が現れた。

  そして魔法陣から天に向かって光が伸びると  エリーはその光に包まれ天に消えていった。

  エリー、光の中で

  「一体どんな世界に行くんだろ!」

  と、不安になりつつも少し胸を弾ませるエリ  ーだった。

  

   第二章

  「初めての戦闘」 

  エリーが光の空間の先へ行くと光が消え    とある街の前に立っていた。

  街を見てエリーが少し興奮した表情で

  「あ、ゲームで見たのと同じだ!」

  そう言いつつワクワクしながら街の中へ入   っていった。

  街へ入るといろんな店が並んでいた。

  「え〜と、武器屋に防具屋、それに道具屋に  宿屋それに装飾屋なんてのもある。」

  エリーが楽しそうに店を見ていると何やら周  りがざわつき始めた。

  エリーもそれに気付き見ると街の人や旅人や  ら冒険者がエリーを見て何か喋っていた。

  「何あの人どこの国の人? 何かダサい服着  てる!」

  街にいる人たちに言われ店の鏡に映る自分の  姿を見ると自分のいた世界で着てた同じ服を  着ていたことに気づいた。

  「あー、あの案内人服変えてないじゃん!   使えないなあー。」

  とある空間

  「ハ、ハ、ハクション! 誰か私の噂でもし  ているのかしら」

  異世界

  少し考えるエリー!

  「どうしよう? 防具とか買うにしてもお金  ないしあるのはこの賢者の杖だけ! う〜ん、  とにかくお金がなきゃ話にならない、街を出  てモンスターを倒してお金を稼ごう!ついで  にレベル上げも!」

  そう言ってエリーは街の外へ出て行った。

  街を出て少し歩くと森があったのでその中へ  入り歩いていると突然そばの草むらがガサガ  サと動いたと思うと一匹のアルミラージが出  てきた。

  「出てきたわね、相手したあげるかかってら  しゃい!」

  そう言って杖を構えるエリーだがここである  ことに気づいた。

  「この賢者の杖どうやって使うんだっけ?   あの案内人肝心な所抜けてるんだからほんと  使えない!」

  また、とある空間

  「ハックション、ハックション、ハックショ  ン。 また誰か私の噂してるのかしら? 私  ってそんな人気者? ハハハ!」

  異世界

  考えてるエリーにアルミラージが襲ってきた。

  「ちょっと待ってたんま、ストップストッ   プ!」

  エリーがそう言って通じるわけでもなくア   ルミラージはそのままエリーに向かいとっし  んしてくる。

  エリー、慌てながら

  「誰か助けてー!」

  叫びながら無我夢中で逃げ出して行った。

  同じく森の中

  「クレス隊長、最近この辺モンスターの数が  増えてきた感じがするんですが?」

  と、部下のランスが言うと

  「そうだな、何かが起こる前触れなのか」

  そう話してると一人の女の子が一匹のアル   ミラージから逃げているのが見えた。

  「あの服、見たことないなー、どこの国のも  のだ? クレス隊長どういたしましょう?」

  クレス少し考えて

  「助けないわけにはいかないだろよ! みん  な戦闘準備だ!」

  「は!」

  そう言うと武器を構えてアルミラージに向か  って行った。

  エリーこっちに来る兵士に気付き

  「助けて下さ〜い!」

  手を振りながら助けを求めていると大きな石  に躓き転ぶ。

  「痛いな! もう最悪。」

  そう言いながら振り向くとアルミラージがそ  こまで迫っていた。

  「あ、やばい!」

  クレス達も向かっているが間に合わない!

  エリーも間に合わないと思い死を覚悟すると  賢者の杖が光エリーを包む。

  そしてエリーの頭に呪文が浮かぶ。

  「ファイヤーボール!」

  エリーが呪文を唱えると賢者の杖から巨大な  火の玉が現れアルミラージに向かっていく。

  アルミラージも火の玉に気付き避けようとす  るが間に合わず一瞬の内に消え去った。

  「なんか私凄い?」

  エリー、アルミラージを倒した事に驚きつつ  もホッとする。

  それを見ていたクレス

  「みんな今の見たか! 炎系の中でも一番下  のファイヤーボールがあの威力!」

  周りの兵士も

  「なんだあの威力? 見たことない!」

  クレスは少し考えると兵士達に話した。

  「どうだろうみんな、私はあの少女を城に連  れて行き王に会わせようと思うのだが?」   それを聞き兵士達は驚いた表情で

  「本当ですかクレス隊長? あの何処のだれ  かもわからないやつを? ひょっとすると敵  国のスパイかもしれませんよ?」

  「もしかするとみんなの言うとうりかもしれ  ない、が私にはそうは見えないんだ。 もし  かするととんでもない人物かもしれない。   責任は私が取る、だからここは私を信じても  らえないだろうか?」

  クレスがそう言うと兵士達が

  「隊長がそこまで言うのなら私達もそれに従  います。」

  「みんな、ありがとう!」

  話終わるとクレスはエリーの元に向かった。

  ホッとしてるエリーにクレスが近づいた。

  「あの大丈夫かい?怪我は?」

  気遣い話クレスに

  「あ、大丈夫です。すいません。」

  ホッとするとクレスが話始めた。

  「私はセントヘレス城で騎士団長を務めるニ  ールクレスという。 名前を聞いてもよろし  いかな?」

  「私はエリー、高坂エリーと言います。」

  「エリー、これから私たちの城に行き王に会  ってもらいたいのだがどうだろうか?」

  突然のクレスの言葉に戸惑いながら考えるエ  リー。

  「どうしよう、お城に来てほしと言われても  ? でもこのまま森の中に居るとまたモンス  ターに襲われかれないし? だったらこのま  ま一諸に行った方が安全かも!」

  答えが出るとエリー、クレスに

  「わかりました、一諸に行きます。」

  「そうか、一諸に行ってもらえるか! それ  じゃすぐに出発しよう。 日もそろそろ落ち  る頃それまでにはこの森を抜けよう!」

  少し不安になりながらもエリーはクレス達と  共に行くのだった。

  

   第三章

  「セントヘレス城のライル王」

  クレス達が森を抜けるとあたりは日が傾いて  いた。

  そこから少し歩くと後ろに大きな城が聳え立  つ街の前にたどり着いた。

  「エリー、ここがセントヘレスの街で後ろに  聳え立つのが私たちの城セントヘレス城だ   !」

  「凄い、リッぱな城!」

  エリーはお城の余りの凄さに驚きつつも感動  していた。

  「さあ、王が待っているお城へ!」

  エリーはクレス達に連れられお城へ入って行  った。

  お城へ入ると長い廊下が続いていてその横に  はいくつもの部屋があり廊下の先には大きな  扉があった。

  扉の前に来るとクレスがエリーに

  「エリーは少しここで待っていてくれ。先に  王に話してくる。」

  と、言って兵士達と中に入っていった。

  五分後、中からクレスが出てきた。

  「エリー、さあ中へ! 王がお待ちかねだ   。」

  エリーはクレスと中に入り王のところまで行  った。

  「あのお方が我が国の王、ライル王だ。」

  玉座には若く威厳のある王が座っていた。

  玉座に座っているライル王がエリーを見た瞬  間何かを思い出したような顔をしてエリーに  説いた。

  「其方はもしや異世界から来たもではないか  な?」

  王の問いにクレスや周りの兵が驚く。

  そしてクレスが王に問う!

