なぜ、こうなった? 1
私は、一人、会場を出て、ホテルにあるレストランに来、担当さんのはからいで用意されている夕食を頂いている。
ああいう催しでは、食べる所まで、長く居続けないからね…
ホント、今日は、余計に疲れた!
卒業してから、キレイさっぱり、忘れていたのにな……
ハァ〜〜、ヤレヤレ。
それにしても…
あのコンビ、まだ、続いていたんだ。
それなのに、なぜ、あの人、私の家に上がり込んだんだろう?
あちらに行ってくれてもいいのに。
よくわかんないや。
そんな事を考えていると、嫌でも、あの時を思い出さずにはいられなかった。
――宮永せんぱい!
今日も甘ったるい声で、私の隣にいるイケメンさんに声をかけるぶりっ、ウゥッ、女性。
「藍澤さん、なにかな?」
それに律儀に答えるイケメンさん。
この人、人当たりは、いいからね〜
内心、ヤレヤレと思いながら、二人から視線を逸らすと、そっと、距離を取る。
側にいると、めんどくさいし、しんどくなるのよね、ハァ〜。
このイケメンさん、いろいろそつなくこなすし、人付き合いもいいから、人気があるのは、ワカル、だがしかし、なんとなくだけど、私に絡んでくるのよね、やたらと…
初対面の時、『オモシロイ』と、私の事、言ってたけど、なんでやねん!
ほっといてほしいんだけどな。
私は、イケメンさんをおいて、部室に入る。
すると、そこには、先客がいて、コーヒーのいい匂いがしていた。
「ユイちゃん! 来てたんだ。」
「はい! 先生、コーヒー、飲みますか?」
「ありがとう。 ミルクと砂糖をもらうね。」
ユイちゃんから、コーヒーを受け取り、ミルクと砂糖を入れ、まぜまぜする。
一口飲み、ホッとする。
「そうだ、ユイちゃん…」
「なんでしょう?」
「その、先生、呼び、やめてほしいんですが?」
「ムリです。」
即断ですか…
ユイちゃん事、長峰 唯。
私の同期なんですが……
なんと!
私の書いてるラノベのファンなのが判明。
しかも、私のカバンにつけている、アクリルキーホルダーの贈り主だった事で、身バレをしてしまい、先生、呼びが始まってしまったのです。
だけど、素性を隠したい私は、このようにたびたび、お願いしているのです。
まあ、ユイちゃんもその辺は、わかってくれて、人前では控えてくれるようになったけど、やっぱり、コショバイから、やめてほしいんだけどね。
そんなこんなを考えながら、コーヒーを飲んでいると、他の部員がちらほら入室してきた。
あのイケメンさんは、まだ、来ない―




