4
イケメンさんは、少し驚く様子を見せたが、あぁ、と一人、頷く。
「そうか、きみは知らないんだね。 ぶつかった相手が、僕だという事を……」
「……!?」
な、なんですと――!!
わ、わすれてたのに!!
いや、落ち着いて、落ち着いて、大人の対応をするのよ!
「こ、こちらこそ、すみません。 あわててたので、どうも、失礼しました。」
「こちらこそ、ケガとかは、してなさそうで、良かったよ。」
「ええ、手のひらを少し擦りむいただけで、大丈夫です。」
「え?」
し、しまった。
会話を続けてしまった。
早く、立ち去りたいのに。
そう思われてるとは知らないイケメンさんの表情が少し曇る。
おや?
気にさせてしまったかな??
でも、ウソはついてないし、血が出たから、手のひらに絆創膏を貼っているしね。
とりあえず、早く終わらせよう。
「ほんと、大丈夫なので、気になさらないでください!」
わざとらしく腕時計をみる。
そして、おもむろに切り出す。
「次の講義があるので、すみませんが、これで失礼させていただきます。」
といい、頭を下げる。
そして、私は、その場から離れる事にしたのだった。
くーッ、せっかくいい場所、みつけたのに!
また、探さなくっちゃ。
――そんな私の気持ちとは、うらはらに、ちょっとした事が起き、少しくじける事になるとは、思いもしなかった。