  「王はご存じで?」

  「いや、そうではない。祖父から聞いた伝説  にこういうのがあったのだ 異世界から来し  物この世界の邪悪なる物を払わんと!」

  クレスは驚きながらも

  「それがエリーで?」

  「いやわからんが、その姿を見る限りそうで  はないかと思ったのだ。」

  そして、ライル王がエリーに説いた。

  「エリーよ、其方は異世界から来た物で間違  いはないな?」

  エリーもライル王の問いに驚きながら

  「は、はいそうです。」

  ライル王は納得した表情で

  「やはりそうであったか!」

  ライル王はしばらく考え込みそしてエリーに  話した。

  「エリーよ、今この世界は邪悪なる影が忍び  つつある。 どうかこの世界を救ってはくれ  ないだろうか?」

  エリー、ライル王の話に戸惑いながら

  「えー、私ですか? 王様、お言葉を返す様  ですが私は王様が思っているほど強くないし、  いても足手纏いで役には立たないと思います  よ!」

  ライル王エリーの問いに

  「しかし、其方は異世界から来た、我々にと  っては希望の光私その伝説を信じたいのだ   。」

  エリーは少しこはり果てながらも王の熱い説  得に心を動かされ

  「わかりました。 どこまで力になれるか分  かりませんけど私でよければ力になります   。」

  「そうか、やってくれるか! よろしく頼む。  」

  王が安堵の表情で頭を下げると部屋に一人の  老人が入ってきた。

  「王に是非とも話たいことが?」

  その老人の言葉に頭を上げ見る

  「おー、其方は賢者イガラム。 で、話たい  こととは?」

  そう呼ばれた賢者は王に近寄り水晶玉を出し  見せる。

  「王、この水晶玉に映る物をご覧ください   。」

  そこには禍々しいオーラを放っている巨大な  城が写っていた。

  王は驚きながら賢者イガラムに尋ねる。

  「ガラム、この水晶玉に映っている城はなん  だ?」

  「これは、昔この世界を支配していた大魔王  ジークの城です。」

  ガラムの言葉に周りの兵士達がざわつく。

  王は少し考えながら皆に話した。

  「皆の者沈まれ! 大魔王とておそるるにた  らんこちらには異世界からの救世主エリーが  いる。 エリーがいれば大魔王など取るに足  らん。 そうだろ皆の者!」

  王の言葉に周りの兵はかっきずく。

  「そうだそうだ! エリー様がいれば大魔王  などおそるるに足らん。」

  周りがかっきずいたのを見ると王はエリーに

  「エリー、改めてよろしく頼む。」

  王が深々と頭を下げると

  エリーは少し困りながらも

  「わかりました。 どこまでできるかわから  ないけどこの世界の為に一諸懸命頑張ります。  」

  エリーの言葉に周りが笑顔になると

  「ありがとうエリー、今日はもう遅い部屋を  用意させるからそこでゆっくり休んでくれ   。」

  王はそう言うとクレスにエリーを部屋へ案内  するよう指示した。

  「さあエリー!」

  そう言うとエリーはクレスと共に部屋を出て  いった。

  王の間から右に二階に上がる階段を上がり奥  にある部屋の前に着くとクレスが

  「さあエリー、この中へ」

  エリーがその部屋へ入るとそこには高級ホテ  ル並みの家具屋ベットやらがズラリ並んでい  た。

  エリー、この部屋の素晴らしさに感動しなが  ら

  「凄い素敵な部屋! この部屋を私が?」

  「ここはエリーの部屋だ、好きなように使っ  てくれ。 食事はそこに用意してある、服の  ことは分からないのでメイド達に頼んだ。あ  と必要なものがあったら遠慮なく言ってほし  い。」

  「ありがとうございます。」

  「今日はゆっくり休むといい、では明日!」

  そう言いつつクレスは部屋を後にした。

  エリーは食事をしてお風呂に入ったあとベッ  トに横になった。

  エリーは横になりながら

  「これからどうなるんだろう?」

  不安になりながら眠りにつくのもだった。

  

   第四章

  「魔法修行」

  窓から入る朝日にエリーの目が覚めた。

  エリーは体を起こし少し息を吐きながら

  「はあ、私本当に異世界に来たんだ。 これ  からどうなるのかな?」

  そう思いながら用意させた服に着替えている  と扉からノックの音がした。

  「エリー、私だクレスだ、起きているか?」

  その声にエリー

  「あ、おはようございます。今起きて着替え  てるところです。」

  「そうか、それはすまなかった。 着替え終  わったら私と来てほしい朝食の準備ができて  いる。」

  「わかりました。」

  エリーは素早く着替えを終わらせて扉を出た。

  扉を出るとクレスが待っていた。

  「では行こうか!」

  クレスに連れられ一階の大広間に行くと長い  テーブルが並んでいてその上には見たことの  ない豪華そうな料理が並んでいた。

  「エリーは王の横の席に座るといい。」

  エリーはクレスが指す方の席に向かい座った。

  クレスはエリーの真向かいの席に座った。

  王が全員が揃ったことを確認すると

  「それではいただくとしよう!」

  しばらく食事していると王がエリーに話しか  けてきた。

  「エリー、君にはこれから魔法の修行を受け  てもらいたいのだがどうだろうか?」

  エリー、少し驚きながら

  「魔法の修行ですか?」

  「エリーの魔法の力がすごいのはクレスから  聞いている。 なので大魔王より力をつけ強  くなる為に!」

  エリー、少し考えながら

  「王様、わかりました今より強くなれるよう  に頑張ります。」

  エリーの言葉を聞き王はクレスにある人物を  呼ぶように話した。

  王の言葉を聞きクレスは大広間を後にした。

  しばらくしてクレスは自分そっくりの人物を  エリーの前に連れてきた。

  「エリー紹介しよう、私の弟でこの国一の魔  法の使い手ニールカイルだ。」

  「初めまして、ニールカイルですよろしく   !」

  エリーはイケメンのカイルにドキドキしなが  ら

  「高、高坂エリーですよろしくお願いします。  」

  挨拶が終わるとカイルも席に着き食事をした。

  やがて食事が終わるとエリーはカイルに連れ  られ城の周りで東京ドーム五個分位の広さが  ある敷地に連れてこられた。

  「エリー、ここが兵士達の訓練場だ。」

  エリー、あまりの広さに驚く。

  「え、庭ではなく訓練場? 凄い広い。」

  「エリー、さっそくだが君の力を見せて欲し  い! あの的に向かい呪文を放ってくれ。」

  「はい、わかりました。」

  エリー、的に向かい杖を向ける。

  「ファイヤーボール!」

  エリーが呪文を唱えるとアルミラージを倒し  た時とは大きさの違う火の玉が出てきて的に  向かい飛んでいった。

  エリー、ファイヤーボールの大きさを見て

  「あれー、おかしいな? あの時は凄い大き  な火の玉が出たのに?」

  エリーはあまりの小ささに不満をもっていた。

  それを見たカイルは

  「エリー、もう一度呪文を放ってくれ。」

  「はい、わかりました。」

  そ言うとエリーは再び呪文を放つ体制をとっ  た。

  「ファイヤーボール!」

  エリーが放った呪文は先ほどと同様同じ大き  さの火の玉が飛んでいった。

  「あれ〜、まただおかしいな〜?」

  落ち込むエリーを見てカイルは少し考えてい  た。

  その時、地面に這って進んでいた蛇がエリー  の持っている賢者の杖に巻き付きながら登っ  てくる。

  エリー、蛇を見て表情が一遍する。

  「やだー、蛇嫌いあっちいって!」

  エリー、賢者の杖を振るが蛇は離れない。

  さらに杖を激しく振る。

  次第にに蛇は杖を振る行きをいで剥がれ最後  には飛ばされた。

  「蛇嫌だー、ファイヤーボール!」

  エリーが唱えたファイヤーボールは森でアル  ミラージを倒したのと同じ大きさの火の玉が  飛び出して蛇を一瞬で倒した。

  それを見ていたカイルは少し考えてエリーに  話した。

  「もしかするとエリーの魔法は感情によって  威力が変わるのかもしれない。」

  それを聞いて少し落ち込みながら

  「え〜、 それじゃ戦い以外はダメダメって  ことですか? そんな〜!」

  「まあまあ、これから修行でコントロール出  来るようになればいい。」

  二人が話してると城門の方から声が聞こえて  きた。

  「敵襲だー!」

  その声を聞いたエリーとカイルは城門の方へ  向かった。

  二人が城門へ到着して外を見ていると魔物の  軍勢が攻め込んでこようとしていた。

  カイルが魔物の軍勢に驚いているとエリーが

  「なんであんなに魔物が?」

  エリーは驚きを隠せず見ていた。

  

