6
講義が、終わった…
でも、帰れない……
仕方ない、片付けだけしとこっと。
教科書やノートを鞄にしまう。
フッ、逃げてやろうかしら?
なんて思案していると、先生の声が聞こえて来た。
「あれ? 宮永、どうしたんだ。」
「ご無沙汰してます、先生。」
私は、声の主を見、ウンザリ。
逃げられないか………(泣)
「ははん、また、なんか企ててるのか? あまり、迷惑をかけてくれるなよ。」
「人聞きの悪い事、言わないで下さいよ。」
「すまん、すまん。 ほどほどにな。」
じゃあ、と言って、先生は、教室を出ていく。
後には、私と『宮永』と言われた人の二人になった。
「やあ、こんにちは。」
「……はあ、どうも失礼します。」
と、言って、逃げられなかった――
チッ、立ち去ろうとしたら、手を捕まれるとは!
はあ〜〜、私は、ため息をつくと、『宮永』と言う人を見る。
「私になにか、ご用ですか?」
「そうだよ。 キミ、変わってるね。」
「はあ? そうですか、すみませんね。 それより、手を放して頂けませんか?」
私は、捕まれたままの手に視線を送る。
「逃げない? なら、放してあげるけど??」
フーッと、ため息をついてから、わかりました、と言い、相手を見る。
すると、よかった、とニコリ微笑んだ。
ムダにいい顔するね、お兄さん、と一人ごちた。
「じゃあ、まずは、自己紹介からしようか。 僕は、『宮永 征司、三回生。」
「……私は、『河森 美咲』、新入生です。」
私達は、今、とある部室に来ている。
あれから、場所を変えようと言われ、手を捕まれたまま、連行されてしまった。
それからの自己紹介。
やはり、先輩でしたか…
先輩さんは、そんな私を椅子に座らすと、いそいそと、コーヒーを淹れてくれた。
はあ、コーヒーメーカーまで、あるとは、いやはや、大学ですな。
でも、私、ブラックは、飲めないのよね、胃が弱くて。
「すみません、ミルクと砂糖、ありますか? ブラックは、ちょっと……」
それとなく聞いてみる。
先輩は、ああ、って言うと、砂糖やミルク、コーヒースティック、コーヒーをこぼんに乗せて、渡してくれた。
「ありがとうございます。」
ひとこと言ってから、コーヒーに砂糖とミルクを入れて、まぜまぜする。
フーッとしてから、一口いただく。
うっ、ちょっと、苦いけど飲めなくはないかな。
「で、私に何の、ご用でしょうか?!」
私は、向かいに座ってる先輩にニコリと微笑を返した。




