7
私は、担当さんに言われた通りに微笑みまくる。
顔が、引き攣りそう。
でも、がんばるのよ。
いろんな人達と微笑みながら、挨拶していくけど、お、覚えられない、顔と名前!
うん、帰りたい!!
私は、耐えられなくなり、チラッと担当さんの顔を見る。
すると、かえってきた、微笑み返し。
ううっ、まだ、ダメみたい…
仕方なく、こっそりとため息をついて、微笑み開始。
そんな私をジーッと見ている男性に気づく。
私は、不思議に思いながらも、会釈を返す。
誰かしらねぇ〜?
などと、思っていると…
今度は、プロデューサーさんから、声をかけられる。
「すみません、胡桃先生。 彼女が、ヒロイン役をする、藍澤 カレンです。」
そう紹介されて、私は、微笑んで頭を下げる。
そして、よろしくお願いします、と返した。
私は、そっと、紹介された彼女を見る。
彼女を見た時、頭の隅っこに何故か引っかかる。
うーむ、どこかで、見たような…?
すると、彼女もなんだか、不思議そうな顔をしているのに気づく。
なんか、モヤモヤする……
「アーッ、もしかして、美咲ちゃん?!」
突然、男性の声が、響き渡る。
私は、びっくりしながら、声の主を見る。
声の主は、先程、私をジーッと見ていた、男性だった。
ど、どなた?
なぜ、私の名前を?!
私は、ダンマリを決め込んで、ニコリと冷たい笑みを返す。
すると、声の主は、悪びれる事なく、私に近づく。
そして、
「オレだよ、オレ、華元 祥だよ! なつかしいなぁ〜。」
と、言って、満面の笑みを浮かべた。
懐かしがられた私…
だけど、私の中では、まだ、だ、誰でしたか?な感じです。
ごめんあそばせ。