   第五章

   「四天王火のグレン」

  カイルは驚きながらもに城門の兵に王や城の  兵士指示した。

  そしてカイルはエリーに

  「エリーは城の中に避難して欲しい。」

  「いえ、私も戦います。」

  エリーの真剣な眼差しに

  「エリーの呪文は感情によって変わる。なの  で一諸に戦っても今の段階で力になるかどう  か分からない。」

  エリーが落ち込む。

  カイルが笑いながら

  「な〜に、城からの兵も来るし兄さんもいる、  あんな奴ら私達で十分だ。」

  エリー、カイルの温かい眼差しを見ながら

  「わかりました、私は部屋にいます。早く片  付けて修行の続きお願いします。」

  「ああ、わかった。」

  話終わるとカイルは城門の外へといった。

  エリーもまた自分の部屋に戻っていった。

  部屋に戻ったエリーは考えていた。

  「確かに今の私じゃ足で纏いになるのは目に  見えてるだけど!」

  エリーは何もできない自分の歯痒さに苛立ち  を覚えていた。

  その時城門の外の方から大きな爆発する音が  聞こえてきた。

  そして城の中にいる兵士が叫んでいた。

  「大変だー、クレスとカイル様が!」

  その言葉を聞いてエリーは、ハッとした。

  次の瞬間エリーは自分の部屋を飛び出し城の  外へ向けて走っていた。

  その頃城の外では魔物の攻撃を受け自軍の兵  士のほとんどが倒れクレスとカイルあと数人  の兵だけが立っていた。

  「ほう、俺様の攻撃を受けてまだ立っている  とは褒めてやる、だがもうほとんど虫の息の  ようだな!」

  なんとか立っている二人。

  「カイル大丈夫か?」

  「大丈夫です兄さん、これくらい大したこと  ないです。」

  少し笑顔を見せながら話す二人に

  「そろそろ止めを刺してやろう!」

  二人に対して攻撃の呪文を唱える。

  「ファイヤーボール!」

  巨大な火の玉が二人を襲う!

  「ここまでか!」

  二人が諦めかけた時である。

  「ファイヤーボール!」

  二人の後方から巨大な火の玉二人の間を通っ  ていき魔物が放ったファイヤーボールと相殺  した。

  自分の魔法が相殺されたのを見て

  「誰だ! こんなふざけたことをするのは   ?」

  魔物は魔法がきた方向に目をやるとそこには  エリーが立っていた。

  クレスとカイルもハッとした表情で

  「エリー! 何でここに来た?」

  「ごめんなさい、兵士達の言葉を聞いてじっ  としてられなくて!」

  「そうか、来てくれてありがとう。助かった。  」

  自分の魔法を相殺され怒る魔物はエリーを睨  む。

  「貴様か俺の魔法を相殺した奴は? よく見  ると単なる小娘ではないか、小娘がこんなと  こに出てきて俺様の邪魔をしをってタダで済  むと思うなよ!」

  エリーも怒りの表情で

  「あんたこそみんなに酷いことをしてただじ  ゃ置かないから、それに私のこと小娘ってバ  カにしてると痛い目に遭うわよ!」

  「ははは、小娘に小娘って言って何が悪い?  痛い目見ないうちに帰った方が身の為だぞ   !」

  エリー、更に表情を険しくして

  「ムッカー! あんたなんか私の魔法で倒し  ちゃうんだから!」

  「よかろう小娘相手をしてやろう! 我に刃  向かった事後悔させてやる。 我は大魔王ジ  ーク様の配下の四天王火のグレン!」

  「火のグレン!」

  エリーは攻撃体制に入る。

  「こっちから行くわよ、ファイヤーボール   !」

  エリーのファイヤーボールがグレンに向かっ  て飛んでいく。

  グレンもすぐに魔法唱える。

  「ファイヤーボール!」

  グレンのファイヤーボールがエリーの放った  ファイヤーボールと相殺した。

  「小娘にしてはやるな! ならこれならどう  だ。 ダークファイヤーボール!」

  黒炎がエリーに襲いかかる。

  エリーもファイヤーボールを放つがグレンの  放った魔法の方が威力が上で推し解されエリ  ーは自分が放った魔法と一諸にくらってしま  う。

  「うわー!」

  エリーは吹き飛ばされてしまいダメージを負  ってしまう。

  「エリー!」

  二人が心配する中必死に立ちあがろうとする

  エリー。

  それを見てグレンは

  「所詮は小娘、その程度だったか!」

  笑いながらエリーを見下す。

  必死に立つもエリーは無力の自分に嘆いてい  た。

  

   第六章

  「覚醒」

  自分に嘆いてるエリーにグレンは

  「小娘、そろそろ楽にしてやる。 これでト  ドメだ、ダークファイヤーボール!」

  大きな黒炎がエリーを襲う。

  エリーも必死に魔法で応戦する。

  「ファイヤーボール!」

  だが、すぐに押し返される。

  「さあ、くたばれ小娘!」

  勝利を確信するグレンにエリーは涙を流しな  がら

  「私の力ってこんなもんなの、誰も救えない  の? 私だってみんなを救いた〜い!」

  その時である、エリーの前に光り輝く一冊の  本が現れた。

  「何だ?」

  「何だ、あの本は!」

  本はそのまま吸い込まれるようにエリーの体  に入リ光り輝きを放ちきえた。

  周りは騒然としている。

  エリーも自身の変化に気づく。

  「凄い、体の中からどんどん力が湧いてくる。  これなら、はー!」

  エリーは、押されていた魔法を全部押し返し  た。

  グレンはエリーの力に驚きながら

  「あの瀕死に近い状態だったのに何だこの力  は?」

  クレス達も

  「何という力だ!」

  グレンの表情が変わった。

  「この力、あの本のものだというのか?え〜  い小娘如きがありえん、あり得んぞ!」

  グレン、エリーに向かい魔法を放つ。

  「くたばれ小娘、ダークファイヤーボール   !」

   エリーもすぐさま魔法を唱える。

  「ウオーターウオール!」

  グレンの魔法を防いだ。

  「馬鹿な、こんな馬鹿なことが!」

  動揺するグレンにエリーはすかさず反撃に出  る。

  「ウオーターアロー!」

  エリーの氷の矢がグレンを貫いた。

  「こ、こんな馬鹿な?」

  グレンの体は砕け散り灰となって消えていっ  た。

  「か、勝った。」

  エリーは力が抜けたのかその場に座り込んだ。

  クレスとカイルはエリーに近寄った。

  「大丈夫かエリー?」 

  「それにしてもあの凄い力を持ったグレンを  倒してしまうとは! 凄い力だエリー! そ  れにしてもあの本は何だったのだ?」 

  「私にもわかりません。 あの本は何なのか、  どうして私の体に入ったのか?」

  考え込む三人

  「とにかく一旦城に戻りましょう。 傷つい  た人たちの手当てもしなくちゃいけないし、  それに王様にも報告しなくちゃ!」

  「そうだな一旦城に戻るか!」

  エリーやクレス達は傷付いた兵士達を城の医  務室へと運んでいった。

  その後、王の間へと足を運んだ。

  「ライル王、エリーのおかげで魔物の束ねて  いた四天王火のグレンを倒すことができまし  た。」

  「そうかエリーが、城の者を代表して礼を言  う。」

  エリーがライル王の言葉に照れていると王の  間に一人の兵士が入ってきた。

  「ライル王ご無事でしたか!」

  周りの兵士はその兵士に威嚇する。

  それを見た兵士

  「これは失礼、私は東の国のガイアランドで  兵士長を務めるライムガラムと申す。 実は  我々の国に大魔王ジークの部下で四天王のグ  レンと名乗るものが攻めてきたのですが途中  で何かの言葉を聞いた途端我々の国を責める  のをやめセントルイスの方へ向かったのです。  それを我が王に話したところ兵を引き連れ援  護に行けと言う指示を受けましたのでこうし  て馳せ参じました。」

  ライル王が威嚇をやめさせる。

  「そうであったか! だがもう心配ない我が  国一の魔法の使い手エリーが見事に四天王の  グレンを倒したのでな!」

  ガラムがホットした表情でエリーを見た瞬間  少し驚きながら

  「え、この小、いや失礼この方がグレンを   ?」

  「そうだ!」

  エリーが驚きながらライル王に

  「国一の魔法使いだなんて言い過ぎですよ   !」

  「いや、私は本当のことを言ったのだ。」

  ライル王の言葉に周りは納得している。

  エリーは照れながら

  「私なんてまだまだです。」

  表情を変えた王は話し始めた。

  「さて、皆のものこれからなんだが敵がガイ  アランドに攻め入ったとなれば他の国ももし  かしたら? そこで調査団を作り他の国の調  べてもらいたい。」

  それを聞きクレスが

  「わかりましたライル王、では私が北の国ト  リスタン国を弟カイルは西の国ヨークランド  を見て参ります。」

  「行ってくれるか!」

  それを見ていたエリーも

  「ライル王、私にも手伝わせてください?」

   エリーがライル王に頼むとライムガラムが

  「いやエリー殿、ここはこのガラムに任せ   てはもらえないだろうか? ライル王ここは  是非このガラムにお任せください。」

  ライル王はガラムの熱意に負け

  「ではガラム殿、貴殿には南の国キールスラ  ンドをお願いしたい。」

  「わかりました、お任せください。」

  エリーも笑顔で

  「ではガラムさん、よろしくお願いします   。」

  ライル王はエリーに

  「エリーにはこの国の防衛をお願いしたい   。」

  「わかりましたライル王、任せてください   。」

  「それではみんなよろしく頼む。」

  「はー!」

  みんなはそれぞれの場所に向かっていった。

  

   第七章

   「暗躍の魔王軍」

  その頃浮遊城では大魔王ジークがグレンの死  を察知した。

  「グレンがやられた。」

  それを聞いた残りの四天王は

  「何と!」

  「敵の方にもそこそこやる奴がいるみたいだ  な!」

  「全く使えない奴め、ジーク様今度はこの水  のアクアレンにお任せください!」

  「アクアレンお前に任そう、グレンのように  しくじりは許さんぞ!」

  「ははーお任せを、では!」

  そう言うとその場から消え去った。

  その頃セントルイス城ではエリーが兵士相手  に訓練していた。

  「デニスさん行きますよ、ファイヤーボール  !」

  それに対してデニスもファイヤーボールで応  戦する。

  しかし、エリーの魔法力がデニスより強い為  相殺できずそのままくらい吹き飛ばされてし  まう。

  「うわー!」

  それを見たエリー慌ててデニスに近寄る。

  「大丈夫ですかデニスさん? 今回復魔法を  !」

  「ヒール!」

  デニスの傷が回復し意識を取り戻す。

  「さすがエリー様、凄い魔法です。」

  エリー照れながら

  「様はよしてくださいデニスさん、私なんて  まだまだですよ!」

  二人が会話していると偵察に行ってたクレス  が戻ってきた。

  「頑張っているなエリー!」

  「クレスさんお帰りなさい、トリスタンはど  うでした?」

  「トリスタンは今の所大丈夫だ、とりあえず  王には警戒するようにお願いしてきた。」

  「良かった。」

  エリーがホット胸を撫で下ろすとガラムも戻  ってきた。

  「ガラム殿ご苦労、でキールスランドの方は  ?」

  ガラムは一呼吸し

  「キールスランドは異常ありませんでした。  一応我が国のこともありますし王には警戒す  るようにお願いしてきました。」

  二人はホットしながら

  「良かった、あとはカイルさんだけですね!  」

  「まあ、カイルのことだから心配はいらない  だろう。とりあえず王には報告しよう。」

  デニスには訓練するようにいい三人は王の所  へ向かった。

  王の間へついた三人は王に現状を報告した。

  王の胸を撫で下ろしながら

  「そうか、トリスタンもキールスランドも無  事であったか!」

  「ヨークランドの方はまだわかりませんがカ  イルが行っているので心配ないかと。」

  「そうだな、無事を祈りながら待つとしよう。  」

  三人は無事を祈りながらカイルの帰還を待つ  のであった。

  その頃カイル率いる部隊はヨークランドに迫  っていた。

  「みんな、そろそろヨークランドだ! 一応  警戒は怠るなよ。」

  ヨークランドの城の前に降りたった。

  兵の一人が

  「ヨークランド大丈夫そうですねカイル隊長  !」

  そう言うとカイルは警戒した表情で

  「いや、静か過ぎる。 このまま警戒を怠る  な!」

  「はー!」

  カイル達は警戒しつつ城の中へ入っていった。

  城に入ると兵士がいなく静けさだけが漂って  いた。 

  そして王の間へ入るとヨークランドの王エデ  ン王と数名の兵士がいた。

  エデン王は入ってきたカイルに対し

  「お、これはこれはセントヘレスのカイル殿  ではないかようこそ我が城へ! で我が城へ  何用で?」

  カイルはエデン王の穏やかな表情を見てここ  に来た理由を話すのであった。

  「実は先日、我が城とガイアランドが大魔王  ジークの部下で四天王の一人火のグレンの襲  撃を受けました。 幸い皆の力で何とか火の  グレンを倒すことができました。 そこでも  しかしたら他の国も襲撃を受けてるかもと言  うことで王よりこのヨークランドの偵察とい  うことで命令を受けここに馳せ参じました   。」

  「そうであったか! いやいや遠くから遥々  我が国を心から礼を申す。 しかし、この通  り問題ないから大丈夫だぞ!。」

  エデン王の言葉にカイル達は力が抜けたのか

  警戒心を解いた。

  しかし、次の瞬間エデン王の表情が変わった。

  「しかし、いかんいかんぞ大魔王ジーク様は  この世界を支配されるお方はむかってはいか  ん!」

  そしてカイル達を囲む様にヨークランドの魔  法使いの集団が現れ包囲した。

  愕然とするカイルはエデン王に

  「エデン王、これは一体どういうことですか  ?」

  「それはこういうことだ。」

  エデン王の後ろから突如一体の魔物が姿を現  した。

  「貴様は何者だ?」

  「我は大魔王ジーク様の配下の四天王、水の  アクアレン。 今から貴様らは私の配下だ、  はー!」

  その直後アクアレンの目から黒い光線を出し  カイル達を包んでいく。

  「うわー!」

  カイル達の目が赤く変わっていった。

  「のうカイルよ、セントヘレスに攻めるとす  るか!」

  「は、アクアレン様!」

  アクアレンはカイル達とヨークランドの兵そ  して自分の部下達を引き連れセントヘレスに  向かうのであった。

  

   第八章

  「裏切りのカイル」

  エリーはカイルを心配しつつ自分の部屋で休  んでいた。

  「カイルさん大丈夫かなぁ? 考えてもしょ  うがない訓練してもっと強くならなくちゃ   !」

  エリーが自分の部屋を出て一階に降りると王  の間から出てきたクレスに出会う。

  「あ、クレスさん!」

  「やあエリー! これから訓練かい?」

  「はい、カイルさんの事気にはなりますが考  えてもしょうがないので!」

  「そうだな! まあカイルの事だ大丈夫だろ。  それよりエリー、訓練の相手だが私でどうだ  ろうか?」

  エリーは少し驚いた表情で

  「あ、はい! よろしくお願いします。」

  二人は訓練場の方へいった。

  訓練場についた二人はさっそくお互いに距離  をとり攻撃の体制になった。

  「行きますよクレスさん。」

  「さあこいエリー!」

  「ファイヤーボール!」

  ファイヤーボールがクレスに向かって飛んで  いくそれを見てクレスが呪文を唱えるとクレ  スの持っている剣にオーラが宿る。

  「オーラブレード!」

  次の瞬間、エリーのファイヤーボールをオー  ラブレードがまっぷたつにした。

  それを見たエリーは驚きながら

  「クレスさん凄い、ファイヤーボールをまっ  ぷたつにするなんて!」

  「少しは訓練の成果が出たかな?」

  「あ、クレスさん。私も新しい魔法を覚えた  んですよ。」

  「へー、どんな魔法かな? 見てみたいな   。」

  二人が笑いながら話していると城門の方から  声が聞こえてきた。

  「敵襲だ!」

  二人は急いで城門に向かった。

  城門についた二人は表を見てみると見たこ   とのある兵やある人物を見て愕然とした。

  「あれはヨークランドの兵と我が国の兵士そ  れにカイルまで?」

  エリーも驚いているとある事に気がついた。

  「クレスさんみんなの目を見てください。   赤くなっています。あれってまさか?」

  エリーに言われてクレスもみんなの目を見て  気づいた。

  「あの目は操られている。」

  「そんな! どうすれば?」

  落胆している二人に兵を引き連れたガラムが  やってきた。

  「クレス殿エリー殿待たせてすまぬ、で敵は  何処に?」

  そう言いながら外に目をやるとガラムも愕然  とした。

  「何としたことか!」

  落胆してたエリーがある方法を思いつく。

  「そうだ、クレスさんガラムさん私にいい考  えがあります。 操られている人達を一箇所  に集めてもらえませんか? そうすればあと  は私が何とかします。」

  「何か考えがある様だなエリー! わかった  エリーの言う通りにしよう。 よろしいなガ  ラム殿?」

  ガラムは納得して首を縦に振った。

  二人は部隊を二つに分け一箇所へ集まる様に  誘導した。

  エリーはは部隊が一箇所に集まったのを見て  魔法を唱える。

  「サンダーボルト!」

  その直後、一箇所に集められた部隊の上に落  雷が現れ稲妻が落ちた。

  そして雷を受けた部隊はみんな倒れていった。

  それを見たクレスは

  「エリー、これは一体?」

  「これは昨日覚えた雷の魔法です。 一応威  力は調節しているのでみんな意識を失ってい  るだけですよ。」

  クレスは驚きながら

  「凄いなエリー! いつの間に?」

  二人が話していると前方からファイヤーボー  ルが飛んできた。

  それに気付いたエリーは魔法で応戦する。

  「ウオーターウオール!」

  エリー達の前に水に壁ができファイヤーボー  ルを防いだ。

  「これを防いだか! なかなかやるな小娘   !」

  「カイル!」

  「カイルさん!」

  「気安く私を名を呼ぶな! 貴様らなど知ら  ん! 私はアクアレン様の配下カイルだ!」

  「アクアレン?」

  その直後、カイルの後ろから魔物を引き連れ  たアクアレンが出てくる。

  「ほう、少しは出来る奴がいるみたいだな   !」

  「は、アクアレン様。」

  アクアレンはエリーの姿を見ると笑いながら

  「ははは、何だ小娘まさかお前も戦うと言   うのか?  身の程知らずめ。」 

  エリーむっとした表情で 

  「あんたなんかあのグレンみたいに私が倒し  ちゃうんだから!」

  すると表情変えたアクアレンが

  「まさか、お前がグレンを倒したと言うのか  ? ははは、グレンも情けないやつよのう、  こんな小娘如きにやられるとは! まあ、四  天王の中でも最弱だから仕方ない。」

  エリーが攻撃の構えをしながら

  「さあ、かかってらっしゃい!」

  「小娘がこのアクアレン様と戦おうなど一〇  〇年早いは! カイル、この小娘の相手をし  てやれ!」

  「は、アクアレン様」

  「卑怯よあんたがかかってきなさいよ!」

  「黙れ小娘、このカイルに勝てたら相手をし  てやろう! まあ、勝てればだけどな、はは  は!」

  カイルがアクアレンの前に立つ。

  「さあ、かかってくるがいい!」

  エリーの表情は苦悶に満ちていた。。

  

   第九章

  「対決! エリー対カイル」

  エリーはカイルと戦うのに躊躇っていた。

  「一体どうすればいいの?」

  エリーはカイルに説得する。

  「カイルさん目を覚まして、あいつになんか  負けちゃダメです。」

  「うるさい黙れ! 私に気安く声をかけおっ  てこれでもくらうがいい、ファイヤーボール  !」

  カイルが放ったファイヤーボールがエリーを  襲う!

  「ウオーターウオール!」

  エリーはカイルの攻撃を防ぐがやはり攻撃す  るのに躊躇っていた。

  クレスやガラムも説得を試みる。

  「カイル目を覚ますんだ!」

  「カイル殿!」

  それを見てアクアレンは

  「うるさい奴らよのお! お前ら少し遊んで  やれ!」

  アクアレンの配下がクレス達に向かっていく。

  それを見て心配しながらエリーは

  「クレスさん、ガラムさん!」

  「ガラム殿ここは我々で食い止めましょう!  エリー、こっちは心配するな! それよりカ  イルを頼む。」

  「分かり申したクレス殿、エリー殿カイル殿  をお頼み申す!」

  「分かりました。 気をつけてください。」

  それを見ていたカイル

  「ほう、この私を無視するとはな、それほど  余裕があるのか?」

  カイルは攻撃をする。

  「ウオーターアロー!」

  氷の矢がエリーを襲う。

  「ファイヤーウオール!」

  エリーはカイルの攻撃を防ぐだけで攻撃はし  ない。

  攻撃を防ぐだけのエリーを見てカイルは

  「貴様、私を舐めているのかなぜ攻撃をして  こない?」

  エリー、苦悶の表情で

  「そんなことできるわけないじゃないですか  !」

  「ふん、まあいい、攻撃してこないならこっ  ちが攻撃するまでだ!」

  カイル魔力を増大させ魔法を放つ。

  「ウオータアロー!」

  再びカイルのウオーターアローがエリーを襲  う!

  エリーもまたカイルの攻撃を防ぐが魔力がエ  リーを上回った為防ぎきれずそのままくらい  吹き飛ばされてしまった。

  「エリー!」

  二人はエリーを心配する。

  「私なら大丈夫です。」

  必死に立とうとするエリー。

  「まだ立つか、そろそろ楽にしてやよう!」

  「ウオーターアロー!」

  カイルの攻撃を防ぐエリー、するとエリーの  意識の中に声が聞こえてきた。

  「エ ー、き える ?」

  エリーも驚いた表情で意識の中の声に応える

  「もしかしてカイルさん?」

  「よかった、エリーに届いてくれたか! エ  リー聞いてほしい、今私は辛うじて思念を飛  ばしエリーの意識に話しかけている。しかし、  それもいつまで持つかわからない。このまま  ではエリーを殺してしまうかもしれない、だ  からそうなる前に私を倒してくれ! 私もエ  リーに殺されるなら本望だ。だから頼むエリ  ー!」

  カイルの悲痛な叫びにエリーは

  「そんなことできるわけないじゃないですか  !」

  「何をブツブツ言っている? これで最後だ  くらえー!」

  カイルは更に力を込めエリーにとどめを刺そ  うとする。

  「エリー、やるんだ!」

  「ダメ、出来ません。」

  カイルの力に押されピンチに陥る。

  「やるんだー!」

  エリー、涙をこぼしながら

  「カイルさん、ファイヤーストーム!」

  炎の渦がカイルのウオータアローを飲み込み  カイルごと吹き飛ばす。

  「うわー!」

  カイルは倒れざまに正気に戻り

  「エリー、よくやった。」

  そのまま倒れ動かなくなった。

  エリーは涙を流しながら

  「カイルさん、ごめんなさい。」

  それを見たクレスやガラムも

  「カイル!」

  「カイル殿!」

  やられたカイルの姿を見て

  「何だもう少し出来ると思ったが結局この程  度だったか、やはりクズはクズだな!」

  エリー、アクアレンの言葉に反応する。

  「あんた、今なんて言った?」

  「あん、クズと言ったんだ。クズにクズと言  って何が悪い?」

  エリーの表情が変わった。

  「あんたカイルさんをクズですって許せない、  あんただけは私が倒す。」

  エリーの怒りが爆発した。

  「小娘が偉そうに、少々予定は狂ったがこう  なったら仕方あるまいこのアクアレン様が滅  ぼしてくれるわ! くらうがいいダークスト  ーム!」

  黒い渦がエリーを襲う!

  エリーも反撃に出る。

  「ファイヤーストーム!」

  エリーのファイヤーストームがアクアレンの  ダークストームを軽く吹き飛ばす。

  「何だと?」

  「これで最後よ!」

  エリー、魔法力を最大まで高めて放つ。

  「ファイヤーストーム!」

  「小癪な、ダークストーム!」

  しかし、エリーの魔法力がアクアレンを上回  りダークストームを飲み込みながらアクアレ  ン自身も飲み込んでいく。

  「そんなバカな、このアクアレンがこんな小  娘に破れるなんて!」

  アクアレンは叫びと共にファイヤーストーム  に完全に飲み込まれ消えていった。

  エリーはその場に座り込み涙を流しながら

  「カイルさん、アクアレンは倒しましたよ   。」

  

   第十章

  「エリーの決意」

  エリーはしばらく座りながら沈んでいた。

  アクアレンがやられたことにより配下の魔物  は消えクレスとガラムはカイルに近寄った。

  するとクレスから驚きの言葉がエリーに向け  られた。

  「エリー、来てくれカイルが!」

  その言葉に泣いていたエリーが泣きやみ涙を  拭きながらカイル達に近寄る。

  「どうしたんですかクレスさん?」

  クレス、エリーの顔を見ながら

  「カイルの、カイルの心臓がかすかに動いて  いる。」

  それを聞いたエリーはすぐにカイルに回復魔  法をかける。

  「ヒール!」

  カイルの表情が良くなった。

  そして、他の傷ついた兵士にも回復魔法をか  け王宮の医務室へと運んびそののち王へ報告  にいった。

  王の間へ行き報告すると王は表情を歪みなが  ら話した。

  「そうかカイルが! それにしても何と卑劣  な真似を許せん。」

  表情が歪んでいる王にクレスは

  「しかし、エリーのおかげで四天王の一人を  倒しカイルも元に戻りました。」

  「そうかエリーが、エリーよカイルをよく救  ってくれた礼を言う。」

  エリーに頭を下げるライル王。

  「そんな頭を上げてください王様、それにカ  イルさんを助けられたのは偶然です。 一つ  間違えてたら殺しているところでした。」

  その時、王の間に一人の兵士が慌てた表情で  入ってきた。

  「カ、カイル様の意識が戻りました。」

  「え、カイルさんが!」

  みんな顔に笑顔が戻った。

  そしてみんなは急いでカイルのいる医務室へ  向かった。

  みんなが医務室へ着くとカイルが気づき体を  起こし話した。

  「ライル王それに兄さんエリーガラム殿、そ  して城のみんなこの度自分のせいでこのよう  なことになり大変申し訳なく思う。」

  カイルは涙を流しながらみんなに謝る。

  そんなカイルにライル王は

  「もう良いカイル終わったことだ悔やむでな  い。」

  「そうだカイル終わったことだ。 それにも  しヨークランドにいったのが私ならカイルと  同じ目になってたかもしれない。」

  カイルを励ますクレスにエリーも

  「そうですよカイルさん。 それに私はカイ  ルさんに謝らなくちゃ、操られて他とはいえ  私はカイルさんのこと殺そうとしました、す  いません。」

  謝るエリーにカイルは

  「いいんだエリー、それは私がお願いしたこ  とだから! エリーは悪くない。」

  「カイルさん!」

  笑顔で応えるエリー。

  そして王はカイルに

  「カイルよ、しばらくの間は休養を命ずる   。 あとのことは皆に任せなさい。良いな   !」

  「しかし王様!」

  「カイル、少し休めあとのことは任せろ!」

  「兄さん!」

  エリーも笑顔で

  「カイルさん、ここは国一の魔法使いエリー  に任せてください。 ジークは私が必ず倒し  てみせますから!」

  カイルは笑顔で

  「言うじゃないかエリー、なら任せたぞ。」

  「はい!」

  カイルはホットした表情で

  「それでは少し休ませてもらいます。」

  カイルはそのまま眠りについた。

  その後再び王の間へと戻った。

  王はエリーに問いかけた。

  「エリー、何かジークへの対策はあるのか   ?」

  エリー、少し考えながら

  「いえ今のところありません、しかし、カイ  ルさんにジークを倒しますと言った以上今ま  で以上に修行して強くなり必ず倒してみせま  す。」

  エリーの顔は決意の表情に満ちていた。

  「エリーよく言った。私も出来る限りのこと  はしよう。必ずジークを倒してくれ。」

  「はい!」

  周りからは拍手とエリーを讃える声には触れ  ていた。

  その頃浮遊城ではジークの側に残りの四天王  が集まっていた。

  ジーク少し表情を歪ませ

  「グレンに続きアクアレンまでも倒された   。」

  残りの四天王は驚いた表情で

  「何とアクアレンまでもが! 敵もなかなか  やると言ったところか!」

  ジークが笑みを浮かべながら

  「面白い、我が配下を二人も破った力この大  魔王ジーク自ら試してやろう!」

  四天王は驚きながら止めようとする。

  「ジーク様自ら出られるなどここはこの土の  アークにお任せを!」

  ジークは静止を振り切りながら

  「よい、わし自ら試してみたくなったのよ   ! アークにシルフィードよ、お前達は北の  トリスタンと南のキールスランドを制圧せよ  !」

  「は!」

  アークとシルフィードはその場から消えそれ  ぞれの場所へ向かっていった。

  「フフフ、久しぶりに血が騒ぐわ!」、

  ジークもまたその場から消えセントルイスに  向かうのであった。

  

  第十一章

  「大魔王ジーク襲来!」

  その頃セントルイスでは王の間でクレスにエ  リーそれにガイアランドのガラムを含め今後  の魔王軍への対策を練っていた。

  「皆の者今後についてだが我が国も兵力の増  加や武力の向上に力を入れていき魔王軍への  攻撃に備えたいと思う。」

  「ライル王、それに部隊も新たに編成したい  のですがよろしいでしょうか?」

  ライル王はクレスの考えに同意しながら。

  「わかった、部隊の編成はクレスに任せる   。」

  「は!」

  「ライル王、私は一度国に戻り部隊を編成し  戻ってきます。」

  「ガラム殿頼む!」

  「は、ライル王では失礼つかまつる。」

  ガラムは数人の兵と共に国へ戻っていった。

  「エリーは私と一諸に来て欲しい。」

  「はい、わかりました。」

  エリーはクレスと共に訓練場向かった。

  訓練場へ行くと兵が訓練していた。

  クレスは兵に声をかける。

  「兵士たちよ、訓練をやめ集まってくれ。」

  クレスの号令と共に兵がクレスの元に集まっ  てくる。

  「今から新たに部隊を再編成したいと思う。  部隊は大きく2部隊に分かれる、まずは剣や  斧を持った近距離部隊と弓と魔法を使う遠距  離部隊の2種類だ。」

  「剣や斧を使う者は私の指揮の元に動いても  らう、そして、弓や魔法使う者の方にはエリ  ー君に指揮をとってもらう。」

  クレスの言葉に驚くエリー。

  「待ってくださいクレスさん、私に指揮なん  て出来ませんよ! それに私この世界に来て  まだ日も浅いのに人に命令とか出来ません   。」

  困った表情でクレスに言うエリー。

  そうするとクレスは笑顔で

  「大丈夫、エリーならやれる。 それに今の  エリーに不満を持つものなどいないだろう。  みんな、この中にエリーが指揮を取るのに反  対のものはいるか?」

  兵に問いかけるクレス。

  そうすると兵士全員納得した表情で

  「エリー様が指揮を取るのに問題はありませ  ん。」

  クレスも納得した表情で

  「見ての通りだエリー! まあ、カイルが戻  ってくるまでの間だ。」

  エリーも不安そうになりながら

  「それではみなさんよろしくお願いします   。」

  「こちらこそよろしくお願いします、エリー  様!」

  エリー、恥ずかしながら

  「そんな様はやめてください、エリーさんで  いいですよ。」

  みんなが笑う。

  「じゃあ、ここから分けてそれぞれ攻撃の連  携や守備の取り方について話し合おう。」

  クレスの言葉にそれぞれクレスとエリーの指  揮する2部隊に分かれていった。

  分かれるとエリーは改めて挨拶する。

  「これから遠距離部隊の指揮を取ることにな  りましたエリーです。 よろしくお願いしま  す。」

  周りから拍手が響く。

  「それでは具体的弓使いも魔法使いもそれぞ  れのサポートという形を取ります。」

  周りが少し困惑する。

  「要するに弓使いは魔法使いが詠唱している  時の時間稼ぎの為に魔法使いは弓の攻撃を当  たりやすくする為の誘導的な事をしてもらい  ます。」

  「なるほど!」

  「なのでここから更に魔法使い使いと弓使い  を二つに分けそれぞれ役割をつけサポートが  出来るように連携の訓練をしてもらいます。  よろしいですか皆さん?」

  「はい!」

  エリーの指揮にもと部隊を二つづつに分けそ  れぞれ役割を言い訓練が始まった。

  「はい、そこで魔法使いの前に立ち時間稼ぎ、  その後魔法使いの合図の元左右に分かれ魔法  を討つ。」

  「いい連携です、そこ魔法で弓使いから目を  逸らさせる。 もうちょっと注意を惹きつけ  て!」

  みんな、エリーの指示通りの連携がとれるよ  うになった。

  「はい、少し休憩します。 みなさん流石で  す。 自分の思ってた通りの連携が出来てま  すよ。」

  兵のみんな笑いながら

  「いや〜、指揮官がいいからですよ。」

  エリー、恥ずかしながら

  「そ、そんなことないですよ。」

  その時である。

  エリーは遠くの方から禍々しい邪悪な気配を  感じ取った。

  後ろ方からクレスも来た。

  「エリー、この邪悪な気配は何なのだ? 今  までにないくらい恐ろしいものがこちらに迫  ってくる」

  「多分私の考えが間違えなけれがおそらく大  魔王ジーク!」

  「大魔王ジーク?」

  クレスはすぐに部下に兵の増援と王への連絡  を部下に頼んだ。

  部下はすぐに城へと走っていった。

  その直後、エリー達の前に黒い渦が現れその  中から魔物の軍勢と巨大な魔物が現れた。

  「フフ、お初にお目にかかる。 我の名は大  魔王ジークこの世界を支配する者!」

  「あれが大魔王ジーク!」

  エリーは、大魔王ジークから恐ろしいほどの  巨大な邪気を感じていた。

  

   第十二章

  「大激突!」

  エリーやクレス達は大魔王からはっする邪気  に少したじろいていた。

  ジークはセントルイスの軍を見てエリーから  巨大な魔法力を感じるとエリーに話しかけた。

  「ほう〜! 小娘貴様か我が配下を倒したの  は?」

  その言葉に驚くエリー。

  驚くエリーにクレスはジークに問う。

  「大魔王ジークよ、なぜエリーが倒したと申  すのだ?」ほう

  クレスの問いにジークは

  「簡単なことよ、貴様らの中で一番巨大な魔  法力を感じるのはこの小娘だからよ!」

  不敵な笑みを浮かべながら

  「お前ら、少し遊んでやれ!」

  ジークが魔物の軍勢に指示すると一静にエリ  ー立ちに襲いかかってきた。

  エリー達は陣形をとり魔物の軍勢に迎え撃っ  た。

  エリーは兵士達に

  「みなさん慌てないで、訓練通りすれば大丈  夫です。」

  兵士達はエリーの言葉に落ち着きながら訓練  通りの行動し次々と魔物達を倒していく。

  それを見たクレスも

  「我々の部隊もエリー達に負けてはいけない  な、隊列乱さず落ち着いて行動しろ!」

  クレス達の部隊も魔物達を圧倒していく。

  そして、それぞれの部隊の攻撃により魔物の  軍勢を全滅した。

  その戦況を見たジークは   

  「ほう、中々やるではないか。 今度は私が  相手になってやろう!」

  ジークは巨大な魔力を出しながらエリー達に  近づく。

  「ではいくぞ、ダークストーム!」

  ジークの攻撃にエリーもすぐに対応する。

  「ファイヤーウオール!」

  ジークの攻撃を防いだ。

  「ははは、大した魔法力だ、これならあの二  人がやられたのも納得がいく。 久しぶり倒  し甲斐がある相手よ!」 

  笑みを浮かべるジークに反撃するエリー。

  「ファイヤーストーム!」

  ジークにエリーのファイヤーストームが襲う。

  エリーの魔法を見るジークが

  「しかし所詮この程度のレベル、呪文を唱え  るまでもないか。 はー!」

  そう言うとジークは呪文も唱えず片手でエリ  ーファイヤーストームをかき消した。

  「嘘でしょ?」

  エリーは力の差に歴然とする。

  クレスも驚きながら

  「まさかこれほどとは!」

  ジークは少しため息をつきながら

  「もう少し楽しめると思ったが、まあいいそ  ろそろ楽にしてやる。」

  ジークがエリー達にトドメをしにかかる。

  「ダークエクスプローラ!」

  黒い閃光がエリー達を襲う。

  エリーも負けじと魔法力を高め防戦する。

  「アースウオール!」

  かろうじてジークの攻撃を防ぐ。

  「ほう、まだやると言うのか! しぶとさだ  けは褒めてやる。しかし、力の差は歴然いい  加減あきらめたらどうだ?」

  それでも攻撃をし続けるエリー。

  クレス達もエリーに負けじと攻撃をする。

  「サンダーエクスプローラ!」

  「オーラブレード!」

  ジークはまたも呪文を唱えず片手で攻撃を防  いでいく。

  「これでもダメか?」

  落胆するクレスにエリーは何かを見つけて

  「クレスさんあれを見てください!」

  エリーが指差す方を見るとジークの手から何  かが溢れていた。

  「あれはもしかして血か?」

  「クレスさん私たちの攻撃、全く効いてない  わけじゃないんです!」

  クレスに笑顔がもどる。

  「よし、何度でも攻撃するぞ!」

  「はい!」

  ジークは自分の手から血が出てるのを見て表  情を変える。

  「この私が血を流すだと! 許さん、許さん  ぞ虫ケラども全員滅ぼしてくれるは!」

  激怒したジークがエリー達に攻撃をする。

  「終末の黒炎、ダークフレイム!」

  エリー達にとてつもなく巨大な黒炎が襲いか  かる。

  エリー達も力を合わせ防御する。

  が、激怒したジークの力は強く押されていく。

  「つ、強いこのままだと防ぎきれない。」

  自身の攻撃を防ぐエリー達を見て

  「まだ抗うか、いい加減くたばれ。 はー   !」

  ジーク、更に力を込める。

  やがてエリー達はジークの攻撃を防ぐことが  できず吹き飛ばされてしまう。

  「ここまでか!」

  クレスは諦めかけているとエリーはまだ立ち  あがろうとしていた。

  「カイルさんと約束したんだ、ジークヲ倒す  ってだから諦めるもんか!」

  立ちあがろうとするエリーを見て

  「まだ立ち上がるか、しぶとい奴め!」

  かろうじて立ち上がったエリーは諦めずジー  クに攻撃する。

  「ウオーターストーム!」

  攻撃するエリーに更に怒り出す。

  「ええ〜い、しぶとい奴めいい加減にくたば  れはー! ダークフレイム!」

  怒りのジークの前にエリーの攻撃は押されて  いた。

  「やっぱりダメなの、ジークを倒せないの   ?」

  エリーが諦めかめた時、後ろの方から巨大な  魔法が飛んできてジークの黒炎を押し返した。

  ジークが驚く。

  「何、誰だ?」

  エリーも驚きながら後ろを見るとそこにはカ  イルやガラムが兵を引き連れ援軍に来ていた。

  

   第十三章

  「戦いの果てに」

  エリーはカイル達の姿を見て笑顔が戻った。

  「カイルさん、ガラムさん!」

  「カイルもう大丈夫なのか?」

  「遅くなってすまないエリー、兄さんもう大  丈夫だ。 さあ、ここから反撃開始だ!」

  「その通りであるエリー殿!」

  「はい!」

  倒れていたもの達は皆立ち上がった。

  それを目の当たりにしたジークは驚いた表情  をしながら

  「まさか全員立ち上がってくるとは⁈」

  ジークは笑いながら

  「ははは、面白い面白いぞ、やはりこうでな  くもっとっと楽しませてくれ。」

  カイルがエリーに近づく。

  「エリー、バラバラに攻撃してはダメだ力を  合わせよう。」

  「はい!」

  エリーとカイルは力を込め同時に魔法を放つ。

  「ファイヤーストーム!」

  二人の合わさった魔法がジークを襲う。

  ジーク少し表情を変えながら

  「何⁉︎ これは?」

  ジークは防御の呪文を放つが少しずつ押され  ていく。

  「小癪な真似を!」

  ジークは更に力を込め魔法を打ち消した。

  ジーク笑いながら

  「ははは、やるではないかこうでなくては殺  し甲斐がないわ!」

  「ならこれはどうだ、ダークストーリーム   !」

  ジークの攻撃が二人を襲う。

  「エリー!」

  「はい、カイルさん。」

  二人同時に

  「ウオーターウオール!」

  ジークの攻撃を防いでいく。

  「何⁈ この攻撃さえも防ぐか! ならば少  し本気を出さないといけないみたいだな!」

  ジーク、魔力を増幅させていく。

  「ダークストーリー!」

  「さっきの魔法の威力とはちと違うぞ。 さ  あどうする?」

  エリーはカイルと力を合わせジークの攻撃を  防いでいくがさっきより威力が強いため徐々  に押されていく。

  それを見た周りの兵も二人の援護する。

  周りの兵の協力もありなんとかジークの攻撃  を防ぐ。

  攻撃を防がれ驚くジーク

  「何とこの攻撃さえも防ぐか! ならここか  らは全力だ。 我が力全力を持って殺してく  れるわ!」

  ジークは更に魔力を増大させていく。

  ジークが魔力を増大させる中、エリーは何か  閃いたのかみんなを集めて話始めた。

  「皆さん、私に作戦があります。」

  「エリーどんな?」

  「まず、私とカイルさんの部隊が魔法力を増  幅させている間、ガラムさんとクレスさんの  部隊でジークの魔法を押せえてもらいます。  そして私達の部隊が魔法力を貯めたと同時に  カイルさんのオーラブレードで魔法を切り裂  きそれを合図に私達が魔法を放ちます。」

  「わかった、一か八かエリーの作戦に賭けよ  う。いいなみんな?」

  「わかったよ兄さん。」

  「心得申した。」

  みんな別れて準備に入る。

  魔力を増大させながらそれを見ていたジーク  は怒りを露わにしながら

  「何をコソコソと! これで最後だくらえダ  ークストーム!」

  巨大な黒い嵐がエリー達を襲う!

  「皆の者いまだ!」

  ガラムの合図と共にエリー達の前に立ちジー  クの魔法を押せえていく。

  「何を小癪な、はー!」

  ジーク更に力を込める。

  「皆の者、もう少しだけ持たせろ。」

  ガラム達は必始に抑えるが兵達にも限界が見  える。

  その時、エリーがクレスに合図を出した。

  するとクレスはガラム達の後ろに立ち目で   ガラムに合図を送る。

  ガラムは合図と共にジークの魔法を防ぐのは  やめ左右に分かれる。

  「何をする気だ!」

  ジークの魔法はクレスに向かっていく。

  クレスは剣に溜め込んだ気と共にジークの魔  法を切りにかかる。

  「オーラブレード!」

  するとジークの魔法を真っぷたつ切り裂いた。

  驚くジーク。

  切り裂いた直後クレスはエリー達の前から避  ける。

  それを合図にエリーやカイル達は魔法をを放  つ。

  「ファイヤーストーム!」

  一つに合わさった魔法はとてつもなく大きな  炎の嵐となってジークを襲う。

  「何だと?[#「?」は縦中横]」

  ジークは慌てて防御呪文を放つ。

  が、エリー達の方が力が強く押され始める。

  ジークは怒りながら

  「この大魔王ジークを舐めるな!」

  ジークは更に力を込めエリー達の魔法を押し  返す。

  魔法は徐々にエリー達に近づいていく。

  「みんな諦めるな!」

  カイルの言葉にみんなが最後の力を振り絞る。

  「エリー、もう少しだ頑張れ!」

  「はい、カイルさん!」

  「はー!」

  エリーやカイルも最後の力を振り絞る。

  その力が更に強くなりジークに押された魔法  を押し返す。

  そしてついにジークを飲み込み始める。

  「まさかここまでやるとは、ならばこの体で  は無理だな。 なかなか楽しめたぞ、エリー  、また会おうはははー!」

  そういうとジークは炎の嵐の中に消えていっ  た。

  「やったー、ついに大魔王ジークを倒したぞ。  」

  周りのみんなが喜ぶ中、エリーは少し違和感  を感じつつジークの最後の言葉が気になって  いた。

  

   終章

  「私が必ず!」

  みんなはライル王への報告の為王の間へ来て  いた。

  ライル王はクレスからの報告を受け喜ぶ。

  「そうか、あの大魔王ジークを倒したかみん  なよくやってくれた、特にエリーには礼を言  わないと。 やはり、私の目にくるいわなか  った。」

  エリーは、ライル王の言葉に素直に喜べない  でいた。

  それを見たカイルがエリーに問う。

  「エリーどうした、浮かない顔して?」

  エリーは意を決して自分の思っていることを  みんなに話した。

  「ライル王それに皆さん私の考えが正しけれ  ば大魔王ジークは死んではいません。」

  エリーの衝撃の発言にライル王や周りのみん  なは驚く。

  ライル王はエリーに問う。

  「エリー、何故そう思う?」

  エリーは自分の考えを話始めた。

  「まず、大魔王とはいえあれほどの力で倒れ  るものかと? 手応えが感じられませんでし  た。そしてジークの最後のことばこの体では  無理だなという言葉あれはもしかしたらジー  クの分身体か何かではないかと思うのです   。」

  クレスがエリーに

  「エリーの考えすぎではないのか?」

  更にエリーは話す。

  「それにジークは消える間際、私にまた会お  うと言いました。」

  エリーの話を聞いたライル王は

  「なるほどな、エリーがそこまで思うのでは  間違いあるまい。」

  「ではライル王、大魔王ジークはまだ生きて  いると?」

  「ああ!」

  周りは静まり返る。

  その中エリーはみんなに話す。

  「ライル王、皆さん大丈夫です。今まで以上  に修行して強くなり今度は圧倒的な力で大魔  王ジークを私が必ず倒して見せます。」

  エリーの決意にライル王は

  「エリー、よく言ってくれた。 私もエリー  には出来る限りのことはしよう、なんでも言  ってほしい。」

  「はい、ライル王ありがとうございます。」

  「何かエリーがいると出来ないこともできる  ような気がする。」

  「ライル王、それは少し言い過ぎですよ。

   」

  エリー笑いながら答える。

  「いやいや、私は素直に答えたまでだ。」

  「確かにその通りだ。」

  「もう、クレスさんまで!」

  周りのみんなも納得した表情をする。

  「しかし、エリーにばかり負担をかけるわけ  にはいかない。私達も今以上に修行してエリ  ーを追い越すぐらいにならないといけないな  !」

  「そうですね、兄さん!」

  エリー、笑いながら

  「あら、クレスさんカイルさん私それ以上に  強くなるかもしれませんよ!」

  「エリーには叶わないなー!」

  王の間にはみんなの明るい笑い声がこだます  る。

  

               第一部 完

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

   

   

   

   

後に完結編を投稿予定です。

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